TOYOTA BIG AIR

TOYOTA BIG AIR 2006

来たぞ来たぞ。今年も来た、この時期が。
今回でこのイベントもなんとなんと10周年、TOYOTA BIG AIR 2006 a.k.a. DECADE of TBA。
そんなかっこつけた言い方はまあええわ。
いやいやちゃんと名前は付いてるんです、その名もTOYOTA BIG AIR 10th Anniversary。
おいおいそのまん……、っちゅうつっこみもまぁ置いといて、と。
tba06_001▲今年も来たぞTOYOTA BIG AIR
tba06_002▲左:これぞTBA、屋外万歳!
右:助走は洗濯板のように波打つ
tba06_003▲左:鈴木翔太
右:小西隆文

とにかくほんま毎年ごっつい楽しみなイベントなんです、このTOYOTA BIG AIRはね。いっつもいっつもさぶくてさぶくて死にそうなるんやけどあの屋外での観客の盛り上がり、花火の盛大さ、キッカーから繰り出される技の迫力は一度見たらヤミツキです。
室内快適空間の東京方面のドームのこれまた同様な車メーカー主催のやつ、あれしか行った事無い人、是非是非来てみなはれ、この真駒内オープンスタジアムに。絶対おもろい、ほんまにおもろい、保障する、マジでおすすめです。あ、でも防寒は必要以上にしっかりな、ほんまさぶいから。

tba06_big001っと前振りはこの辺で置いといて、本編のレポートに参らにゃあ。
tba06_004▲和気あいあいのウェルカムパーティー
tba06_005▲左:マーク・アンドレ・タルト
右:トレバー・アンドリュー

tba06_006▲副賞はTOYOTA KLUGER HYBRID

tba06_007▲リラックスタイム

本戦28日の前日27日、本戦4枠をかけて日本人予選が行われた。この日本人予選っちゅうのも実のところ毎年「どないなん?」って思うんやけどな。この予選にも海外ライダーが参加したいぐらいになるとより素晴らしいイベントになるんやろな。と、主催の大変さを無視したコメント。

レールを戻して、と。

今回のキッカー、とにかくみんな立つ事自体が難しかったらしい。後で実際ライダーに聞いたとこによるとほんとに難しかったっちゅう感想やった。助走の雪面は洗濯板の様に波立ち、しかも固い、そしてそこをハイスピードで駆ける、微妙にエッジが掛かってくれて下手にラインは変えられない、助走のフラット部分は短くすぐさまリップに突入、飛んだら飛んだでランディングバーンは固くスリップしやすい。キッカー1個のストレートジャンプとは言え、まさにスノーボード自体の技術が追求される、そんなキッカーだったって言うてましたわ。

そんなキッカーでの予選を勝ち上がったのは西沢 孝征、石坂 亮、小西 隆文、鈴木 翔太の4人。翔太めっちゃかっこええ。これからどんどん上がっていくでしょうな。そういやぁ何年か前、もう5年以上前かな、友人に「今度紹介したい奴らいるんですよ。まだまだ子供なんですけど兄弟で二人ともいい子なんですよー。」って。忙しくて会う時間作れんで結局会わず仕舞なんやけどそれが翔太、拓巳の兄弟やったなー。そん時から二人ともスタイル出てるって聞いてたもんなー。やっぱ来よったな。でもこれからさらにガチンガチンにがんばって欲しい、ほんま。

その夜、招待選手と予選を勝ち上がった4人も含めたウェルカムパーティー。アサヒビールを頂きつつ和洋折衷の立食パーティーでございました。皆さん普段着で和気あいあいとした和やか空間です。今日は早く寝ましょうね。

そしていよいよ本戦当日。
公式練習前に既にゲートオープンでお客さんが続々入場です。アガってきますな、選手でもないワタシも気分アガって来ました。
公式練習始まると何か空気が変わります、まさに「ピンと張りつめた空気」っちゅうやつです。
その空気の中、まずは10-FEETのライブ。
さすがですなー、プロですな。
その一種独特の空気から血湧き肉踊る空気(?)へ変換してくれました。
素晴らしい空気の中、ついに本戦クオリフィケーションがスタート。
やはり招待選手とは言えどもなかなかこのキッカーは手強い様。
もちろんメイク出来たかどうか、が大きなふるいではある。でも個々のスタイル見られたり、喜びや落胆の表情、エンターテイメントの心意気、ライダーのそんなところが見られるのもイベントの大きな楽しみやわな。
tba06_008▲マサカリエアー、谷口尊人

tba06_009▲サービス精神旺盛マークの90ロール

tba06_010▲左:高橋成明
右:トレバー・アンドリュー

クオリフィケーションを勝ち上がったのはこの8名。
飛距離最長、バックサイド720インディ、イェロ・エッタラ。
独自スタイル、バックサイド720ジャパン、ニコラス・ミューラー。
日本発の独自スタイル、マサカリエアー、谷口尊人。
デニムジーンズで自分主張、キャブ720インディ、トレバー・アンドリュー。
こんな技も忘れるな、バックサイドロデオ540メロン、マリウス・オッターストロム。
フォーラムビデオスター、バックサイド720インディ、ヨニ・マルミ
スムーズなフロント回り、フロントサイド720テール、高橋成明。
日本を背負って行くでしょう、フロントサイド720テール、鈴木翔太

tba06_big002▲トレバー・アンドリュー、キャブ720インディ

惜しかったのはマーク・アンドレ・タルト。
二本目のバックサイドロデオというか90ロールというか、しっかりメイクはしたものの鈴木翔太と1ポイント差で残念ながら上がれずでした。
でもあのカエルウェアで観客を楽しませようとする心はとてもステキな心です、日ハム新庄に通ずるところアリですな。今後も期待しておりますよ、マークさん。

他にはイェロのバックサイド720は凄まじいって事。
一人だけ飛距離がずば抜けています。
あれは何でしょな、踏み切りが違うのかオーリーが違うのか、滞空時間が長いのでグラブも長い、ランディングにも余裕がありました。彼は何か特別なものをお持ちのようです。

クオリフィケーションが終わり、2つ目のライブはELLEGARDEN。
アゲアゲな気持ちにさらにプラスのアゲアゲです。
モッシュモッシュで地面の雪が微妙に融けツルッツルになりました、デッコボコのツルッツルです。
かーなり危険ですなコレ。来場の皆様、ライブ満喫の際はご注意ください。
余談ですがこの会場、通常はスケートリンクになっております。
スケートリンクの上に雪が積もった状態です、つまり下は氷です。
そりゃあ寒いです。まさに底冷えです。
何度も言いますが、ご来場の際は防寒をしっかりと。

さーてさて1/4ファイナルの始まりです。
ここからはMAN on MANの対戦方式、勝った者がトーナメントを上がって行きます。

鈴木翔太 VS イェロ・エッタラ
高橋成明 VS ニコラス・ミューラー
マリウス・オッターストロム VS トレバー・アンドリュー
谷口尊人 VS ヨニ・マルミ

鈴木翔太は二本ともフロントサイド1080に挑むがメイク出来ず、イェロ・エッタラのバックサイド720インディに軍配が上がる。イェロのインディ、バッキバキにポークしてました。
高橋成明は一本目フロントサイド720で抜けに失敗したが果敢にも二本目フロントサイド900を持って来た、惜しかった、もうちょいバランス取れれば立てただろう、この対戦はニコラス・ミューラーがバックサイド720ジャパンで勝利。
マリウス・オッターストロムは一本目バックサイド720ノーズ、二本目にキャブ720を出すがメイク出来ず、トレバーも一本目はミスったが二本目のキャブ540で立って勝利をおさめた。
ヨニ・マルミは一本目バックサイド720インディをメイクするが今イチ距離が延びず二本目もミス、谷口が一本目のマサカリでガッツリ距離を出してビタメイク、谷口尊人が勝利。
これでイェロ・エッタラ、ニコラス・ミューラー、トレバー・アンドリュー、谷口尊人の4名がセミファイナルに上がった。
来たな、来た。尊人が来たぞ。
イケイケ尊人、がんばれ尊人。
tba06_big003▲イェロ・エッタラ、バックサイド720インディ

次なる対戦は下記のように。
トレバー・アンドリュー VS イェロ・エッタラ
谷口尊人 VS ニコラス・ミューラー

イェロ・エッタラはまたまた一本目で距離を出しながらのバックサイド720インディポーク、トレバー・アンドリューはキャブ720インディをメイクするも距離が延びなかった。一本目245ポイントを叩き出したイェロ・エッタラが二本目ではチョー渋のスイッチバックサイド180インディを披露。チョー渋ながらバックサイド180ではポイントは上がらない、いやーでもほんとに渋かった、今大会ベストトリックやわ。そのすぐ後にトレバー・アンドリューの二本目、一本目と同じキャブ720インディを出して来た。これはビビったな、ビッタビタのフルメイクで距離も相当出てた。なんとポイントは243ポイント。イェロ・エッタラ、危なかったな、ギリギリセーフ。
谷口尊人は一本目、二本目でマサカリでの720を出すがメイク出来ずに一本目の126ポイントが採用、ニコラス・ミューラーも一本目にキャブ900ジャパンをミスり、二本目に出したスイッチバックサイド540インディも着地で板が回ってしまったが156ポイントで辛くも勝ち上がった。
谷口尊人がちょっと悔やまれるが仕方無い、コレが勝負やからな。

そしてついにスーパーファイナル。
イェロ・エッタラ VS ニコラス・ミューラー

一本目。
ここまでバックサイド720を繰り出していたイェロ・エッタラがスイッチスタンスから入って来た、出して来たのはキャブ1080インディ、残念ながらメイク出来なかったが距離、滞空時間は申し分無い。対するニコラス・ミューラーもスイッチスタンスでエントリー、今までのバックサイド720ジャパンに半回転加えたキャブ900ジャパンを持って来た、わずかに回転が足りなくメイク出来ず。

二本目はニコラス・ミューラーからのスタート。
一本目と同じ技、キャブ900ジャパン、独自のスタイルをここまで突き通したジャパングラブでの回転技。この技で決めて来た、ガッツリメイク。
イェロ・エッタラも一本目と同じ技で勝負、キャブ1080インディ。着地したが直後にヒールエッジが雪面に食い込みヒール側に倒れ込んだ。メイクならず。
これで優勝者、KING of AIRは独自スタイルを貫いたニコラス・ミューラーに決定。

tba06_big004▲ニコラス・ミューラー、キャブ900ジャパン

うーん、個人的にはイェロ・エッタラに勝ってほしかった。
キャブ900にキャブ1080で勝ってほしかった。
そして谷口尊人、素晴らしい。
「マサカリはキャブ540」って言う人もいるんだけどあの独自のスタイルを作り出したことは素晴らしい。
個性があるってことはほんとに素晴らしいと思う。
記者会見でもニコラス・ミューラー、イェロ・エッタラ、トレバー・アンドリューに「お前の技はオリジナリティがあってクールだぜ!(訳)」って実際に言われてた。
それにワタシ的にはトゥー抜けってやっぱかっこええって思います。
tba06_011▲鈴木翔太、フロントサイド1080

tba06_012▲ニコラス・ミューラー&高橋成明

tba06_013▲トレバー・アンドリュー&イェロ・エッタラ

tba06_014▲イェロ・エッタラ、キャブ1080インディ

と、いうことでTOYOTA BIG AIR 11thはトゥー抜けが多くなることを希望します。

tba06_015▲トレバー・アンドリューからプレゼント

tba06_016▲表彰式

report&photo:ksk
HILARI . DESIGN OFFICE

 

 

TOYOTA BIG AIR 2006 RESULT

TOYOTA BIG AIR 2006 RESULT

QUALIFICATION QUARTER FINAL SEMI FINAL SUPER FINAL
RANK BIB STANCE NAME NAT SPONSORS 1ST
RUN
2ND
RUN
BEST
POINT
1ST
RUN
2ND
RUN
BEST
POINT
1ST
RUN
2ND
RUN
BEST
POINT
1ST
RUN
2ND
RUN
BEST
POINT
01 12 R ニコラス・ミューラー SUI BURTON 217 198 217 238 217 238 090 155 155 116 257 257
02 01 G イェロ・エッタラ FIN NITRO 199 234 234 239 196 239 245 156 245 090 126 126
03 03 R トレバー・アンドリュー CAN BURTON 212 052 212 074 160 160 102 243 243 vs. イェロ・エッタラ
03 09 R 谷口尊人 JPN ALLIANREW 216 089 216 233 215 233 126 102 126 vs. ニコラス・ミューラー
05 15 R ヨニ・マルミ FIN FORUM 117 209 209 207 055 207 vs. 谷口尊人
05 10 G マリウス・オッタースタッド NOR ROME 210 172 210 127 061 127 vs. トレバー・アンドリュー
05 05 G 鈴木翔太 JPN BURTON 198 082 198 070 096 096 vs. イェロ・エッタラ
05 02 G 高橋成明 JPN TORQREX 129 201 201 055 072 072 vs. ニコラス・ミューラー
09 08 G マーク・アンドレ・タルト CAN VOLKL 189 197 197
10 11 R ルーク・ミトラーニ USA BURTON 194 046 194
11 16 R 西沢孝征 JPN ALBIREXNI 129 182 182
12 13 R ロジャー・ヘルムスタッドセン NOR HEAD 160 093 160
13 14 R サニ・アルバビック AUT BURTON 137 153 153
14 04 R 小西隆文 JPN GRAY OAKL 102 142 142
15 06 R 石坂亮 JPN STEPCHILD 072 082 082
16 07 R ギギ・ラフ AUT BURTON 063 057 063

 

 

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