アンディこと安藤健次が教える、ルスツリゾートで狙うならここだ!

北海道内でも最大級の広さを誇るルスツリゾートには国内外からたくさんの人が訪れる。最高のホスピタリティも提供するラグジュアリーなホテルが併設されていることもあり、とくに海外からのインバウンドがJAPOW(日本のパウダースノー)を求めてルスツへやってくる。もちろん、日本の滑り手たちにも大人気なのは言うまでもなく、北海道各地から、はたまた飛行機で日本各地からここルスツへ極上の雪と地形を求めて様々なスノーボーダーたちがやってくるのだ。今回の記事では、北海道を滑り倒しているライダーの中でも、今年50歳にしてRIDEから自身のシグネチャーボードを発表した今大注目のライダー(記事はこちら)、安藤健次がルスツリゾートの楽しみ方を教えてくれた。
Photo: Neil Hartmann

とにかく広いルスツリゾートをどう攻略するか?

ルスツリゾートの魅力はなんと言っても圧倒的な広さだ。3つの山にまたがるリゾート内にはトータル37のコースが広がっている。しかもゴンドラが4基、クワッドリフトとペアリフトがそれぞれ7基あり、コースの総滑走可能距離は驚異の42km。これほど広大なエリアの中には圧雪、非圧雪、パーク、ツリー、沢地形などコースのバリエーションも多種多様だ。
しかも札幌からも車で1時間半とアクセスも良いので、札幌在住のプロスノーボーダーも足繁く通っている人は少なくない。アンディこと安藤健次もその中のひとりだ。彼は札幌をベースに活動し、シーズン中は道内はもちろん本州のスノーリゾートへも足を運んでいる。そんなアンディに2023年1月、トップシーズンのルスツを滑ってもらった。天候は晴れ、しかも数日前に降雪のあった最高のパウダーコンディションの1日を。


雪質は文句なし、気になるパウダー競争率は?

早速、朝イチからゴンドラに乗り込み、いざトップへ。すると、少しの雲の隙間から太陽が顔を覗かせていた。気温も低く、木に降り積もった雪を見ればコンディションの良さは分かっていただけるだろう。ノンストップで滑りまくっていたアンディに、様々な角度からルスツの魅力を教えてもらったのだが、まず彼がルスツの好きなところとして挙げたのは遊びの幅の広さだった。
「ルスツはたまに来るくらいやけど、来たら絶対おもしろいゲレンデ。雪があれば間違いなく最高に楽しいけど、メインの未圧雪コースにパウダーが残ってなくても、ルスツは広いから遊びながら探せば結構あちこちに残ってる可能性が高い。サイドヒットも充実してるし、パウダーエリアには小さいのから大きいマッシュがそこら中にあるから、本当に簡単に遊べるスポットを探すことができる」

滑りながらマッシュを見つけては軽快にエアーを繰り出すアンディ

どこのリゾートでも雪が降った次の天気の良い日や、とくに土日はパウダー争奪戦が繰り広げられている。しかしアンディいわく、ルスツのパウダー競争率は北海道の他のリゾートと比べてもそれほどではないという。
「やっぱり滑る場所が多いから、そう簡単にパウダーは無くならないね。もちろんオープンな非圧雪バーンは競争率が高いけど、トラックが入ってても柔らかい雪は十分に楽しめる。サイドには結構残ってるしね。あとロングじゃなくてショートなコースを狙えば、午後でも結構パウダーが残ってるところも多いのかなって」
実際、撮影の日は平日にも関わらずたくさんの人で賑わっていたが、ゲレンデ内もリフト待ちもそれほど混雑しているようには感じなかった。あまりにルスツのエリアが広いので自然と人もバラけるのだろう。

ラインが入った場所でもドライパウダーならこれだけスラッシュが上がる

途中休憩を挟んでコーヒータイム


アンディ流、ルスツを狙う時に外せないコースとは?

アンディは普段、ルスツをどのように滑っているのか聞いてみた。
「基本は一発ゴンドラで上がって、チェアリフトでまわすのが多いかな。雪が良さそうなところへ目がけて行くけど、今日みたいに雪の良い時は確実にシュガーに行くね」
アンディがシュガーと呼ぶのはイゾラとイーストの山の間にあるボウル地形の非圧雪エリアで、『シュガーボウル』という愛称で呼ばれている。ツリーの間隔もまばらで、ハイスピードからの大きなパウダーターンも楽しめる。コースのボトムはメインの沢に繋がっているので、どこからドロップしても迷うことがないのも安心だ。
「シュガーは人気だから結構ギタギタにやられてたら、イゾラへ向かう。スティームボートの方に降りて、沢を滑るかな。沢だったら雪が固い日でもサイドヒット地形が出来てて遊べるから、そこを回してることが多いかも」
アンディといえばスケートで培ったスキルもミックスされ、フラットトリックなどの小技の腕前もかなりのもの。編集部に送られてくる写真はパウダーカットが多い印象だが、プライベートで滑る際、どのようにゲレンデを滑って楽しんでいるのか聞いてみた。
「平らなコースはグラウンドトリックしながらハイスピードでカーヴィングしていくのは面白いけど、やっぱりそれだけだったら飽きちゃうよね。だから普段は雪の良いところを滑って、コースに出てきたらサイドヒットを当てたり、壁で遊んだりフラットでも遊んで、オールラウンドにスノーボーディングを楽しんでいるかな。そういう意味でもルスツのゲレンデは色んな楽しみ方ができる最高のスキー場だと思うね」

ルスツは起伏が豊富でジャンプできるスポットが点在している
広いバーンでビッテリーターンを魅せるアンディ
コースサイドも遊び場所となる
フラットバーンでも巧みにボードを操るアンディ


ルスツリゾートの魅力は山だけじゃない

ルスツにはスノーパークやキッズパークなどもあり、幅広い世代やレベルのニーズに応えてくれる。雪が降ればイゾラやイーストでツリーランや沢地形を楽しみ、美しく整備されたウエストのピステンコースをカーヴィングターンで流すのも気持ち良い。午前中にガッツリパウダーを滑った後は、初級から上級者まで満足させてくれるパークでフリースタイルに楽しみ、家族連れはソリやチュービングで子どもたちと大はしゃぎできる。とにかく広いルスツは雪質も極上で、コースも豊富。1日では全てのコースを回れないほどなので、ぜひ泊まりで訪れてガッツリ滑り倒してほしい。

いちばん奥に見えるのが北海道を代表する羊蹄山。そしてその手前に見える山もルスツリゾート
ルスツのTHE DAYを存分に楽しんだアンディ
1日を滑り倒したアンディはもちろん笑みがこぼれる

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