魅惑の国北朝鮮見学記

こんにちわCAPです。3泊延泊になって何か出来る事はないか?と考えてみたら、ありました。昨年度も実は行きたかった丹東(Dandong)。大連からCRH(中国新幹線=高鉄)でたった2時間半の距離にある北朝鮮との国境の街。国境って響きがソソられるのと、そもそも北朝鮮をこの目で見て見たいということで、日帰りトリップに行って来ました。

中国全土に貼り巡るCRH。もう日本の新幹線が世界でもっとも優れてるなんて昔のお話。主要都市の大部分へ簡単に行くことができ、時刻もほぼ100%定時。しかも中国最大のC-trip(中国政府も出資しているオンライントラベルエージェント)で簡単にチケットも取れる!10年前に駅で筆談して苦労して買ったチケットは今やオンライン決済で容易く購入可能。時代は変わったもんです。

予約決済後、予約番号とパスポートを持って窓口に行けば直ぐに発券。名前とパスポート番号が記入されているので原則本人しか使用出来ません。キャンセルは2時間前までなら可能。発券後の予約変更は1回までなら無料で可能。このチケットはCRHだけではなく短~長距離の列車、寝台列車にも適用されています。もしかしたらJRよりもよくできたシステムかもしれません。

前回哈爾濱(Harbin)まで行った際は郊外にある大連北駅発着でしたが今回は大連”中央 “駅発着です。CRHの発着は基本郊外である場合が多くそこまで行くのが結構面倒です。空港が市街地になく郊外にあるのと同じ感じです。中国国内のどこの駅も(地下鉄の全ての駅も)全てセキュリティチェックがあります。これまた空港と同じ仕組み。その昔東海道新幹線で事件があった際に議論されていましたが「人が多くて出来ない」という理由でその後議論そのもの却下されていました。そもそも中国の駅作り全てが空港と同様に実はとても機能的に出来ています。

それを表す一つの機能として「ホームには出発15分前じゃないと入れない」というのもあります。結果飲食店や待合室は一箇所で済んでいます。また乗車口と降車口が別々にあり乗客は交わる事がありません。まあーーそもそも土地が沢山あるのと後発組で作り上げたから先代の反省を活かしてるのでしょう。2027年に開通するリニアはどうなるのでしょうか?

2時間半ほどで目的地丹東駅に到着。毛沢東の銅像と丹東の駅。まさに中国って感じの雰囲気です。丹東は中国本土側から幾つもの路線が交わると同時に、その線路はそのまま単線となり鴨緑江を渡り北朝鮮に繋がっています。今でも週4便。北朝鮮の首都平壌まで直通列車が運行されているそうです。凄い!乗ってみたいけど、そもそも日本人って乗れるんでしょうか?色々と手続きが面倒臭さそうです。

街にはハングル文字もたくさん溢れています。中朝貿易の70%がここを通過するとあって、人の行き来は相当らしいです。先の単線の話の脇は道路も併設されていて車での行き来も可能です。もちろん特殊な許可が必要ですが人々の往来は相当あるようです。そんな歴史からか高麗街が街の中心に鎮座しています。道に沿って韓国料理ならぬ朝鮮料理屋が多数、お昼ご飯は朝鮮料理(中身は韓国料理と同じように見えるけど…)をいただきます。

駅から徒歩15分位で国境の川「鴨緑江」に到着します。対岸は決して行く事はないだろう北朝鮮。手前は観光客で混雑する中国側になります。中国人は特殊なビザがあるしくさほど入国は面倒じゃないそうですが、川の向こうに広がる北朝鮮は「グレー=灰色」な街並みです。遠目で見ると車が動いてるのですが、昭和40年代の骨董品級の車が走っていました。AUDIやBMWが走り回る中国側とは雲泥の違いです。鎖国国家を感じ得ずには要られません。

読んで字のごとく。鴨緑江断橋…。その昔日本がこの一体を満州国として占領、日本国無条件降伏後朝鮮半島分断、アメリカとソ連/中国が後ろ盾になった朝鮮戦争…。時代に翻弄されてきた橋は1950年11月8日のアメリカ軍の攻撃により破壊され、それが今もなお残っています。その後隣に鉄道と道路を併設された橋が造られましたが、あえて記念碑として残している姿を見ると複雑な戦中戦後の東アジアが見えて来ます。

爆撃でひしゃげた橋梁をそのままあえて残し、その先は断絶されています。ここはおそらく日本人が気軽に行けるもっとも北朝鮮に近い場所の一つでしょう。対岸の北朝鮮の街も外貨が入ってるのはずなので他の場所よりも断然お金が巡っているはずです。でも古びた建物たちは異様な空気を放っています。そして小さく見える北朝鮮国民の方々は地味な服装でそれも相まって街はグレー色をしている雰囲気を感じます。


CAPは現代史が結構好きです。特に第二次世界大戦の前後はとても興味があります。今日本はとても平和な世の中で生きていますが、その平和の根幹は過去の悲惨な戦争の上に成り立っている事を忘れてはいけないと常々思います。だからこそ、その歴史を直視したい思いがあり現代史に興味があるわけです。特に謎が多い北朝鮮と中国の国境であるここは以前からかなり行きたかった場所でした。

橋から離れた対岸を見ると、不気味なほど沈黙が支配する空間があります。こちら側の繁栄を知らずに一生涯生きてればおそらく不自由なりにも安心があるのでしょう。通称”西側”である日本や欧米から見ると信じられない環境がそこにあるはずですが、そこに住んでる方々はおそらく幸せで平和(おそらく…)で暮らしている事を祈ります。たった橋の先端から500mしか離れてない北朝鮮を見ては人の幸せとは一体何だろうと思わせる日帰りトリップでした。

CAP

石内 圭一
2005年から12年間。星野リゾートアルツ磐梯/裏磐梯猫魔スキー場のマーケティング責任者として、魅力開発、広報、営業、販促を統括。過去はBURTON SNOWBOARDの初心者専用ボード"LTR"の開発にも携わる。2017年5月より株式会社Sherpaに移りスノーを織り交ぜたインバウンズ誘客/集客コンサルタントを開始。引き続きFREERUNのライターも兼任。2018年7月からcitywave TOKYOのsenior adviserとしてアジア初の人工リバーサーフィン施設の運営責任者として従事。2019年6月よりスポーツファシリティマネジメントに移籍をしてより広範囲のアドバイザー業を開始。年間スノーボード滑走日数100日、年間サーフィン日数60日目標の横ノリオヤジです。 ------------------------ Twitter:@kei4cap Instagram:@kei4cap