2005年にスタートし、今年で18回⽬の開催を迎えた⽇本最⼤のカルチャーフェスティバル「GREENROOM FESTIVALʻ23」が、5⽉27⽇(⼟)・28⽇(⽇)の2日間に渡り横浜⾚レンガ地区野外特設会場で開催された。数年ぶりに規制なしでの開催となり、12万⼈を超える来場者を記録した本イベント模様をレポート。
サーフカルチャーをルーツに持ち今年で18回⽬の開催
毎年、冬のウィンターシーズンが落ち着いた5月下旬に横浜で開催される「GREENROOM FESTIVALʻ23」(以下GRF)。このイベントは、サーフカルチャー、ビーチカルチャーをルーツに持つ、⾳楽とアートのカルチャーフェスティバルとして2005年にスタートし、今年で18回⽬の開催を迎えた。スノーボードの原点でもあるサーフィンがルーツというだけあって、冬のシーズンを終えた多くのスノーボーダーたちもここ横浜に集まり、これから始まる夏のスタートを切るという流れがある。
このGRFでは「子供達に大切なビーチを残していきたい」という想いから、“Save The Beach Save The Ocean” をコンセプトに掲げ、急速に減少しているビーチと海の環境を守る為の活動も⾏なっている。定期的なビーチクリーンをはじめ、フェス会場でもリニューワブルディーゼルの採用や流木アート、環境映像の上映など様々なSDGsに取り組んでいる。このアクションは、ウィンターシーンで「気候変動から冬を守る」というテーマで活動しているPOW(Protect Our Winters Japan)と通じるものがあり、そうした想いは、同じ自然フィールドで1枚の板に乗って遊ぶというサーフィンとスノーボードを楽しむ私たちにとって、とても大事な部分を再確認させてくれる。
今年のGRFは総勢38組ものアーティストが出演し、会場には「GOOD WAVE STAGE 」「BLUE SKY STAGE 」「RED BRICK STAGE 」「PORT LOUNGE」と分かれている4つのステージが用意されていた。メインステージの「GOOD WAVE STAGE 」と「BLUE SKY STAGE 」では、海風をもろに感じられ、ゆったりとした時間とともに人気アーティストたちの歌声や演奏を大迫力で聞くことができる。
また、メインステージの外に位置する⾚レンガ倉庫周辺には、サーフブランドをはじめとする様々なブランドブースやフードブースが立ち並び、ショッピングや食事なども楽しめる他、建物内にはサーフアートの展示やサーフムービーが観れるようになっている。しかも、このエリアのコンテンツは無料で楽しむことができるのも嬉しいポイントで、「RED BRICK STAGE 」はこのエリアにあり、一部仕切られた有料ゾーンの外からでも十分にアーティストたちの歌声を聞くことができるようになっている。
また、DJがメインの「PORT LOUNGE」は、メイン会場から歩いて5分くらいの場所にある「Marine Walk」というセレクトショップをはじめ、オシャレなカフェや飲食店が揃うオープンモール内にあり、ここにいたっては完全無料で人気DJのサウンドを聞くことができるのだ。
チケットを購入し、お目当のアーティストのライブを間近で楽しむ人がいれば、チケットを持たない人も、横浜の街に訪れ海とサーフカルチャーを感じながらショッピングなどを楽しむことができる。
つまりこの2日間は、それぞれのスタイルで港町のサーフフェスティバルを思う存分楽しめるというのもこのGRFの魅力なのだろう。
数年ぶりに規制がなく、⼼ゆくまで⾳楽を⾃由に楽しんだ2⽇間
真夏のような⽇差しが照らした初日は、TENDREがトップバッターを務め、新曲「DOCUMENTS」などを披露し晴れやかなスタートを切った。「GOOD WAVE STAGE 」では、ALIがクールな演奏を⾒せ、続くDragon Ashは「Fantasista」などを披露し観客と⼀体となってステージの熱を上げていく。
来場者はそれぞれの会場を⾃由に移動しながらVintage Trouble、Oscar Jerome、さらさといった個性豊かなアーティストたちを楽しみ、「PORT LOUNGE」では、ZEN-RA ROCK、DJ HASEBEらが「Marine Walk」でショッピングを楽しむ⼈をも誘い込み、観客の体を揺らしていた。
終盤に差し掛かるころには、会場全体のボルテージは最⾼潮になりサンセットをバックにUA、Sigridの歌声が響き渡っていた。また、「RED BRICK STAGE 」ではThe BONEZが熱いライブを繰り広げ、ラストはメインステージにAJRが登場。⾼揚感あふれるパフォーマンスを⾒せ、興奮冷めやらぬまま1⽇⽬が終了。
過去最⾼の来場者数となった2⽇⽬は、never young beachからスタート。新曲「らりらりらん」などを披露し、会場の空気を⼀気にGREEN ROOMらしい⾊に変える。
「GOOD WAVE STAGE」では、ORANGE RANGEが「以⼼電信」をはじめとするヒットソングを繰り広げ、続くハナレグミfever 中納良恵やKREVA、東京スカパラダイスオーケストラによって、観客のボルテージは上がりっぱなしに。
夜⾵とともに現れたNulbarichはヒットソング「NEWERA」などを披露し、会場を沸かせる。メインステージのトリにはTASH SULTANAが登場。最⾼のパフォーマンスでラストを締めくくった。
今年の2日間はGRFにとってとても重要なターニングポイントになったに違いない。ここ数年はコロナの影響で、収容人数の制限や会場内での声出しNGなど様々な規制があったからだ。そして、ようやくそうした制限がなくなった今回、2⽇間で合計12万⼈もの来場者が集まり、会場はコロナ前の活気溢れる通常モード、いやそれ以上の盛り上がりを見せていた。
さらに、本州でも本格的な梅雨が始まる直前となった先週末は、両日ともに天気に恵まれ、快適な気候の中でアーティストも観客も⼼ゆくまで⾳楽を⾃由に楽しんだ2⽇間となった。
GREENROOM FESTIVAL
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