20周年を迎えたカルチャーフェス「GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary」過去最多15万人が熱狂した3日間。

©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary

2005年にスタートしたSave The Oceanがコンセプトの音楽とアートのカルチャーフェスティバル「GREENROOM FESTIVAL」が、今年で20周年を迎え、5月23日 (金)・24日 (土)・25日 (日) の3日間に渡り横浜赤レンガ地区野外特設会場にて開催された。過去最大来場者数を記録した本イベント模様をレポート。

 

ピースルフルな雰囲気に包まれていた会場内
海がよく似合うDef Techのサウンド  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary

スノーシーズンの余韻とサマーシーズンの始まりを繋ぐ3日間

ウィンターシーズンを終えた5月下旬。スノーボードシーズンが一息つくこの時期、港町・横浜では毎年恒例となった「GREENROOM FESTIVAL(以下GRF)」が開催される。このイベントは、2005年にスタートしたカルチャーフェスティバル。サーフィンをルーツとする音楽とアートのイベントであり、スノーボーダーにとっても“夏の始まり”を告げるスイッチ的な存在となっている。

今年で20周年を迎えたGRFは、史上初の3日間開催(5月23日~25日)となった。会場は例年通り、横浜・赤レンガ倉庫エリア。今回は過去最多となる15万人の来場者数を記録し、まさに20周年の節目にふさわしいスケールで開催された。

会場内も外も多くの人が集まりとても賑やかだった  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
会場内もこんな感じに

自然で遊ぶサーフィンとスノーボードを繋ぐ
ヨコノリカルチャーフェス

GRFが掲げるテーマは、“Save The Ocean”。急速に減少する海岸線、汚染が進む海の環境を守るため、フェス期間中にもリユースアルミカップの使用や、環境映像の上映、流木や廃材、海洋ゴミなどを使用したアートなど、自然と共生する意識を育てる仕掛けが随所に施されている。この思想は、ウィンターシーンで気候変動に向き合う「Protect Our Winters Japan(POW)」の活動にも通じるものがある。

私たちスノーボーダーが愛する雪山も、同じように自然環境の変化にさらされている。サーフィンとスノーボード、海と山でフィールドは異なるが、同じ水の循環というサイクルの中で自然と調和して遊ぶという、繋がる価値観がここにはあると思うのだ。だからこそ、このフェスに集まる人たちはみな同じマインドを持ち、心地良いグルーブ感に包まれているように感じる。

横浜の街並みと海と緑が気持ちい良い空間
会場をひとつにした東京スカパラダイスオーケストラ  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary


GOOD VIBESと音楽の波、そしてアートの潮風

会場には「GOOD WAVE」「BLUE SKY」「RED BRICK」「PORT LOUNGE」と4ステージが展開され、今年は全45組のアーティストが出演。UMI、YG Marley、Def Tech、RIP SLYME、Rickie-G、The BONEZ、Kamasi Washington、UA、ハナレグミ、Jacob Collier… と、国内外の豪華アーティストによるライブが潮風に乗って響く。

日本初来日のYG Marleyがトリを飾り務めた金曜日の前夜祭  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
多くのファンを集めたRIP SLYMEは5人体制となり復活  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
アニメのサウンドトラックにも起用され、日本でも注目を集めるKamasi Washington  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
ハナレグミの歌声が会場内に響く  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
今年のフィナーレを任されたのはJacob Collier。観客を巻き込む見事なパフォーマンスで一体感を生み、20周年にふさわしい特別な3日間が幕を下ろした ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
アートエキジビジョンの様子  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary

屋内エリアでは16名のアーティストによるアートエキジビジョンも実施され、視覚的にもサーフカルチャーを体感できる空間が広がった。

そうした海を感じる音とアートが交差する中、マーケットエリアではサーフブランドやライフスタイル雑貨、ローカルフードが立ち並び、フェス全体がまるでひとつの海辺の街のような空間が広がっていた。

マーケットエリアの様子  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary

フェスというより、カルチャーの交差点

特筆すべきは、チケットがなくても楽しめる「PORT LOUNGE」や「RED BRICK」やといった無料エリアも充実していること。サーフアートやカフェ、セレクトショップが並ぶ「Marine & Walk」の一角に位置するPORT LOUNGEでは、人気DJによるフリーライブも開催。

また前述した屋内エリアのアートエキジビジョンやマーケットエリアはライブチケットを持っていなくても入れるので、誰でもこの港町の “フェス空間” に触れることができるのだ。

このゆるやかな境界線が、スノーボーダーにもフィットする。お目当てのアーティストのミュージックを聞きに朝から晩までステージに張り付くもよし、アートやマーケットを巡るもよし。それぞれのスタイルで横浜の1日を海辺で過ごすことができるので、気の合う仲間や家族と一緒に楽しめるのもGRFの魅力と言っていいだろう。

REDBRICKで行われたRickie-Gのライブ ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
The BONEZのライブは毎年REDBRICKで行われ多くの人を魅了する  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
PORT LOUNGEの様子  ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary
PORT LOUNGEでMUROも会場を盛り上げる ©GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary

雨にも負けず子供とフェスを楽しむ親

20年目の節目を越えて、次の波へ

雪山から海へ。板を変え季節を超えて遊び続けてきた私たちにとって、GRFが歩んできた20年で大きな変化がある。各ジェネレーションによってその違いはあるだろうが、スノーボーダーにとって身近に感じる一番の変化は温暖化の影響だろう。また近年の物価高の影響で遊べる自由も大いに影響を受けている。

でも、大好きな遊びはこれからも続けたい。

このフェスに集まった人たちの笑顔を見ると、好きなことをとことん楽しんでいるように思えた。

20周年を迎えたGRFはひとつの通過点であり、再スタート地点でもある。このフェスティバルの軌跡は、きっとこの先も変わらず自然とカルチャーを繋ぎ、次の世代にライフスタイルと素晴らしい自然を継承していくプラットフォームとなっていくはずだ。

冬から春・夏へ。スノーからサーフへ。自然と共に生きるすべてのヨコノリピープルに捧げたい、GREENROOM FESTIVALの20周年だった。

子供たちに大人気だったツリーハウス
笑顔全開で楽しむ子供たち
子供たちの未来に海や緑、雪などの大切な自然環境を残していくために、今自分たちができることを考えるキッカケを与えてくれるGREENROOM FESTIVAL

GREENROOM FESTIVAL
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