星野リゾート ネコマ マウンテン特集<1> 連結のバックステージとネコマ マウンテンが目指すもの

星野リゾート アルツ磐梯と猫魔スキー場が連結

国内最大級のスケールでFUN RIDEを楽しむ
星野リゾート ネコマ マウンテン誕生

今シーズン、最も大きなニュースと言えば「星野リゾート ネコマ マウンテン」の誕生だろう。 磐梯山エリア猫魔ヶ岳の南斜面に広がる大型リゾートとして人気の「アルツ磐梯(旧)」と最上級の雪質を誇る裏磐梯・北斜面のパウダーリゾート「猫魔スキー場(旧)」がリフトで連結。 ひとつのスキー場として33コース、リフト13基を有するビッグゲレンデに生まれ変わった。 「FUN RIDE FOR ALL」すべての人が、すべての楽しみを体験できるスノーリゾート。その全貌と遊び方をたっぷりと紹介しよう。

<第1回>
連結のバックステージとネコマ マウンテンが目指すもの

2003年に星野リゾートがアルツ磐梯の運営を開始。「スノーボーダーの聖地」として斬新なパーク展開、世界レベルのビッグイベントの開催を機に人気が急上昇していくなかで、アルツ磐梯の裏側に位置する猫魔スキー場も2008年に星野リゾートが運営を開始。当時から「連結し、より大きな競争力のあるスキー場にしよう」という構想があり、2009年に連結プロジェクトを正式発表。そして今シーズンいよいよ始動する。「誕生までの経緯とこれからネコマ マウンテンはどんな山を目指すのか?」をリゾートのディレクターである森本 剛氏と工藤 匠真氏に話を伺った。

リゾートのディレクター2人は元々バリバリのスノーボーダーだったこともあり、現場の問題をスノーボーダー目線でも理解し、改善を進める

フィールド面ではバリエーションが広がりましたが
国際的な競争力で見れば、まだまだ進化が必要なんです

Q
発表時に何年後に連結という目標はあったのですか?

森本
「なるべく早く」は念頭にありました。しかし関係省庁や自治体、あとは地域の皆様の理解など許認可のさまざまな手続き、さらに莫大な費用もかかるのでその準備期間も必要でした。具体的に何年以内、何年までにということではなく、とにかく必要なタスク、合意というものをなるべく早い段階でクリアしていくことを積み重ねてきて、やっと実現できたという感じです。

Q
2つの山の連結を実現するまでに苦労したことは?

森本
それぞれのスキー場を効率良く経営しながら、顧客体験価値を高めていくことでした。広大なエリアを運営するわけですから、両スキー場ともに効率化をはかりつつ、その中で最大限に皆さんに満足していただけるように価値を高めていく。効率化はリフトの増減にもつながっていくような計画なのでとても難しいものでした。

工藤
北斜面の旧猫魔スキー場と、南斜面の旧アルツ磐梯スキー場。それぞれにお客さまのキャラクターも違うし、求められる資質も違う。それは山の性質にも比例しています。それぞれにポテンシャルのある山なのに単体でプロモーションをしなければいけなかったので、PRにかかる費用面もひとつに集約できず、潜在的なポテンシャルをなかなかPRするのが難しい作業でした。

森本
ただ、大きくキャラクターの違うスキー場でしたので、それでフィットさせやすい部分もありました。たとえば猫魔は猫魔なりの雰囲気があります。玄人好みで、コンパクトながらも滑りごたえがあるという。それを好んでくれるターゲット、そこに向けたプロモーションの仕方っていうことを一貫性を持たせてやってこれた部分がありますから。逆に今度は連結してひとつになったことで、これまで強みとしてPRしたものが消されないようにしなきゃいけないところは、これからの難しさでもあります。

磐梯山、猪苗代湖を見ながら快適にネコマ マウンテンをクルージング。絶景の上部エリアは混雑も少なく爽快な気分を味わえる

Q
連結して広大なエリアとなり、顧客の期待度も大きく上がりました。ネコマ マウンテンはまずどんな山を目指すのでしょう

森本
フィールド面ではバリエーションは広がりましたけれども、国際的な競争力として見ると、それでも絶対的に滑りのバリエーションは不足していると思っているんです。やっぱりツリーランやバックカントリーフィールドであったり、あとはキャットライドなど、こういったゲレンデクルージング以外の楽しみ方というのは、今の時代はそれが当然のようにどこも展開してきていますから。今回私たちは連結をして、気軽に南の旧アルツ側から北エリアに行けるようになりましたが、ただ行けるというだけじゃなくて、行った先でそのフィールドを楽しみ尽くすためのソフト、環境づくりっていうものを新たにおこなっていかなきゃいけないと思っています。

工藤
まずの施策のひとつとして、北エリア側で雪が深い時にこそすごく価値がある「ディープキャットチェア」というリフトがあるんです。去年までは通常運行していたのですが、今季は雪が理想的に降り積もったときだけ動くという限定リフトにしようかと。積もった時にだけディープなパウダーを保証するという施策ですね。山の性質や側面を捉えた魅力の訴求ということを実行していきます。

森本
この企画も2つのエリアが連結したからこそ可能になりました。滑走エリアが広がり、それぞれのリフト運営の選択肢が広がったという形ですね。運営のしかた、遊んでもらいかた。ツリーラン、バックカントリーなどより年々と加速度的に広げていくというのが当面の課題、挑戦、目標かなと思います。

北エリアは南エリアにはない軽く上質なミクロファインスノーの世界が広がる。北斜面ならではの景色も魅力的だ

Q
地域での盛り上がりも期待できますね

森本
今年、観光庁のスノーリゾート形成促進事業で支援地域に選んでいただいたのはすごく大きくて、会津若松市も含め地域連携をして「スキー旅」としての観光事業の強化も推進していければと思っています。すごく滑りごたえがあるし、同時に、泊まって楽しめる地域でもあるっていうところをもっと知ってもらいたいです。鶴ヶ城もあれば大内宿もある、美味しい酒や喜多方ラーメンもあるといった会津エリアの魅力も楽しんでもらえれば。磐梯山温泉ホテルでは会津若松市の居酒屋さんと提携して、夕食をホテルでも居酒屋でも召し上がっていただけますし、無料送迎バスも常時出ているのでお酒を飲んで帰って来れます。また、北エリアに隣接する裏磐梯エリアには個性的なホテルやペンションがあって、南エリアとはまた違う雰囲気がある。そちらにステイするのもいいですし、いろいろ宿を変えることもできて楽しみかたが広がります。

Q
他にはどんな展開が検討されているんでしょう?

工藤
キャットライドの豪華版のような感じで、ヘリで行って楽しむライディングツアーを検討しています。

森本
ヘリは地域全体で空からの観光の魅力としてプロジェクトを進めていこうとしています。その一つとしてスキー場のフィールドだけども、今は使っていないコースのオフピステを滑るようなプログラムを今準備中です。

2つのスノーリゾートが連結し、ネコマ マウンテンとなって楽しさは倍以上のものを目指しているという。今まで車で1 時間以上をかけなければならなかったものが、リフトの連結で約6分半で移動できるという便利さで、全くキャラクターの違うエリアを遊び倒せるのは大きな魅力だが、新たなる楽しみへの発展も大いに期待できそうだ。

磐梯事業所総支配人 森本 剛氏は主に地元地域や行政との調整をおこないながら、リゾートのプロジェクトを推進する。ネコマ マウンテンの進化プランを数多く語ってくれた
スキー場支配人 工藤匠真氏は自身もシーズン中はコースを滑って回り、リゾートを楽しむ人たちが何を求めているかをしっかりと見つめている。こういったリアルなスノーボーダーが現場を見ているからこそ面白い企画がスピーディに実現できるのだろう

ネコマ マウンテン特集<2>では「福島ローカルが語るネコマ マウンテンの魅力と期待」をお届け!
安立風太と松浦広樹の2人がビッグマウンテンの楽しみ方を伝授

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