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3月5日〜6日に群馬・天神平スキー場開催された「TENJIN BANKED SLALOM 2022」。このバンクドスラロームは、自然地形にディガー(掘り手)たちによって幾つものバンクが造成され、そのコースを利用したタイムトライアルレース。誰が1番早く滑り降りゴールを切れるかというシンプルなもの。この天神バンクドは、まさにスノーボードの原点を継承していく1つのカルチャーとして築き上げ、今大会で12回目を迎えた。
Photo&Edit: Gaisu
Translation: Kenji Kato
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今大会も全国各地から総勢400名以上の滑り手が会場に集まった。参加者や大会運営スタッフをはじめ、コース造成に携わるボランティア、現地ローカル、ライダー、メーカーと、多くのスノーボーダーがこの日を心待ちにし本番を迎えた。過去、海外からも多くのビッグネームのライダーたちが参加し話題を集めてきたが、今年はなんとスノーボード界のスーパーレジェンドであり、神様とも称されるテリエ・ハーカンセンが急遽参戦した。
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今年も大会前の降雪によってコース造成は悪戦苦闘を強いられたが、経験豊富なディガーたちによって無事コースが完成し、晴天に恵まれた土曜日に予選がスタートした。
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このバンクドスラロームの魅力は、何と言っても老若男女、誰れでも大会を楽しめることだろう。自分の滑りを最大限プッシュし、連なるバンクをクリアしながらひらすらゴールを目指す。中には途中でコースを外れてしまいDQ(失格)する者もいるが、それはそれでいい思い出となり攻めた証でもある。そんな本番1本に全てを込めるからこそ、様々なドラマがあるのだ。仲間や家族で参加し『あそこのバンクの癖はあーだこーだ』と話しながら、その瞬間瞬間を一喜一憂する。また会場にはブランドブースが立ち並び来期プロダクトを試すこともできる。まさに雪上運動会のような空気感が会場には流れている。
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今大会を盛り上げたのは、やはりテリエだった。ゲレンデでフリーライディングを楽しむ姿を生で見れ、ファンサービスにも快く答えていた。なかでもバンクドでのテリエの滑りは圧巻そのもので、その滑りの速さとスタイルは完全に参加者の脳裏に染み渡ったはずだ。予選では唯一1分を切りその凄さを分からせた。
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日曜日に予定されていた決勝だったが、翌日の天候がかなり荒れるという予報もあり、土曜日の予選終了後、急遽その日のうちに決勝ランを行うこととなった。各クラス予選タイムの上位選手(クラスにより12位〜3位)による暫定的(翌日決勝ができれば再計測という条件で)決勝が行なわれた。
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この決勝でもテリエは誰よりも早い最速タイムを叩き出し、オープンクラスで見事完全優勝を飾った。オープン女子では佐藤亜耶が6年ぶりとなる優勝に返り咲いた。
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翌日、悪天候によって残念ながら決勝は行われなかったが、参加者たちは朝早くから表書式に集まり、入賞した選手たちを称え合った。
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TENJIN BANKED SLALOM 2022 最終リザルトはこちら
ここからは、大会プロデューサーの福島大造氏と、テリエのコメントで今大会を締めくくってもらう。
今回もまた特別なイベントになった
「初日から作っていたラインが直前の降雪で一度全部埋まってしまって。金曜日は掘り手が少なかったけど、みんなが頑張ってくれたおかげで最終的にコースもすごくいい形に持っていけて、土曜日は無事大会を進行することができました。決勝を行う予定だった日曜日、天神を知らない人たちのなかには『この天候じゃ無理でしょ?』っていう雰囲気も流れていたんですけど、俺たちは最後までぜんぜんやる方向でいたんです。コース自体は本当に綺麗な仕上がりで、あんなコースは世界でも類を見ないし、なかなか滑れるコースじゃないから、どうにかみんなに滑ってもらいたくて。ギリギリまで粘って、ディガーチームとも開催する方向で話し合っていました。でも視界が悪かったのと、天気が荒れる予報ということで最終的には中止という判断になりました。日曜に開催できず残念な形にはなったんだけど、土曜日はテリエの圧巻の滑りを目の前で見れてすごく盛り上がりましたね。自分も天神育ちでこのフィールドで滑ってきて、バンクド運営に携わるっていう流れがある中で、テリエがその全てを体現してくれました。空いてる時間も常にフリーライディングを楽しんで、地形で遊んで。俺は本家のベーカーでテリエを何度も見ていて、いつか天神バンクドでもみんなにその滑りを見て欲しいと思ってたから、何度も『チャンスがあったらきてよ!』ってお願いをしてたんです。今回その夢が叶って俺的にもすごく嬉しかったし、みんなの笑顔も見れた。多分あの凄さは生で見た人しか味わえないものでしたね。そういう意味でも今回もまた特別なイベントになったと思います。来年もぜひみんな参加してもらってこの独特な空気感をライブで感じてもらいスノーボードを楽しんで欲しいです」———- 大会プロデューサー: 福島大造
実際来てみて、そのバイブスに驚いた
「この大会のことは前から聞いていたし、写真や映像も見たことがあったんだ。だから大きなバンクドスラロームの大会で最高だってことは知ってたよ。でも実際来てみて、そのバイブスに驚いたよ!テントブースで料理しているファミリーもいるし、みんな本当に楽しむためにここへ来ている。フィールドも素晴らしいし、天神は本当にいい場所だと思う。スタートまでの待ち時間でもいいフリーライディングを楽しめたからね。大会のコースはゲレンデの自然地形をうまく使ったコースだから、バンクはテクニカルだったね。同じスピードを維持するコースとは違い、スピードの強弱が多く、だからこそより面白さがあった。バンクドスラロームの最速タイムを出すためのカギはもちろん、ラインだね。バンクの高いところが良いのか、低い場所が正解なのか、どちらが良いのかはギャンブルでもある。コースでは、エッジをずらせるゾーンが少ないからね。でもそれがリアルなバンクの滑り方であり魅力だと思うんだ。今シーズンの日本はこれまでで一番最高なシーズンを迎えてるような気がする。俺がここに長居してるのがその証拠さ。日本に来てからずっと最高の雪を滑ってるよ。この冬をみんなと過ごせてラッキーだね。それに、今回はこの大会に参加できて、しかも優勝できて本当に嬉しく思ってる。そして最高の週末をここにいるみんなと過ごせて嬉しいよ!心からありがとう!!」———- テリエ・ハーカンセン
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▼TENJIN BANKED SLALOM 2022 Photoスライダーアルバム
▼表彰式の様子 Photoスライダーアルバム
TENJIN BANKED SLALOM オフィシャルサイトはこちら
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