LIBTECHの伝説のボード『BIRDMAN』がリ・テンプレートされ、群馬のプロショップ・トリックスターから別注リリース。

日本でファンの多いLIBTECHのBIRDMAN(バードマン)。このモデルは2011年から6年間販売され、その後は2018年に群馬のプロショップ・トリックスターで別注モデルが限定販売されたが、それ以来リリースされることはなかった。しかし、再度トリックスターのオーナー坂林氏と日本の代理店アドバンスによる熱烈な再販コールによって遂に来期復刻されることになった。しかも、ただの再販ではなく、『リ・テンプレート』された新たなボードとして生まれ変わるというのだ。おそらく世界初となるLIBTECHとして未発売ボードのプロショップ別注、そして先行発売。そのNEW BIRDMANが誕生するまでのストーリーと、進化したポイントを坂林氏が熱く語っているので紹介したい。
Text: Sakabayashi(TRICK STAR)

 

伝説として語り継がれるLIBTECH『BIRDMAN』が復活した経緯

 

一本のボードに対する想いというものは年を追うことに強くなるもので、ましてやそのボードがすでに生産中止になってしまったモデルなら、現存するものは世の中から数が少なくなっていくばかり…。決して増えることなどあり得ないことです。

バードマンに対してこの想いを伏せる人はLIBTECHファンなら多くいるはずです。2011年から6年間だけ発売されたバードマン。そのマボロシ的な乗り心地は一度乗ったら必ず病みつきになる魔性のボードでした。このボードに恋焦がれて2018に一度だけ別注モデルを作ってもらうも今ではそれすらも幻のボードとなりつつあります。

『もう一度あのボードに乗りたい。一度でいいからあのボードに乗ってみたい』

日本中でこんなふうに思っている人がどれほど多いことでしょう?

伝説として語り継がれるバードマンは時が経つにつれ、より多くの人を魅了していく不思議なボードです。しかし、伝説はやはり伝説。幻として過ぎていくのが世の常です。

限りなく不可能に近い可能性を信じ続け、マービン、LIBTECHを取り扱う日本代理店アドバンスのマイク会長、ユキ社長、そしてスタッフ小杉くんに想いを伝え続け、時が過ぎること6年。願い続けたことがアメリカに届き、マービンがバードマンの再生産を検討してくれることになったのです。しかし、その夢は “バードマンのテンプレートがすでに破棄された” という事実で儚くも幻となってしまうのです。

夢はやはり夢か… と、思い諦めかけた時でした。奇跡の歯車が動き出すことになります。

熱い想いを伝え続けた結果、なんとマービンのピート自らがテンプレートの再生を許可してくれたのです。

まさに天国にも届くこの気持ち!涙が止まらないくらいの幸せ。必死に気持ちを伝えてくれたアドバンスの方々の力なくしては歯車は動きませんでした。

マービンは簡単には別注を作ってくれません。現在でも世界で限られたショップのみで作られていて、今までアメリカの1ショップ、カナダの2ショップ、ヨーロッパの1ショップ、そして、アジアではLIBTECHが始まった当初から日本で販売し続けてきたトリックスターで別注ボードが出されてきました。

 


生まれ変わったバードマン

 

今回ショップ創設以来5回目となる別注に気持ちは有頂天です。
(emmagator, litigator,scotty,birdman)
しかし、同時に気持ちの奥底に1つのことを思い始めました。

一度世の中から消えてなくなったバードマンを復活させるというまさにゾンビのような計画。「はたして、そのままただノスタルジーに浸ってモノを作ることが “復活” を意味するのか? それではただ単に “リバイバル” になってしまう」と考えたのです。

ならば、『リ・テンプレートするバードマンならやはり新たな命を吹き込むことが大切!』。

バードマンに乗っていた人なら誰しも感じている『最高の気持ちよさの中でのわずかなテールの抜け』。これを変えたいと考えたのです。そして、当時のウエスト幅の基準と現在のウエスト幅の基準の差。これも大きく変化していることを加味しないといけないと思いました。

つまり、生まれ変わるバードマンに求めたものは、『あのバードマンの最高の乗り心地で、最後に抜けないでポップするテールをもったディレクショナルマイルドキャンバー。そして気持ち安定感の上がるウエスト幅』。

これを備えたバードマンこそが生まれ変わったバードマンであるべきだと伝えました。

そして、グラフィック。それは2011年に1度だけ世に出て、決して復刻されることがないQUINCYのマスターピース!元々販売数量が少ないSKUNK APE。さらに追い打ちで東日本大震災の年が重なり極少量の販売量で世界中のLIBファンが愛してやまないZOMBIを採用。一度 “亡くなった” バードマンが蘇ることはやはりゾンビになることなのです。

こうして生まれ変わったバードマンは『SON OF BIRDMAN』と名付けられました。

生まれ変わったバードマン『SON OF BIRDMAN』に囲まれたトリックスターの坂林氏

よく聞くあの言葉「サノバ◯○◯!」、英語で罵るスラングです。「サノバB!!」ビッチの子供ではなく、バードマンの息子。

この世に生まれ変わって帰ってきた父をバードマンに持つ息子は実は『母親を知らない異端児のゾンビ』なんです。

このパワフルかつダーク、そして最高にアナーキーなボードはおそらく来季からLIBのラインナップに加わることになるボードです。つまり今回生産されたこのボードは通常のファーストモデルではなく、グランドゼロモデルになるのです。

おそらく世界で初となるLIBTECHとしての未発売ボードのプロショップ別注そして先行発売。それが、日本で行われるという事実。これまでのプロジェクトはなかったことです。

非常に価値があるこのボードは、160cm、165cm、170cmとそれぞれ極めて数が少ない本数ずつの発表となります。

非常に少ない限られたボードで、出会うチャンスも本当に少ないかもしれません。しかし、闇世から生き返ったSON OF BIRDMANは、飢えたゾンビとなり所構わずゲレンデをむさぼり、深雪を食い散らかしパウダーのうねりを上げ、行く場所を選ばず暴れ回わりながら母親を探し続けることとなるでしょう。

そんな彼を山奥に連れていき、彼の本当の母親に会わせることができるのはLIBTECHをこよなく愛するあなたしかいないかもしれません。

このボードを世の中に出すために尽力してくれたマービンのピート、マークス。また、とてつもないお願いを快諾してくれたアドバンスマーケティングのマイク会長、親身になって気持ちをアメリカに伝えてくれたユキ社長、そして、ボード生産実現のために常にポジティブなパワーをくれた小杉くん。みんなの力がこのプロジェクトを現実のものにしてくれました。本当にありがとうございます。


LIB TECHNOLOGIES

SON OF BIRDMAN
PRICE: 172,000円(税別)、189,200円(税込)
SIZE: 160cm、165cm、170cm
予約開始予定日:6月中旬


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