
前編・ルスツリゾートに続く北海道メディアツアー<後編>では、世界中の滑り手を魅了し続けるニセコエリアへ。極上のパウダースノーと豊富な地形を誇るニセコを舞台に、今シーズン大きな進化を遂げた「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」の最新トピックスを体感した。新リフトやゴンドラ、話題の新レストラン、そして“これからのNISEKO”へと続く未来像まで、世界基準へとさらなる歩みを進めるニセコの現在地をレポートする。

羊蹄山の向こう側へ。世界中の滑り手を魅了するNISEKO
前編・ルスツリゾートで初滑りのパウダーを存分に味わったメディアツアー 一行は、その後、羊蹄山を挟んだ反対側に位置する「ニセコ」へと向かった。
ニセコといえば、近年世界中から注目を集める国際的スノーエリア。FREERUNでもこれまで幾度となく特集を組んできた、日本のスノーボーダーにとっても欠かすことのできない存在だ。
このエリアの魅力のひとつは、前編で紹介したルスツと同様、極上のパウダースノーにある。実はニセコは、ルスツから車で約40分前後という比較的近い距離に位置しているが、羊蹄山の反対側という地形的な条件により、その日の低気圧の動きによっては、降雪量や天候が大きく異なることも少なくない。ルスツは晴れているのに、ニセコは雪、という日も珍しくないのだ。だからこそ、トリップの際には、それぞれのエリアの天候チェックが欠かせない。

ニセコのスキー場は、標高1,308mのニセコアンヌプリ山麓に広がる「ニセコユナイテッド」という4つのスキー場―「ニセコ東急 グラン・ヒラフ、ビレッジ、アンヌプリ、HANAZONO」で構成され、どのスキー場も世界トップクラスの上質なパウダースノーと豊富な地形を併せ持つ。

各スキー場にはバラエティ豊かなコースと未圧雪コースが点在するが、滑り手にとって特筆すべき特徴が、スキー場管理区域外(バックカントリー)へ安全に出入りするための指定出入口「ゲート」が、全体で11ヶ所設けられている点だ。これらのゲートは「ニセコルール」に基づいて運用され、閉鎖時の立ち入り禁止はもちろん、ロープをくぐらず必ずゲートを使用すること、ビーコンなどのアバランチギアの携行、ヘルメットの着用が強く推奨(条件により義務化)されるなど、事故防止のための明確なルールが定められている。
これらのルールを遵守し、十分な滑走技術を備えていれば、ニセコでは世界最高峰クラスの斜面が待っている。だからこそ、世界中のパウダーフリークがこの地を目指し、その魅力に取りつかれていくのだ。
今回訪れたのは12月中旬のアーリーシーズンということもあり、バックカントリーへ出るための「ゲート」はまだオープンしていなかった。しかし、ちょうど重なった寒波の影響で、スキー場内には極上のパウダーがしっかりと溜まっていた。トップシーズンに比べてまだ来場者が少ないタイミングということもあり、ゲレンデのボトムに戻ってきても、ゴンドラ待ちはそれほど気にならない快適な環境で滑ることができた。



進化を続けるニセコ東急 グラン・ヒラフ。今季のニセコを象徴する最新トピックス
そして今回のニセコ編におけるメインの目的が、「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」にて行われた今シーズンの内覧会。近年、インバウンド需要の拡大が進むなか、昨シーズンにはゲレンデの混雑緩和を目的として、日本最古のクワッドリフト「エース第2センターフォーリフト」を、最新型10人乗りゴンドラ「エースゴンドラ」へと架け替え。今シーズンはさらに、スキー場中腹に位置する4人乗りの「キング第3リフト」を、最新型6人乗りチェアリフト「キング第3シックス」へ全面リニューアルした。このリフトは国内でも数少ない「座面シートヒーター」を導入し、輸送力と快適性の両面でさらなる進化を遂げている。



さらに今シーズンは、ハード面だけでなく、レストランをはじめとした施設面のアップデートも見逃せない。新たに2つのレストランが開業するほか、3つの既存レストランもメニューを一新してリニューアル。
なかでも注目なのが、昨シーズン運行を開始したエースゴンドラ山頂駅舎2階にオープンする新レストラン「NEST813」だ。12月20日(土)のグランドオープンに先駆け、同会場で多くのメディアを集めた内覧会が行われた。

標高813mに位置する「NEST813」は、約380席を有する広々とした空間が広がり、全面ガラス張りの窓からは雄大な羊蹄山を望める。目の前でカットされる和牛ローストビーフや焼き立てパン、北海道産とうもろこしスープなど、地元食材を活かした本格メニューが並ぶ。筆者も試食させてもらったが、もはや“ゲレ食”の枠を超えた完成度で、有名レストランのコース料理のようなクオリティの高さに驚かされた。





もうひとつの大きなトピックスが、エースゴンドラ山麓至近に新設されたオールシーズン型の体験ベース施設「ALPEN NODE」だ。2023年3月に閉館したホテルニセコアルペン跡地の一部を利活用して暫定整備されたこの施設は、“NODE=結び目・集合点”という名の通り、過去と未来、山と街、ゲスト同士、そして季節をシームレスにつなぐ賑わいの拠点として誕生。
ヒラフエリア初となるクラフトビール醸造所併設のブリュワリーレストラン「POWDERHOOD RESTAURANT & TAPROOM」を中心に、ダイニングとカジュアルなバーエリアを展開し、合計約240席+スタンディングエリアを有する。ハイシーズンは最大23時まで営業し、DJブースやサイネージを活用した音楽・エンタメイベントも開催されるなど、アフタースノーの新たな名所として注目されている。ここは、レストランだけでなくショップでのグッズ販売もあったり、夏季はサマーゴンドラやアクティビティの拠点となることも予定されている。









これらの新たなトピックスを通じて、ニセコ東急 グラン・ヒラフは、国際的マウンテンリゾートとしてさらなる利便性向上、輸送力の強化、そして来場者の体験価値向上を目指していくという。
これからの「NISEKO」。オールシーズンで進化を続ける世界基準のマウンテンリゾート
前述したウインターシーズンの数々のアップデートにより、ニセコはこれからさらにグローバル化を加速させていく存在となるだろう。
近年のニセコは、雄大な自然環境と多様な文化が交差する国際的リゾートとして注目を集める一方、グリーンシーズンにおける集客や通年雇用の確保など、オールシーズンでの賑わいづくりが課題でもあった。そうした流れの中で、ニセコエリアで30年にわたり夏の遊びを牽引してきたNACと、ニセコ東急 グラン・ヒラフを中心とした連携が強化されることが発表された。

今後は、これまでNACが展開してきたラフティングやマウンテンバイクなどのアウトドアアクティビティと、ニセコ東急 グラン・ヒラフのサマーゴンドラやレストラン、施設機能をより深く結び付け、ニセコの“夏の楽しみ方”をさらに拡張していく構想だ。この冬より新施設「ALPEN NODE」やエースゴンドラ山麓周辺の施設活用が夏のアクティビティの拠点として機能し、ニセコの玄関口となる予定。「ここに来れば一日中楽しめる」山のテーマパークとしての価値を、季節を問わず提供していくという。


毎年進化を遂げるニセコだが、インバウンド需要の拡大により、混雑や物価上昇といったネガティブな話題があったのも事実。しかし、新ゴンドラや新リフトへの更新、新施設の誕生によって、こうした課題が改善されていく兆しも見え始めている。

混雑を避けるためにピーク時期を避けたり、平日を狙ったり、早めに宿泊先を押さえたりと、少し工夫するだけでも、ニセコの価値は十分に味わえる。比較的ロープライスな“ゲレ食”が楽しめるレストランや、探せば見つかるリーズナブルなステイ先や飲食店もある。作戦を立てて向き合えば、世界に誇るこのフィールドは、まだまだ日本人の滑り手にも手の届く場所にある。
そして2026年4月6日〜11日には、アジア初開催となる世界最高峰のスノーボード&スキーイベント「Swatch Nines Snow 2026」が、ニセコ東急 グラン・ヒラフで開催することが決まっている。革新的なコース設計のもと、世界のトップライダーたちが限界を超えるトリックとスタイルを披露する、唯一無二のアクションスポーツフェスティバルだ。

今年開催されるミラノ・コルティナオリンピック世代の国内外トップライダーたちが集結するだろうこのイベントをきっかけに、ニセコはさらに世界の注目を集めていくはず。
リゾートとしても、スノーボードフィールドとしても“最高峰”の存在であるこの場所を、これからも追い続けていきたい。
ニセコ東急 グラン・ヒラフ
https://www.grand-hirafu.jp/
ニセコユナイテッド
https://www.niseko.ne.jp/ja/
滑ったあとのご褒美に。ニセコトリップを完成させる名湯宿を紹介

今回の北海道メディアツアー・ニセコ編で宿泊したのは、一番近いアンヌプリ国際スキー場まで車で約5分、ニセコ東急 グラン・ヒラフへも約20分と好アクセスの場所に佇む温泉宿。筆者自身もニセコトリップのたびに何度もお世話になっている、信頼のおける一軒だ。

この宿の最大の魅力は、なんといっても温泉。自家源泉の2種類の源泉かけ流し湯が惜しみなく注がれる浴場は、男女別の内湯に加え、ニセコ昆布温泉郷最大級の広さを誇る混浴露天風呂を完備。混浴利用の際は湯浴み着を無料で借りることができ、カップルや家族、友人同士で一緒に入浴を楽しめるのも嬉しいポイントだ。ガッツリとパウダーを滑った後、雪景色を眺めながら湯に浸かる時間は、まさに至福のひととき。


館内最上階には、ニセコの大自然を望むレストランを併設。夕食は旬の食材を使ったシェフおまかせの料理、朝食は品数豊富な和洋ビュッフェが並び、滑り終えた身体を内側からもしっかりと満たしてくれる。

客室はモダンテイストの洋室をはじめ、畳敷きの和室、和洋室など多彩なタイプが用意されている。2名から最大10名まで対応でき、カップル、仲間同士、ファミリーまで幅広いニーズに応えてくれる。


さらに、ホテル向かいの水汲み場から湧き出る「甘露水」も見逃せない存在だ。体に必要なミネラル「シリカ」を全国平均の約5倍含むとされ、フロント前ロビーでも自由に飲むことができる。温泉後にこの天然水で身体を潤せば、旅の疲れもスッと抜けていく感覚が心地いい。

スノーボードと温泉は、やはり最高の組み合わせ。雪山で冷えた身体を温泉で温め、美味しい食事で整え、しっかり休んで、また翌日のパウダーを狙う。ニセコのスノーボードトリップを仕上げてくれるこの温泉宿は、間違いなくおすすめの一軒だ。
All Photo: ニセコグランドホテルオフィシャル
ニセコグランドホテル
北海道虻田郡ニセコ町字ニセコ412番地
https://niseko-grand.com/











