世界を目指す選手に向けて、
Miyabi Park Projectが始動する
先シーズン、コロナ禍で海外遠征や国際大会の多くが中止となった。しかし世界の頂点を目指すにはだからといってメロウなシーズンを過ごすわけにはいかない。確実なレベルアップは世界規模のアイテムで実践を重ねなければなし得ない。そんな中でも鬼塚選手が十分に練習できるように、アルツ磐梯にはオーダーメイドパーク「Miyabi Park」が造成された。さらに北京五輪への挑戦を迎える今シーズンは、直前の練習環境を整えるためにプロジェクトは8月よりスタートをきった。
今シーズン、星野リゾート アルツ磐梯は12月28日（火）より営業を開始。近年では暖冬に悩まされ、年末にオープンにこぎつけられないということもあった。雪不足は自然環境だから仕方のないことだ。近年の中でも早めに積雪を確保できた先シーズンでも19mサイズのキッカーを軸とするMiyabi Parkが完成したのは2月。4年前の平昌オリンピックの前に直前練習用として造成された時が、最速とも言える1月の中旬。今シーズンに関しては北京オリンピック直前、コロナ禍という状況の中、鬼塚選手からは当初、北京入りの日程も早く、そこに合わせて練習を行うために12月末の完成、さらにメインキッカーのサイズは20mという世界サイズのリクエストを受け、アルツ磐梯では造成を目指していた。
「先シーズン、海外にも行けず、大会もほとんどなく、そんな中で海外の選手に遅れをとらずに来れたのは、アルツ磐梯で世界レベルのアイテムを用意してもらえたから」そう鬼塚選手は語る。オフシーズンは埼玉クエストといった練習施設で調整をおこなう。しかし実際はその調整の仕上げは雪の上でなければならない。CAB1260ダブルコークなどの勝負技の完成度を完璧な状態に仕上げて本番に臨むには、12月末から1月中旬にかけて、北京入りするまでの練習環境が重要なのだ。
そのタイミングに間に合わせるためのアルツ磐梯のスタッフは難題を抱えながらも挑戦を決意。Miyabi Park Projectのミーティングにおいての決定事項は、十分な雪量が見込めない中で、20mサイズのキッカーを造成するには、大量の土を使った「土盛り」をおこない、使用する雪量を抑える。それでも自然降雪だけでは間に合わず、人工降雪機も使って補い、最大限できる限りの準備を整えて臨むという。土盛りという選択は簡単なことではない。多量の土を用意し、移動するには、雪で造成するアイテム以上にスキー場は膨大な費用と労力を要することになる。
こうしてMiyabi Park Projectが進められる中、残念ながらコロナ禍においてオミクロン株の感染拡大という状況に直面。鬼塚選手の海外での試合や練習と日本の行き来には、行き先の入国、そして日本での帰国隔離期間を要するなどのリスクも伴い、国内での練習の選択に悩まされた。雪上で少しでも調整に時間をかけたいという時期に隔離期間で練習がおこなえなくなるということは、当然避けるべき選択だろう。
しかしながら、Miyabi Park Projectは造成が決定。鬼塚選手不在とはなるものの、世界を目指す日本の選手たちのために20m級キッカーを造成し、コロナ禍で海外に行きにくい状況の中、彼らが国内でも十分練習を積める環境を整えるために、1月下旬完成を目指して造成がスタートしている。
「鬼塚選手とはサポートする、されるといったことよりも、共に世界へと挑んでいくために我々は取り組んでいる」と星野リゾート アルツ磐梯支配人の森本氏は語る。そして、Miyabi Park Projectは震災による原発問題の風評被害なども受け、苦しんできた福島県のアルツ磐梯が、観光復興に挑んでいく様を世に発信していくという糧にもなると。
今シーズンも、Miyabi Parkには世界レベルのライダーたちが集結し、熱いセッションが繰り広げられるに違いない。
GET OVER
全3話でYoutube配信されたドキュメンタリー動画「Get Overー鬼塚雅×星野リゾート」では、先シーズンのMiyabi Park Projectの実際の様子と共にそこに込められた星野リゾート・スタッフの思い、そして世界へと挑む鬼塚選手の地道な練習風景など、舞台裏の様子が収められている。鬼塚雅選手×星野リゾートの特設ページから動画を見にいくことができる。
星野リゾート アルツ磐梯＞公式ホームページ
星野リゾート 猫魔スキー場＞公式ホームページ
