HOME ARTICLES FEATURES スノーボード業界人が明かす...

スノーボード業界人が明かすBurton 「Step On®︎」の実体験レポート

11/04/2019

Burtonからセンセーショナルに登場、今年で3シーズン目を迎えるStep On®システム。スタート当初より、徐々にバリエーションも増え、ラインナップはキッズ用までどんなニーズのユーザーにも対応。そして多くの人から好評を得ながら「どうやらかなり調子いいらしい」という噂もますます広がっているようだ。ブーツとバインディングをトウの両サイドとヒールの3つのコネクションポイントで、安全、かつ確実にロック。素早く滑り始めることが可能な圧倒的に優れた利便性と、これまでのストラップ式バインディングから乗り換えても違和感がなく、さらにエッジトゥエッジの切り替えの反応も良好という快適性。それがどのくらい「調子いいのか？」というリアルな部分を今回は我々FREERUN編集部も含めて、スノーボード仕事人に聞いてみた。とにかく、年間滑走日数も経験値もそこそこ多く、使い方もハードな仕事人たちはどんな評価をしているのだろうか？

フリーライディングもトリックの動きも、フィッティング次第で調整できて左右の自由度があるのでこんなスタイルも自然な感じ。Rider: Shota Suzuki

ブーツ自体が軽く想像以上の履き心地

FREERUN編集長　須貝穀一

Step On®を初めて使用したのは2シーズン前になります。初年度のブーツは、アンクルストラップのないRulerを使用しましたが、ブーツ自体が軽く想像以上の履き心地でした。バインディングへの装着もスムーズに行え、慣れればリフトを降りながらの装着もできるほどです。仕事柄、撮影などで脱着が多いことから、そのスムーズさがかなり役に立っていますね。ただ取り外す際、フラットな場所であれば全く問題ありませんが、傾斜がありヒールサイドが谷側になってしまう場所では、リリースする際にカカトを上げる力が入りづらく苦労する場面がありました。これには少し慣れが必要です。
翌年はブーツをアンクルストラップのあるIonに変え、Rulerとのフィーリングの違いを試しました。Step On®は3点で留めるため素直なレスポンスがあります。個人的には従来のシステムに比べるとバインディング自体のあそび（ゆとり）があまりない印象なので、荒れたバーンや地形に合わせた滑りをする際に、点であわせていくようなイメージでした。その部分を補うためにブーツのフレックスが必要かなという印象。今期は色々とブーツの試し履きをしましたが、その中でもかなり柔らかくフィーリングも良かった新モデルのSwathを使用する予定です。このセットアップにはかなり期待しています。

従来のスノーボードブーツと変わらない足裏感覚へのこだわり

ライター　林　拓郎

その魅力は製品名に現れていると思います。何かの中に踏み込む（＝In）のではなく、面に乗る（＝On）。Step On®最大の魅力は、従来のスノーボードブーツと変わらない足裏感覚を叶えている点です。
スノーボードの楽しさとコントロール感は、イメージ通りに板を踏んでこそ得られます。そのことを知っているスノーボードのレジェンダリーブランドだからこそ、手間や時間がかかっても、スノーボーダーが一番大事にしているフィーリングを尊重するシステムにこだわった。アウトソールのしなやかさと薄さをいかしたまま足の裏全体でスノーボードとコネクトする感覚は。硬い金具や特殊なシステムを使わなかったからこそと、滑るたびに感じます。
体重移動のスムースさや、エッジの切り返しという細かな操作性はもちろん、スノーボードの本質的な操作性をまったく損なっていない乗り味の素晴らしさは、多くの人が語るとおりです。
普段はスプリットボードをメインに使っており、ブーツはBurtonのTouristを愛用しています。本当に雪がいい時には一枚板のスノーボードに乗るので、ストラップレスのIonを履いて、Step On®を使いますが不満を持つことはありません。
コンベンショナルなスノーボードブーツから履き替えても違和感がなく、滑る楽しさが何一つ変わらない。こうしたスムースな移行を叶える履き心地の良さだけでも、店頭で体験してみてほしいと思っています。

ゲレンデでもバックカントリーでも自分の仕事には欠かせないシステム

フォトグラファー　柳田由人

僕はゲレンデの撮影でもバックカントリーの撮影でも常にStep On®を使用しています。使い始めの時にヒール側の2段階でカチッて入ることだけ慣れてしまえば、あとは操作は簡単で、本当に装着が早いし楽だし、最高ですね。基本的な使い方に慣れたら、どうやったらカッコよくスタイリッシュに外せるんだろう？？っていろいろ試しました…。そんな時はレバーで操作した時に足を軽く捻って？ねじって？みると簡単に外せるんです。そのちょっとしたねじり？ひねり？で凄く素早く、スタイリッシュに外せるのでぜひ試してみてほしいです。ライディングフィーリングに関しては、ストラップのバインディングを使用していた頃より足下の剛性感が上がってるせいか、カーヴィングもグイングイン喰いついていってくれるので最高に気持ち良いターンが出来ます。
あと、Step On®で滑ってるとトゥ側のブーツとビンディングの接点から、カタカタカタッて音がすることがあって、最初はちょっとだけ心配になるんですが、何も心配することは無くてむしろ使ってるうちにそのカタカタ音が心地よくなってくるくらいです！！
僕の使用ブーツはPhotonです。これを使ってる理由はStep On®の前からずっとPhotonを使っていたのでPhotonにしましたが、ブーツのアンクルストラップも付いているので違和感なく使えました。
仕事でStep On®を使っていて何より最高なのは、カメラを片手に持ちながらライダーを追いかけて滑るってことがよくあるので、そんな時は片手で外せて、手を使わずにバインディングをセットできること。本当にStep On®で良かったな〜って思う瞬間ですね！！スノーボードカメラマンって仕事をやっている僕には、今となっては何よりも手放せないシステムとなりましたよ。

撮影現場での動きが楽になった

フォトグラファー　小野塚章

僕は主にゲレンデでの雪上撮影で使用しています。撮影では１日に何度もリフトに乗って何度もコースを滑り、ライディング撮影の時は映えるアングルを見つけるため何度も脱着します。そんな動きもStep On®のおかげで本当に楽になりました。実際に最初使った時からすぐに慣れましたし、シューレースのブーツ＋既存のバインディングでのライディングのフィーリングと変わらないと思っています。
また、目が離せないビギナーや子供と一緒に行った時など、何かあった時すぐに外せて対応できるのも、すごく便利だと思います。
今はアンクルストラップが付いてるPhotonを使ってます。20年以上、当たり前にトゥーとアンクルストラップで締め付けてたのでなんとなくアンクルストラップが付いてるPhotonを選びましたが、思ってたよりアンクルの締め付けをしないでも安定して滑れたので、昨シーズン使ってみたらストラップ無しのRulerやSwathとかも使ってみたくなりましたね。

長時間でも疲れにくく、楽に滑ってます

FREERUN編集部　今井秀武

ステップインのようなシステムは以前に何度も使ったことがあるんですが、BurtonのStep On®はそれらのフィーリングをずっと上回っていると思います。ガチガチに抑えられているという感覚ではなくて、ノーマルのバインディングのようにフレキシブルな部分もありながら、踏み込んだ時はとても反応がいいので楽にコントロールできる。丸1日滑りこんでも疲れにくい気がしています。それはバインディングの脱着がめちゃくちゃ楽だということもきっと効いているのかも知れませんね。少ない動作でパッと脱着できますから。ブーツも最小限のパーツに抑えられているんで軽く、いろんな動作でストレスを感じることがありません。仕事でゲレンデを動き回る時なんかも平気で使えます。
あとはとにかくボードに装着してスマートなこと。どこかに立てかけるにもストラップが邪魔になることはないですから。
僕は先シーズンは少ししっかりしたホールド感が欲しくてPhotonを使っていました。でもアンクルストラップは軽く締めるくらいだったので、今シーズンは新登場のデュアルゾーンBoa®︎を搭載したSwathを使う予定です。いろんな人から「調子いいよ」という評判を聞いているので楽しみですね。