これまでも石打丸山といえば、地形パークを日本でいち早く取り入れたり、最新鋭のコンビリフトを新設したりと、様々な進化をしてきた。そんな石打が2020−21シーズンにスノーボーダー待望のツリーランエリアをオープンし、さらなる進化を遂げた。
小さな頃から石打丸山を滑るローカルライダー・佐藤亜耶が、石打のディープパウダーDAYをリアルレポート。
Text: Aya Sato
Photo: ONOZUKA AKIRA
ツリーランエリアをはじめ、新しい魅力が次々登場!
石打丸山が位置する新潟県南魚沼市は、日本屈指の豪雪地帯。寒波が来れば一晩で数十センチもの積雪があるエリアだ。そんな石打で、ついにツリーランができるようになったのは全スノーボーダーにとってかなりの朗報ではないだろうか。
NEW OPENした2つのツリーランエリアを滑り倒す
新たにオープンしたのは、2カ所のツリーランエリア。まずは山頂エリアをご紹介しよう。山頂リフトを降りたら左手にある “友情の鐘” の裏側へ歩いて回ると、ツリーランエリアの入り口を示す看板が出てくる。看板付近までは圧雪されており、歩きやすいのも嬉しいポイントだ。
木に括り付けてあるピンクのリボンがツリーランエリアとその外の境界線であるため、その点に注意しながら楽しむことに。
撮影日は「これぞ新潟!」と言わんばかりのディープパウダー。こんな日はリフトオープンに合わせてすぐさま山頂に向かい、ツリーランのファーストトラックを狙うのがベストプラン。
山頂ツリーランエリアには数本の沢があり、どの沢を落とすかを選べるというのも面白い。それぞれの沢でツリーの間隔も違うため、ゆったりパウダーを楽しみたい時、細かいツリーを攻略したい時など、その時の気分に合わせて滑るラインをチョイスすることができる。端の沢から順番に攻めていくのも良し、同じ沢を何度も滑り思う存分攻略するも良し。少し出遅れてしまった朝でも、隣の沢を覗けばまだまだノートラックなんてこともよくあるため、ぜひ焦らず穴場を見つけて欲しい。
ツリーランコースを抜けると既存のコースである迂回路に出るため、パウダーを楽しんだ後に板を脱ぐ必要がなく、リフト乗り場へ直行できるのも嬉しい点だ。
さらにリフト乗り場へ向かう途中にもコース脇のパウダーを当て込んだり、大きなグルーミングバーンを思いっきり滑ることもできる。
仲間とリフトで作戦会議をしながら、山頂エリアをお腹いっぱいになるまで満喫してほしい。
続いて2つ目のツリーランエリアは、中央高速トリプルリフト下にあるジャイアントエリア。このエリアは山頂エリアよりややロングランで、起伏も激しめ。ミニマッシュなど多数のヒットポイントがあるため、ゲレンデ内であることを忘れてしまうようなアドベンチャー気分を味わえる。
こちらは山頂エリアと違い、板を脱がずにアクセスできるため歩くのが面倒に感じる人も気軽に非圧雪エリアを楽しむことができる。
実はこのスポットが山頂エリアに負けず劣らずの絶景ポイントであることはまだあまり知られていないのではないだろうか。石打丸山には越後湯沢を代表する名峰・飯士山を眺むことができるポイントが多くあるが、このジャイアントエリアでは飯士山をバックにスプレーショットを狙えるのだ。
晴れた日にはさらにその奥の山々も見えるタイミングもあり、ベストショットを狙って仲間と撮影会なんて楽しみ方もアリかもしれない。
ツリーランを一通り楽しんだら、カフェでひと休み
朝から2箇所のツリーランエリアを満喫し、少し疲れてきたらゲレンデ中腹部にあるオーストリアスノーハウスでひと休み。魚沼平野を眺めながら、暖炉でゆっくり温まることができる。私のお気に入りはレモネードとパンケーキ。美味しく糖分を補給している間に、ストーブ前で乾かしていたグローブやゴークルも第2ラウンドに向けて準備万端に。
午後は石打の代名詞 地形パークでセッション
パウダーのベストコンディションタイムが過ぎたら、石打名物の地形パークへ。この地形パークはスノーボーダーのオペレーターが設計・造成をしているため、繋ぎも完璧。ジャンプも日本で随一の飛びやすさ。
また今シーズンは、スノーパークの造成に特化した専用圧雪車が導入されるようだ。これによって、メインパークのクオリティアップはもちろん、ビギナーエリアの増設、ジブアイテム導入など、さらにボリュームアップする石打のスノーパークに期待が集まる。
それに加えて、石打は全山スノースケートでの滑走が可能なのだ!もちろん地形パークをスノスケで爆走することも可能なのである。常設パークをスノスケで滑走できるスキー場は多くないはず。だからこそスノーボーダーやスキーヤーとの接触に注意しながら、ぜひスノスケでも石打自慢のパークを攻めてもらいたい。
さらに進化し、朝から晩まで時間が足りないほど遊び尽くせる石打丸山。首都圏からのアクセスもよく、石打インターや湯沢インターからもすぐという好立地。降雪の知らせが入ったら、翌日の朝イチセッションを狙うなんてことも可能だろう。
ぜひ今シーズンも石打の最新情報をキャッチして、最高の1日を過ごしてほしい。
今シーズンの石打丸山は、オートゲートシステムの導入によりICチケットになった。1日券は自由な時間からスタートできる時間券制度を導入し、ナイターでも使うことができるなど、利用者のスタイルに合わせてフレシキブルな楽しみ方が可能になる。購入はお得な事前オンライン販売(今であれば早割)へ!
SBN FREERUN「石打丸山スキー場」ページはこちら。
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Profile
佐藤亜耶(さとう あや)
1995年4月9日生まれ。新潟県津南町在住。
両親の影響で3歳からスノーボードを始め、小学生時代からハーフパイプの大会に出場する。その後、中学一年生でプロ資格を取得。早稲田大学入学後は、10年間に及ぶハーフパイプ活動を経てスロープスタイルへ種目を転身し、全日本強化選手としてコンテストを転戦する。大学卒業と共に豪雪地帯の地元、新潟県・津南町に戻り、現在はスノーボードを通じて雪の魅力やその輪を広める活動に取り組む。