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DCスノーチームが世界中を旅しながら撮影したフッテージを、ほぼリアルタイムで配信していくムービープロジェクト「TRANSITORS」。2シーズンとなる今季は、日本、ロシア、カナダ、南米を順にトリップすることが決定している。スタート地点に選ばれた日本ではすでに撮影も終え、そのムービーの本編は先日公開されたばかり。今回はFREERUN特別取材によるビハインドストーリーをお届けしよう。
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TRANSITORSは、スノーボードだけでなく、旅先の国のカルチャーやライフスタイルも発信していくムービーだ。そこには、より多くの人がスノーボーディングへ行くためのインスピレーションを本ムービーから得てもらいたいというDCチームの願いが込められている。また、チームライダーたちの体験を共有しやすいように、可能な限りタイムリーにムービーを配信するスタイルも特徴だ。2週間ほど撮影をして、その後の1週間で編集、そして公開する。フレッシュなムービーにしか表現できない魅力が詰まっている、というわけだ。
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DC TRANSITORS 2: Episode 1, Japan
こちらが先日公開されたジャパンエディット。北海道を舞台にフリースタイルにスノーボーディングと旅を楽しみまくる模様が収録されている。
日本ではキャットツアーに参加したり、ロードサイドで毎日のようにFUNなスノーボーディングを楽しんだDCクルー。彼らの姿を観ると自然と雪山に行きたくなるはず。まずは、DCスノーチームのボスであるボビー・ミークスに本プロジェクトの全体像、そして日本での撮影裏話を聞いた。
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DC Global Snowboarding Marketing Director
ボビー・ミークス
Q: 旅の行き先は、どうやって決めたのですか?
A: スノーボーディングでアツいシーンがあると思う国に訪れるようにしてるんだ。ヨーロッパではスイスやフランスに素晴らしいスノーボーディングカルチャーがあるし、北米ではカナダに壮大なバックカントリーがある。日本は世界屈指の極上パウダーがあって、アメリカだとマンモスマウンテン……って言い始めたらキリがないよね。ただ、今シーズンは昨シーズンに訪れていない場所へ旅に出ようと思ったんだ。南半球も含めれば、ずっと冬を追いかけることもできるしね。
Q: 日本での撮影は、どんな感じでしたか?
A: 小樽をベースにして2週間ほど車で移動しながら撮影したいスポットを探していたよ。その後はニセコへ。昨シーズンはニセコの雪が多くてパウダーをたくさん滑れたけど、降りすぎて映像が撮れないほどだった。だから、撮影に関しては今シーズンのほうが良く撮れたと感じてるよ。
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Q: 訪れてない場所への旅だったはずですが、なぜ北海道は2年連続で?
A: 昨シーズンのニセコで貴重なパウダーを経験し、チームライダーたちの行きたい場所のトップランクになってしまったからなんだ。ただ、今シーズンはパウダーだけを滑るんじゃなくて撮影も増やしたかった。あと、東京から北上して船で北海道へ渡ったんだけど、旅の側面も組み込んでより日本を感じられるようにもしたくてね。ニセコはクレイジーな異空間を味わえる場所だと思う。(玉井)タロウのような素晴らしいスノーボーダーもいるしね。
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Q: 今後のトリップの予定を教えてください?
A: 訪れる国は決まっているけど、詳細までは今のところは未定だね。でも、基本的なコンセプトを変えることはないと思う。例えるならメキシカン料理のようなものさ。どこで食べても基本材料は同じ。ただ中身に違いはあって、いろいろな味付けもある。スノーボードも同じだよ。旅をしながら楽しいスノーボーディングを伝えていくだけ。いい反響をもらえているかぎり、僕たちはこれからも旅を継続するだろう。特に、南米は楽しみだよ。いい雪があるシーズンであることを願っているんだ。
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こちらは、FREERUN特別編のビハインドムービー。
ジャパントリップの撮影舞台裏にフォーカスしている。
そして、ここからは今回のジャパントリップに参加したDCチームライダーたちの写真とともに、ライダーたちのコメントを紹介していこう。
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トースタイン・ホーグモ(Torstein Horgmo)
「いつ来ても日本は素晴らしいスノーボーディングカルチャーがあるって思う。落ち着いた雰囲気に包まれ、自然の中をゆっくりハイクする。険しい斜面ゆえの緊張感っていうのもなく、とにかくリラックスして滑りに集中できる。今回もそうだったよ。シーズン最初に訪れてウォームアップする場所としてもすごく魅力があると思う。特にニセコでは楽しく滑れたね。キャットで流すのがとても楽しかったから。2月のロシアトリップはスキップする予定だけど、その後はチームと合流してカナダのレベルストークへ行き、それから4月には南米へ。ここも初めてだから楽しみだね」
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イッカ・バックストロム(Iikka Backstrom)
「天候にちょっと左右されたけど、北海道では最高の雪に恵まれたし、いくつかのスポットで本当に楽しく滑ることができたよ。特に、THE HOUSE OF POWDERでのキャットツアーは、とても良かった思い出なんだ。あそこは環境がいい。パウダーを滑って、いい温泉に入り、美味い飯を食べる。もう言うことなしさ。今後はロシアに行き、カナダ、そして南米へ。僕はすべてのトリップに行く予定なんだ。ちなみにDCのInstagramのストーリーは僕がアップしてるからチェックしてね」
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ジョーダン・モース(Jordan Morse)
「日本には3日しかいられなかったんだ。もともと1週間の予定だったけど、飛行機で遅れてしまって……。でも、初めての日本はワンダフルだったよ。もう少しストリートができたらもっと楽しいと感じたかも? でも、パウダーも満喫したし、何と言っても空気感が良かった。今後はロシアに行く予定で、南米は参加するか未定なんだ。今回は日本でバケーションを満喫し、それからロシアのストリートって感じになるけど、できれば順番が逆だったらなぁ。ロシアでストリートしたあとに、日本でゆっくりパウダーを楽しみたかったから(笑)」
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ジャスティン・フローニス(Justin Fronius)
「初の日本は最高だったよ。パウダー、カルチャー、フード……。素晴らしいとしか言いようがないね。もともと自分はストリートがメインだから、今回のようにパウダーをガッツリとランディングするのは新鮮だったね。ジャケットを着て、ゴーグルをして、バックカントリーギアを持って、荷物もあれこれ詰め込んで……。こういった環境でパウダーを滑れたことは自分にとっていい経験になったよ。イッカも助けてくれたし。あと、キャットに乗ったのも初めてでクレイジーな経験だった。視界は悪かったけど本当に最高だったね。また日本へ戻って来たいよ。次はストリートもやってみたい。運転しながらスポットをたくさんチェックしたから。次のロシアも初めて行くんだけど、普段やっているアーバンのストリートセクションになるから楽しみなんだ。あとは南米にも行きたい。そうそう、今回のDCのプロジェクトムービーは、特に若い人に見てもらって夢を持ってもらいたいって思ってる。自分も若いときにムービーをたくさん見たけど、こういった旅をしながら仕事としてのスノーボードもあるってことを、次の世代に伝えていきたいから。あと、こうして最新のものをタイムリーに出していくのも面白いし、自分にとってもいい経験にもなっているよ」
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ステフィ・ルクストン(Stefi Luxton)
「日本の旅はとても楽しかったわ。実は彼もスノーボーダーで、彼も北海道に撮影のために来ていたから、私はDCチームよりも3週間ほど前から来ていたの。たくさんの日本人ローカルと仲良くなり、北海道でのスノーボーディングを感じ、充実した経験を得られたと思ってる。また来たいわ。特にTHE HOUSE OF POWDERのキャットが最高だった。ゆるい空気感があって、みんなとたくさん滑れる快適なオプション(何回もキャットで回せる)のがね。今後のトリップへの参加は未定なの。私は出身がニュージーランドだけど、今はアメリカのサンディエゴに住んでいて、もしDCチームとのトリップに行けなくても自分で撮影して雑誌や映像を通じ表現していきたいわ」
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DCスノーチームが世界中を旅しながら撮影したフッテージを、ほぼリアルタイムで配信していくプロジェクト。
このDCムービープロジェクト「TRANSITORS」は、次なる目的地のロシアへとチームライダーたちは向かい旅を続けているはずだ。次回の作品もお楽しみに!
RIDER
Torstein Horgmo @torsteinhorgmo
Iikka Backstrom @iikkabackstrom
Jordan Morse @jmorse_
Justin Fronius @justinfronius
Stefi Luxton @stefiluxton
Sebbe De Buck @sebbedebuck