2024年11月23日。大阪は御堂筋にある北御堂(本願寺津村別院。梅田駅から電車で4分!)にて、「COWDAY STREET 2024」が開催された。【前編】では大会レポートをお届けしたが、【後編】では、ライダー、ジャッジ、カメラマン、イベントを手掛けた中心人物の声をもとに、改めて「COWDAY STREET 2024」を振り返ることにする。
Photo: itachan(COWDAY STREET 2024)
「素晴らしかったの一言です。大阪のど真ん中で、しかもお寺でっていうのは今までなかったですからね。海外だとお城にあるハンドレールとかでやったりするんですよ。まだ日本では実際にあるレールやレッジを使うのは厳しいかもしれないけど、その足がかりっていうか……次のステップに繋がるイベントになったのは間違いないと思います。
それでも今回のアイテムは、イベントをショーとして成立させるためにはベストなセレクトやったと思います。ライダーたちの、いろんなトリックやスタイルを引き出せていたので。それに特設ステージをぐるりと囲むように観戦できて、演出もすごい良かったからめっちゃ盛り上がったんだと思う。
(ゼブ)パウエルをはじめ世界レベルの技術とスタイルを持ったライダーたちが参戦していたから、僕はインパクトのあるライディングで魅せようと思ってました。それが上手くハマってくれて良かったです!」
相澤 亮(招待ライダー、Mens Best Rider)
「ルーク(ウィンケルマン)にベストトリック(CAB270オン・ボードスライド・レギュラーオフ)に選んでもらえたことが嬉しかったです。最初から狙っていたトリックだったので! イベント中は自分の滑りに集中していて、ほとんど他ライダーの滑りは観てませんでしたが、相澤 亮くんはヤバかったですね。あと、普段はスノーボードをやらない人たちにも自分の滑りを見てもらえることにも魅力を感じたイベントでした。D.Oくんのライブも良かったです!」
一ノ瀬 海渡(一般参加ライダー、Mens Best Trick)
「とてもエネルギーに満ち溢れていたイベントだったね。オレも常にハイテンションでいられたし、めちゃくちゃ楽しかったよ。日本人ライダーたちのスタイルは、とてもクリーンでクールで、オリジナリティのあるトリックに挑んでた。かなりドープだったよ。そんな最高のライダーたちと一緒に滑ることができて、そしてイベントの一員になることができて嬉しかった」
ゼブ・パウエル(招待ライダー)
「日本だと街中でやるイベント自体が久々だったし、規模も大きくて、お寺っていう独特の雰囲気が最高でした。あと、夜にやれたっていうのもレールジャムっぽくて良かったっす。セクションはシンプルでトリックを仕掛けやすくてオレは好きでした。450インやトランスファーとかもアツかったけど、やっぱりスタイルで言ったらオレら……(戸田)マサトや(米野)シュンシ、(鈴木)トウイが一番カッコよかったんじゃないかなって(笑)。オレらが誰よりも楽しんでたし! 公開練習ではトリック縛りで遊んで、負けたヤツがビールをオゴるみたいなこともしてたんですよ(笑)。このイベントを通して西日本に住んでるスノーボーダーたちに自分の滑りをナマで魅せられたし、たまたま立ち寄ったスノーボードを知らない人たちにも、スノーボードってオリンピック以外もこんなに面白いんだ、カッケーんだって感じてもらえたんじゃないかなと思います」
小川凌稀(招待ライダー)
「ストリートってイベント名だったから、ステアがゴリゴリに出てるのを想像してたけど、お寺だからさすがに無理ですよねー(苦笑)。でも、あのロケーションで仲間と滑れたのは最高でした。街中でイベントをやると、スノーボードをやったことがない人も来やすいし、これがキッカケでスノーボードをやってみようってなったら嬉しいです。滑りではOG(小川凌稀)のBS180インにめっちゃアガったっす。でも、アフターパーティーでみんなのショットを飲む量がハンパなくて、滑り以上に印象に残ってるかも(笑)。とりあえず、大阪ナイト、最高でした!」
米野舜士(招待ライダー)
「お寺でコンテストなんて今まで聞いたことがないのでワクワクしてました。実際、大勢の人の前でスノーボードができて嬉しかったです。本当はダブルダウンでFSノーズスライドをやるつもりはなかったんですけど、気がついたらテンションがアガってやってました(笑)。(坂本)ヒナノちゃんのBSリップテールの270アウトや、(藤川)モモカちゃんのスイッチBSリップノーズに刺激をもらって、自分もやってやるってプッシュされた結果だったのかも?
COWDAY STREETは、競技だけじゃないスノーボード、スタイルで自己表現するスノーボードもあるんだよってことを、スノーボードを知らない人たちに観てもらえた、すごく価値のあるイベントだったと思います」
高森日葵(招待ライダー、Womens Best Rider)
「ベストトリックに選ばれて、すごく嬉しかったです。BSリップテールの270アウトは好きなトリックなので、あそこでメイクできてよかった! でも、全体的にミスが多く、スタイルもまだまだなので、それはこれからの課題ですね。ただ、あのファイナルの雰囲気の中で滑れたのはいい経験になりました。あと、男子のファイナルが本当にすごかった。(戸田)マサトくんのスタイルもヤバかったし、一ノ瀬 海渡くんも自分のやりたいトリックをダブルダウンで完璧にメイクしてたのですごいなーと思いました」
坂本 妃菜乃(一般参加ライダー、Womens Best Trick)
「お寺っていう日本の伝統的な場所でスノーボードができて光栄だったわ。日本の女の子たちのスキルは本当にヤバかった。世界の誰もが圧倒されるくらいにね。それにスキルだけじゃなくてスタイルもすごくある。こんなにも才能のあるライダーがたくさんいるなんてクレイジーなことだわ! とにかく、あんなに楽しめたレールイベントは久しぶりだったの」
グレース・ワーナー(招待ライダー)
「アイテムがシンプルだからこそ己のスキルが試される感じで、それぞれのスタイルがぶつかり合う異種格闘技みたいで面白かったです。ファイナルは本当にヤバすぎ! そのなかでも、あの場の誰もがベストライダーは(相澤)リョウくんだって分からせる滑りをしていてカッコよかった。あと、一ノ瀬カイトのダブルダウンでのCAB270イン。最後の乗せ方は漢すぎましたね。スノーボードのイベントって山に行かないと観られないじゃないですか。だからスノーボードをしない人はスノーボードのカルチャーと距離が遠すぎると思うんです。でも、このイベントはその距離感をグッと縮めてくれた。別世界にあったスノーボードカルチャーを現実世界に持ってくるみたいな。そんなスノーボードの可能性を広げてくれるイベントでしたね」
長澤颯飛(招待ライダー)
「お寺でスノーボードをするということ自体、まず驚きでした。観客も多くて盛り上がってくれて最高に楽しかったし、いろんな人にスノーボードの楽しさを伝えることができて嬉しかったです。アイテムは、レールの高さがいい感じでトリックを仕掛けやすく、ダブルダウンもスピードがしっかりつく設計だったのでストレスなく滑れました。自分はミスも多かったんですけど、ダブルダウンでBS270インがハマったのが最高に気持ちよかった。印象に残ってるのは(一ノ瀬)カイトのCAB270インからの戻し。あれはヤバかったですね」
荻原大翔(招待ライダー)
「やっぱり人前でやれるのは楽しいっすね。それにスノーボードってレジャーだけじゃなくて、こういったカッコいいスノーボードもあるんだ、観ても興奮できるんだって思える場を作ってくれたのが嬉しかったです。オレらが普段やってるストリートって人に観られないから! アイテムは長すぎず短すぎずで、いい感じでしたよ。すごいライダーはいっぱいいたけど、カッコいいのはやっぱりオレらでしたねー(笑)。ただ、オレ自身、ちょっと予選番長をカマしちゃったっす(苦笑)。来年もお寺の人もやりたいって言ってたし、また出たいですねー」
戸田真人(招待ライダー)
「お寺っていうロケーションとD.Oのライブがヤバかった! 滑りでヤバかったのは、OG CHEESE(小川凌稀、戸田真人)&RICE(米野舜士)。次はステア全出しのガッツリSTREETスタイルでやってほしいっす!」
鈴木冬生(招待ライダー)
「最近は街中での大掛かりなジブイベントがなくなっていたなかで、大阪の街中にあるお寺でCOWDAY STREETをできたことは、開催に至るまで頑張ってくれた運営陣、そして容認してくれた北御堂にリスペクトです。
ライダーたちのライディングレベルも高くて見応えがありましたね。ただ、そのぶんジャッジとしては困ったというか(苦笑)。ファイナルは3位まで決められるのかなと思ってたらベストライダーだけ。めちゃくちゃ悩みました。今回はジャッジだったけど、イベントが終わったら自分も滑ってたんじゃないかってくらいテンションがアガってました。それくらい興奮したイベントでした。
こういった街中でのスノーボードイベントを自分もやりたいと以前から思ってたので、ますますその想いが強くなりました。自分は六本木で滑ったあの日(BURTON RAIL JAM)が人生でも最高の思い出になったストーリーだったので!」
高尾翔馬(ジャッジ)
「スキー場よりも色が多くて、だけどストリートと違ってオーディエンスがいっぱいいて、しかも、みんないい顔をしている。この空間、この時間を残しておきたいなって思いました。ただ、今回はライディングを撮り始めると純粋にイベントを楽しめなくなっちゃうし、けど、少し撮ってみたいし……みたいな気持ちだったので、フィルムカメラでちょこちょこ撮りながら、お酒を飲みながらイベントを楽しませてもらいました! あと、撮影してるときとは一味違う相澤(リョウ)さんを観られて嬉しかったです」
pink.clown(フォトグラファー)
「最初は地域の盛り上げに尽力されてる方から牛乳石鹸さんを通して話をもらったんです。『この地域でイベントができますか?』と。それで1年半くらい前にプレゼンをさせてもらって、場所の選定から内容からいろいろ話し合って開催に至りました。
最近は雪山でのイベントも手掛けさせてもらってますが、もっと多くの人に観に来てもらいたいっていう想いがあったんです。でも、雪山だとスノーボードを知らない人が行くにはハードルが高すぎて……。やっぱり街からアクセスしやすい場所だと気軽に観に行こうってなるじゃないですか。それに街中でイベントをやることで、そこから広がることもあるだろうし、次に繋がることもあるとも思ってました。なので、無事に開催できて本当によかったです。
今回はロケーションも話題になったと思いますが、僕はそこで魅せてくれるライダーも重要だと思っていて、招待ライダーにはひとり一人に声を掛けさせてもらいました。イベント当日は運営の仕事が忙しすぎて、そこまでじっくり滑りを観ることはできなかったけど、ライダーたちのトリックもスタイルもファッションも、それぞれ個性的で華もあって、みんなカッコよかった。僕がそう思ったように、観に来てくれた人たちもスノーボードってカッコいいと思ってくれたなら嬉しいですね。もちろん、スノーボードを知らない人たちにそう思ってもらえるように、競技だけじゃないスノーボードを、上手い下手だけじゃないスノーボードを、いかにわかりやすく伝えるかってところを大切にイベントを進行しました。ただ、北御堂に入れる観客のキャパが1,000人くらいだったので、実はファイナル開始前から入場制限をかけないといけませんでした。このイベントを楽しみに来てくれた人たちには申し訳ないと思いながらも、そこまでアツい人たちがたくさん集まってくれたこと自体がすごく嬉しかった。ライダーたちも楽しかったと喜んでくれたのも嬉しかったですね。
いろんな方たちの協力があってCOWDAY STREET 2024を無事に終えることができました。ありがとうございました」
稲村 樹(大会事務局・代表)
見逃した人は以下リンクから当日のライブ映像を見ることができるのでチェック!
COWDAY公式Instagramアカウント