ストリートを活動の舞台に映像を発信するフィルムクルー “WAKUWAKU” によるジブセッション「WAKUWAKU RAIL JAM」が開催された。2回目となる今年はライダー陣を含め100名以上の参加者が集まった。自分の実力の限界に挑み、ヤバいワンカットを残すための戦い。そしてこのイベントには別のメッセージも込められていた。そんなWAKUWAKU RAIL JAM 2ndの様子をレポート。
Photo: Ryoji Obayashi
2021年3月6日、長野県鹿島槍スキー場でジブセッションが開催された。このイベントを主催するのは、五十嵐 顕司や荒川優希をはじめとするフィルムクルー、WAKUWAKU。ストリートでの撮影映像を通して自分たちがスノーボーディングから感じ取っているワクワクした瞬間を表現する彼らは、その “楽しさ” を共有できるようにとビギナーから上級者までが楽しめる内容のセッションイベントを企画した。
2回目となる今年は80人以上の参加者が集まり、前回は招集しなかったゲストライダーも多数集められた。その中にはインフルエンサーやSNSを中心に活動するライダー、コアにストリートなどの映像を残してメディアで活躍するライダーが含まれる。発信する場所や方法は異なるがそれぞれにスノーボード業界を盛り上げたいと思っているライダーたちをひとつに集め、それぞれの良いところを吸収しあい、手を取り合えれば、という思いで声をかけたのだという。
採点基準は「映像としてヤバイもの」を残した人が評価されるというもの。フィルムクルーであるWAKUWAKUならではの採点方法だ。ストリートという土俵で最高の1カットを残すために熱いバイブスで撮影を続ける彼らはその1カットの大事さを痛感している。集中力、熱意、チャレンジし続ける気持ち…そういったものを参加者たちと共有するために、この形式が採用されたのだ。
それに応えるように会場に用意された様々なアイテムに果敢に挑む参加者たち。それぞれが切磋琢磨しあい、良い1カットを残すために、セッションが進むにつれ熱気が高まっていく。参加者たちの中にゲストライダーも混ざり、自分たちのライディングを見せつける。目の前でライダーたちの滑りを見られるのも、参加者たちにとっていい刺激になっていた。上級者の滑りをお手本にして、ライディングにかける思いを感じて、スキルを盗む。上達を目指すスノーボーダーにとってはまたとないチャンスだった。
参加者ひとりひとりが周りからの良い刺激を受けてチャレンジし続け、自分をブラッシュアップしていく。それこそがイベントに参加することの醍醐味であり、上達の先にある目標を見つけ続けていくことがスノーボードの楽しさをより深く感じる秘訣なのだろう。このイベントに参加した誰もが限界を突破し、新たに見つけた目標に向かって進んでいく。充実した満足感のなか、イベントは幕を閉じた。
リザルト
男子
3位Toma Shimizu
2位Sota umehara
1位Shota Sakamoto
女子
2位Misaki Handa
1位Junna Asaya
未来に雪を残すためのメッセージ
また、このイベントには環境的なアプローチもあった。暖冬の影響で「雪が少なくなってきている」ことをスノーボードを通して感じたWAKUWAKUクルーは、エコバックを販売したり、お手製のポスターを作ったり、ヴィーガンスイーツを参加者に振舞ったりと自分たちなりにこの問題に向き合い、その思いをシェアしたいと考えている。完璧でなくても自分ができる範囲で行動できたら…そう考えるWAKUWAKUからのメッセージをお届けする。
「日本には完璧じゃないといけないという雰囲気があるけど、俺らもヴィーガンではないし、極力肉を食べることを抑えたり、ゴミをあまり出さないように徐々に生活が変化してきています。それは暖冬で雪が少なくなってきてることを、スノーボードを通してダイレクトに感じたからです。環境問題とスノーボードは切り離せない問題。なので、自分のできる範囲で地球に優しく生きる人が増えればいいなと思い、こういう行動もシェアしています。
環境問題について、BCなど山系の人は敏感なイメージがありますが、ジブ好きな人にはあまり浸透していないと思います。WAKUWAKUならそういうジャンルの人たちに伝えられるなと思い、できる範囲でやってます。次世代にスノーボードを残すために、みんながコツコツとやってけたらいいなって感じですね」-Kenji Igarashi
WAKUWAKU CREW
Kenji Igarashi
Yuki Arakawa
Kenzo Nosaka
Yuya Suzuki
Taisuke Ban
WAKUWAKU RAIL JAM Instagram