スノーボードプロショップは
Step On®︎をどう評価しているの?
SNSやWEBで発信されている情報を見たり、ゲレンデで実際に使っている人を見たり、Step On®︎への興味は年々高まっている。実はこの原稿をまとめている筆者自身もStep On®︎ユーザーなのだが、今までも何度となくリフトで乗り合わせた隣の人に「これってBurtonのStep On®︎ですよね、どうです?」と聞かれた経験があり、周りの「気になる度」が年々高まっていることを感じている。そんなときは自分がいいなと思っているポイントをいくつかお話するのだが、やはり結局のところ自分自身で試してみるのが一番いいんだと思う。となれば向かう先は、スノーボードプロショップ。
では、実際にスノーボードプロショップでは、Step On®︎についてどのように考え、ユーザーにアドバイスしているのか?実際にどんな楽しみ方をしているスノーボーダーに人気が高いのか?そこで実際の現場の声を3つのショップでヒアリングしてみた。
『もっと楽に滑りたい』という
大人のスノーボーダーの要求に応えてくれる
LEAD大阪 店長 中嶋 巧さん
とにかく着脱の速さですね。座ってバインディングを付ける必要がなくなるので、圧倒的にスノーボードが楽に楽しめるようになります。特に体が硬くてバインディングを付けるのがしんどいとか、家族でスノーボードを楽しむのに子供のケアが必要とか、そんな悩みも解決してくれます。
そしてStep On®️では、従来より他社で販売されてきたステップインと言われるシステムとは大きく違う点があります。ブーツのソールにバインディングを固定するための金具などもなく、いわゆるフリーソールのままでライディングできるという点がいいと思うんです。だから違和感を全く感じることなく、今までと同じ足裏感覚でいけるんです。ボードから伝わるフィーリングをしっかり感じながら、ターンではフロントもバックサイドもキレのあるターンをコントロールできて、安定感も十分です。
そういう安定感をターンに求めるなら、やはりブーツはPhotonあたりがオススメですね。アンクルストラップがあることで、安定感が得られるし、ブーツ自体も程よくフレキシブルなんで、ニーズが幅広い。Ionは硬めなので体重がある人や、しっかり荷重をかけて乗れるという人にいいと思います。
うちのお客さんでは、やはり大人のスノーボーダーの方、もっと楽に滑りたいという人がStep On®︎を購入されますね。お店でちょっと動作をレクチャーすれば、スムーズに理解して使いこなしてくれています。登場した頃から、かなり完成されたシステムですが、徐々にバリエーションも増え、バインディングのカラーも多彩になって選びやすくなったと思います。でも、やはりうちでは定番のブラックが人気ですね(笑)。最近はスノーボードを初めてやるのに、どうせ買うならいいものをと選ばれるお客さんもいましたよ。
shop情報:LEAD大阪 大阪市浪速区敷津東2-1-4 ekikan503 tel. 06-6634-3737
link: https://www.lead-sb.com/osaka/・Facebook / Twitter / Instagram / Youtube
『反応の良さ』がターンを楽にしてくれる
うちではIONとのセットが人気ですね
SHIFT 店長 佐竹秀章さん
Step On®︎というギアは、お客の反応がとてもいいですね。スノーボードの足回りについての乗り味は、徐々にいろいろ良くなってはきましたが、長い間に渡ってシステム自体に大きな変化はない。そんな中でお客さんはStep On®︎に新しさを感じてくれているようです。従来のステップインを使った経験もある人も、試してみるとそのシステムと比較して違いをはっきり感じられるし、一方ブーツに装着されている金具に抵抗感を持っていた方もこれなら十分に楽しめるというイメージをつくりやすいところも大きな魅力ですね。
僕自身もIONでStep On®︎を使っていますが、とても反応がいいところが気に入っています。そして楽に滑れるという点でとても優れていると思います。長年ストラップバインディングを使ってきたところから乗り換えても違和感なく、ゲレンデを滑り倒して、パークを楽しむといった自分のニーズの上では本当にスムーズに馴染めました。
うちのお客さんの中でもIONとの組み合わせが人気があります。足回りの土台となるバインディングとの固定がしっかりしているので、楽にコントロールするということを考えると硬めのIONとのバランスは、結構これまで滑り込んできた方がそろそろ「余裕をもって滑りたい」というニーズに合っていると思います。
初中級の方にとっては、とにかく簡単に着脱できるというところがポイントになっていますね。お客さんの中でもリフトを降りて、スケーティングしながらカチッと一瞬でバインディングを装着して滑り出すところを目の前で見て、気になってお店にいらっしゃったという人もいます。年齢が上になってきてバインディングを装着する際にいちいち座り込むことが辛く感じている人には、このメリットは本当に大きな購入の動機になっていると思います。
それに加えて、たとえば朝イチのゲレンデパウダー狙い、リフトを乗り継いでいくのに繋ぎでスケーティングを長めに滑らなくちゃいけないけど、斜度があってちょっと不安な時に、瞬時に付けてサーッと滑って次のリフトへ。そんな状況への対応とかもすごくスピーディで、Step On®︎の強みをすごく感じられますね。
shop情報:SHIFT 千葉県船橋市宮本3-2-13 優企画ビル1F tel. 047-404-3700
link: http://www.shift-tuning.com ・Facebook / Instagram
バインディングを座ってつける動作がなくなるので
実は今までの1.5倍滑っても疲れません
HEVEN STORE.B 店長 中本健太郎さん
とにかく早い。疲れない。スノーボードは全身運動なので筋力をすごく使いますが、バインディングをはめるという動作は主に腹筋を使うので、特に初心者の女性は立ってつけるのが難しいんです。Step On®︎はその動作がなくなるので、ストラップのあるバインディングと比べると滑走本数が1.5倍くらい増える(実際に実験済み)感じです。僕も全然疲れを感じないですね。リフトを降りてから滑り出すまでに1分ほど速さが違ってくるんですよ。これはまず大きなメリットですね。
乗り味もめちゃくちゃいいですよ。ソールの足裏感覚もフリーソールと変わらずで、硬くもない。従来のステップインとは全く違います。さらにストラップバインディングでは足首側とつま先側で締めるから、どうしても足首方向に寄せる感覚があるんですが、Step On®︎は乗せるだけなのでアンクル側に押される作用がない。だからスケートボードやサーフィンのように板の真上に乗れるんです。板のセンターに乗れていればコントロールも安定するというわけです。これは周りで使っている人はみんな体感していますね。
ヒールのロック機構も2段階になっていて、仮にトゥーが外れていたとしてもヒールのロックが外れることはないので心配はありません。お客さんへのアドバイスは、ロックをするときにカチっという音がするので、2回音がすることをしっかり確認してくださいと伝えています。2回目が入りづらい場合は、オーリーをしてもらえばカチッとはまります。あとはウェアの裾を噛ませないようにすること。ウェアどめにしっかり入れてもらうということ、そこはいつもわかりやすくアドバイスしています。たまに外側に解放レバーがあることで外しづらいという人もいるんですが、heaven storeではある裏技でそれを解消しています。滑っている時にトゥがカタカタと鳴るのを解消する裏技もあります。お店に来てもらえればレクチャーできますよ。
ラインナップのなかで、うちのお店で勧めているのはSwath、レディースはRitual LTDです。アンクルストラップがなく自由度があるのと、ダブルBOAなので足の甲とスネの締めわけができる点。あとはカフカット(足首に切れ目が入っている)がフレックスを生み、適度な硬さなのでフリーライディングやパウダーライドに向いていると思います。うちでは40代くらいの人が買ってくれていて、フリーライディングが9割、ジャンプが1割という感じです。硬い感覚が好きな人や、レースやデモなど本当にシビアなレスポンスを求める人にはIonをお勧めしていますよ。
今シーズンはバインディングの選択肢が増えて、Step On®︎ Xが出ました。うちのお客さんもXに買い換えている人も何人かいます。Burtonファンは “X”という言葉が大好きですよね、カスタムXもそうですし(笑)。硬いけれど軽いです。Xを使ってしっかり乗るには、やはりセットアップはIonですね。
Step On®︎はこれからまだ増えると思いますよ。特に今年はステップオンの認知度がかなり上がってきていると感じていますし、問い合わせも来ています。そしてStep On®︎を使い始めた人はほぼ100%使い続けていて、ストラップのバインディングには戻ったりしていません。それがStep On®︎の実力、答えなんだと思います。
shop情報:HEVEN STORE.B 東京都西東京市芝久保町4-20-12 大谷ビル101 tel. 042-451-7791
link: http://www.heavenstore-jp.com ・Facebook / Twitter / Instagram
みんなが気になるStep On®︎のチェックポイント
安心できるロック機構
ショップの方が口を揃えて説明しているように、Step On®︎を使用すれば、リフトを降りてバインディングのストラップを締めるために、場所を探して座り込む手間からは一切解放される。立ったままでブーツのかかとをバインディングのハイバックに合わせながら踏み込めばロック完了。あとはつま先側に踏み込んでトゥの両側のコネクションをロックする。ブーツのかかとは2段階のロックになっていて、1段階でもかかれば外れることはないので安心だ。かかとがロックする感じは使い始めればすぐ感覚がつかめる。
簡単で誰にでもすぐ扱える
「リフトを降りてサーッとスケーティングしながら、そのまま後ろ足をStep On®︎にロック」というStep On®︎ならではのスマートな動作も、少し使い慣れれば簡単に出来てしまう。外す時もレバーを引き上げて、後ろ足を一歩前に出す感じのアクションでスムーズに外せる。そういったStep On®︎を使いこなす動作は見た目以上に簡単で、誰にもすぐ出来るというのがいい。
「今までバインディングを付けるのが遅くて、いつもみんなを待たせちゃってました。でも、これからは僕が待つ方ですね(笑)」ショップ取材中にオーダーしていたStep On®︎を受け取りに来店していた人もそんなコメントしていたように、この手に入れた『速さ』はスノーボードのスキルが1ランク以上にジャンプアップしたような優越感を得られるような、とても大きなメリットになる。
ソールに金具がないから、通常のブーツのフィーリングのまま
Step On®︎のブーツのソールは普通のブーツと同様で、特に金具も付いていない。だからバインディングからダイレクトに雪面のフィーリングをとらえることができる。これまでステップインというシステムを嫌ってきた人が口にする理由に「ブーツの足裏感覚が損なわれる」「ブーツに金具が付いていて重い」という点があるが、Step On®︎ではそのデメリットは全くない。フィーリングが損なわれることなく、ターンの荷重動作の反応は向上するのだ。
アンクルストラップ、あると無いでどう違う?
メンズモデルではION、Photonがアンクルストラップを装着、Swath、Rulerにはアンクルストラップは装備されていない。アンクルストラップは単純に自分の足がどんな風に固定されるかというフィーリングの違いにつながる。かかとをしっかり固定して力を効率よくコントロールをおこないたい人にはアンクルストラップが安心感を与えてくれる。一方アンクルストラップがなければ足首の自由度はさらに高まる。SwathではダブルBOA®︎で締め分けることでアンクルを強めに固定することも可能。自分の好みでフィーリングを選べるようにバランス良くラインナップが構成されている。
TX3レースを使用した最新型BOA®︎ でフィット感抜群
元々もBOAはステンレスレースから始まり、BurtonのBOA導入からTX3という樹脂製レースが使われることになった。このTX3レースのBOAにより、バランスの良いフィット感が生まれ、それがStep On®︎のシステムのフィーリング向上に影響している。BOAの締め方によって自分好みのフィーリングに合わせられるというところも馴染みやすさにつながっている。
今シーズンはバインディングにカーボンハイバック装着のXが登場
よりクイックなレスポンスを求めるスノーボーダーのためにStep On®︎にカーボン合成素材のハイバックを装着したXが登場。ベースプレートは最高レベルのレスポンス、軽さ、強度を備えた50:50カーボンファイバーグラス&ナイロン合成素材を使用し、ベース部のクッションは最高の乗り心地を引き出し、疲れを軽減するRe:Flex FullBEDクッションを採用。従来のStep On®︎バインディングに加えて、新たな選択肢が加わった。
女性やキッズ、柔らかめの初中級〜エキスパートまで全てのニーズに対応
メンズがバインディング2種、ブーツ4種、ウィメンズはバインディング2種、ブーツ3種、さらにキッズがバインディング、ブーツ各1種とすべての層のユーザーが使えるラインナップが揃っている。様々なニーズで「Step On®︎の良さ」は体感できるはず。是非とも、スノーボードショップに行って、まずはStep On®︎のシステムを試してみてはいかがだろうか?