県内屈指の積雪量を誇る湯沢エリア。その一角にある石打丸山はスノーボーダーやスキーヤー、ジャンルレスに多くのローカルが集まるスキー場だ。しかし、誰もが口を揃えて言うのは「ナイターが面白い」ということ。多様な滑り手がいる中で、一様に愛される石打丸山ナイターの魅力とは?人々が通い続ける理由を紐解いてみた。
Photo&Text: Daigo Onozuka
石打丸山というワードを聞くとどのようなイメージを持たれるだろうか?上級者向けの斜面、モンスターパイプ、広大な滑走エリアなどさまざまなイメージを持つだろう。石打丸山は新潟県の南、群馬県との県境付近にあり、滑走距離、規模が近隣のスキー場と比べて大きい。充実したスノーパークがあり、スノーボーダーにも馴染み深い場所だ。
ここはハイシーズンには連日のように大雪が降るような豪雪地帯であることでも知られている。日本海から押し寄せる湿った空気が谷川連峰で停滞することによって、この地に豊富な積雪をもたらす。まさにドカ雪という言葉が似合う降り方だ。
石打丸山のナイターに人々が集まる理由とは?
さて、さまざまなイメージを持たれる石打丸山だが「石打丸山といえばナイターこそが面白い」とローカルはこぞって口にする。ナイターは日中よりも気温が低いため、降り積もる雪がとくに軽い。おまけに豪雪地帯であるがゆえに降り方も尋常ではない。一度振り出せばリセットパウダーは当たり前だ。ドカ雪とはいえ、スノーボードのフローテーションなら問題ない。むしろ最高の浮遊感を味わえるシチュエーションになる。
石打丸山のナイターについて3つの観点から面白さの理由が挙げられる。
まずは規模の大きさだ。石打丸山のナイターはリフト&ゴンドラが4本、滑走コースは9本開放されており、滑れる面積が広い。コースが何本もあるので、どのようなコースを繋いで滑るかルーティンを考えるのも楽しい。
2つ目に自然地形の豊かさ。コース変化が多彩な点は石打丸山の潜在的な魅力だ。ゲレンデは緩急に富んでおり、起伏やうねり、壁などの当て込み所が点在する。ジャンプしてよし、スライドしてよし、グラトリしてよし。滑り手次第で自由自在に遊べるのだ。
3つ目にアクセスの良さ。石打丸山は関越道・塩沢石打インターチェンジから約5分、国道17号線沿いにあり、車でサクッと行ける距離にある。山道を登ることもなく、街から離れているわけでもない。思い立ったら気軽に足を運べる場所にあるので、物理的にも精神的にも近い存在だ。
これらを理由に人が集まりやすく、ローカルに親しまれている。ナイターは日中よりも人が少ないため、ゲレンデも滑りやすくリフト待ちもほとんどない。快適に滑りたい滑り好きなら、『ナイターこそが面白い』、という意見もうなづける。そのようなコアな滑り手が集まるのでアットホームな雰囲気も漂っている。
そんな、石打丸山のナイターパウダーについてローカルだからこそ知る魅力を関口敬と一真の2人に教えてもらった。
地形がたくさん出て、スピードも申し分ない
「石打丸山の雪は夜に湿気が抜けて極上パウダーになります。ローカルの人は知っているけれど、まだまだ知らない人も多いですよね。ドカ雪が降って、日中は雪が深いし視界も無いしで滑れない。という日があるんですが、そんな日こそ地元のライダーたちはナイターに集まるんですよ。あえて夜まで保存するんです。夜は人も比較的少ないので、滑りたい放題。夜までドカドカと降っている日もありますが、ナイターの照明でコントラストがはっきりするので、見えやすいのもいいところです。また他のエリアに比べて急斜面が多いので、どうしても地元のみんなはここに集まりますよね。僕の滑走スタイルはフリーランがベースにあるので、地形が出てたり、スピードが出る石打丸山はとてもフィットしています。なので、もちろんパウダーがなくても楽しいですよ」ー 関口 敬
新潟特有のドカ雪が軽いパウダーに変わる
「石打丸山はどのコースも斜度があるので、大雪が降っても止まってしまうようなことがなくて、むしろ極上の浮遊感が得られます。雪が降った日は日中よりもナイターの方が調子がいいんです。コースもたくさんあるので、どこにいい雪が眠っているか、想像しながら滑るのも楽しいですね。雪が降らなくてもしょっちゅうナイターには行きます。そんな日は、バーンも締まっているのでエッジングやターンの練習をしに行くイメージですね。そういう時はうまく乗れていないと滑れないので!晴れていれば、夜景が綺麗なのも石打丸山の良さですね。オススメは、ナイターで滑れるピークまで上がって、一番下まで流すルーティンです。上から下までコースがたくさんあるので、どのようにコースを繋いで滑るか考えながら滑るのが楽しいんですよね」ー 瀬田一真
日中もナイターも満喫できる新しいリフト券
昼間だけでなくナイターこそ面白い石打丸山をより楽しみやすくなる券種が登場した。それが「1日券(8.5時間有効)」や、「4時間券」だ。いままで午前・午後・ナイターしかなかった券種だが、この時間券が登場した事で、リフトのゲートをくぐってから当日の有効時間内は滑走可能となり、以前までの “○○時までしか使えない” という制約がない。例えば11時30分にリフト券を購入したら、ナイター終了時刻の20時まで利用可能なので、昼間もナイターも両方楽しめるのだ。
今まで、都内から車で来ると、中途半端な時間に到着してしまい、なんとなく損をしていたと感じていた方も、これならたっぷりと石打丸山を楽しめるようになるはずだ。購入は当日窓口よりも事前ウェブ購入がオススメ。(購入はこちら)
ローカルがこぞって絶賛する石打丸山のナイター、及びナイターパウダーを一度味わってみてほしい。
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