AK457には「雪山を愛するすべての人のために」というテーマがある。そのなかでテクニカルディレクターを務めるプロライダー竹内正則氏は、スノーボーダー目線で雪山と向き合い、そこで必要なものを搭載し、逆に不要なものを省き、よりシンプルにという方向で改良を重ねているという。着やすく、動きやすく、機能的。全ての天候に対応するためにハイスペックな素材を使用しているプロダクトラインナップには、話を聞くと非常に細かいことまで徹底的なこだわりがある。特にバックカントリーシーンでの使いやすさを考えたポケットの配置、急激な天候条件の変化にも対応し、ハードな使用にも耐えうるハイテクノロジーファブリックの使い方、動きを妨げない素材のカッティングと縫製など、AK457ならではのアイディアがそれぞれのアイテムに凝縮されているのだ。
今回はそんなAK457を竹内氏がどう使いこないしているのか? 様々なシーンにおいてベストなセットアップを紹介してもらいながら、そのポイントを聞いてみた。
ACCESS
移動でもAK457のセットアップは大活躍
これなら旅の荷物も大幅削減!!
「AK457のMICRO FLEECEはとても活用できる幅が広いアイテムなんです。柔らかい肌触りでとても着心地が良いのですが、このMICRO FLEECEのジャケットとパンツの組み合わせでどこにでも行けてしまいます。例えばこのまま新幹線に乗って、ゲレンデまでアクセスというのもOKです。FLEECEの上にPACKABLE DOWN JACKETを着れば寒い外気にも対応できます。また、雪が降る日などは新しくラインナップに加わったLW JACKETを羽織ってもいいですね。このジャケットはわずか570gととても軽く、タウンユースにも使えるシンプルな仕様です。とにかくAK457でセットアップすれば、荷物もコンパクトになり、雪山への移動が本当に楽になることを感じてもらえると思いますよ」
EARLY SEASON
気温の変動も激しく、雪が降ればグッと冷えてくる
天候の変化に対応できるセットアップがお薦め
「冬の入りは気温の変動も激しく、冷える日はかなり気温が下がります。ですから雪の降る寒い日にも対応しながら、許容範囲が広いセットアップが活躍します。まず、パンツのインナーはBASE LAYER PANT FLEECEかMICRO FLEECE PANTのどちらかですね。暖かい日はBASE LAYER PANT FLEECEで十分です。アウターのHI-TOP PANTがしっかりと外からの水分の侵入や寒さを防いでくれるので、シーズン初めにパンツのインナーを重ねる必要はありません。上半身はBASE LAYER HI NECK FLEECEにMICRO FLEECEの2枚を着て、アウターはGUIDE JACKETで対応出来ます」
「また、シーズン初めはあまりバックカントリーには入らないんでゲレンデだけを滑るときは、BASE LAYERの上下にLIGHT DOWN JACKETというセットアップでいきます。DOWN+BASE LAYERというマッチングはとても着心地が良くて、気に入ってます。ダウンの素材もまたグレードアップしてとても調子がいいです。関温泉あたりではよくこのスタイルで滑っていますよ」
HIGH SEASON(IN NIIGATA)
バックカントリーでのあらゆる行動をサポートするセットアップは
特にボディを冷やさないことに注意する
「基本的にハイシーズンはバックカントリーに入ることが多いので、バックパックを背負います。ですからバックの中にダウンを入れていて、寒くなった時にアウタージャケットの下にダウンを着ます。これだけでかなり大きく変わります。PACKABLE DOWNは左ポケットに本体を収納出来るので非常にコンパクトで軽く、携帯性にも優れています。どのくらい寒いかによって、ダウンジャケットかベストか日によって持っていくものを変えています。ハイシーズンはハイクアップを頻繁にするので、ウエア内部温度の上下の変化に対応できるような装備が必要です。バックパックを背負う場合はGUIDE JACKETとのセットアップが基本になります。GUIDE JACKETは、フロントのジッパーを開けなくても右胸元のジップから、ジャケット内側のゴーグルポケットやフリースのポケットまでアクセスが可能です。セットアップで重要なことは、身体を冷やさずに色々な動きに対応できることです。HI-TOP PANTの中は、ほとんどFLEECE PANTだけでいけますね。これでもかなり暖かいので、2枚重ねることは少ないです。フィット感を好む人はBASE LAYER PANT FLEECEでもいいですね」
HIGH SEASON(IN HOKKAIDO)
北海道ではダウンが大活躍
ただし、寒くても基本的にインナーは3枚まで
「北海道はやはりマイナス10度以下になってきますから、ここではやはりダウンが活躍しますね。それとかなりウエアのセッティングには気を使います。ひとつアドバイスしたいのが、暖かさは着込んで重ねる枚数ではないということです。各部のゲーターなど、きっちりセッティングして外気をできるだけ内側に侵入させないことで、かなり暖かくなるんです。そのあたりも気をつけるだけでだいぶ変わってくると思います。そしてAK457はそういった部分に影響する機能をしっかり作ってあります。ですから、新潟のハイシーズンと同じGUIDE JACKETを基本としたセットアップをベースにPACKABLE DOWNを着て、HI-TOP PANTの内側にはMICRO FEECE PANTにBASE LAYER PANTを加えたりすることで十分対応することができるんです。ただ、自分はほとんどMICRO FLEECE PANT1枚で十分です」
「また、北海道のゲレンデやサイドカントリーであれば、LIGHT DOWN JACKETも活躍しますね。その場合はインナーは2枚で済みますし、それでもの足りなければその下にテックTなどを着るくらいの感じです。それでもインナーが3枚以上にはならないので動きやすさを損なわないんです。AK457はウエアのカッティングに気を使っているので、3枚重ねても動きやすい。もちろん重さも最小限です」
SPRING SEASON
春のレイアリングは軽めが鉄則
アウターは新登場のLW JACKETが大活躍
「春シーズンはとにかく中を軽くしますね。BASE LAYERにGUIDE JACKETか、LW JACKETという組み合わせです。少し寒さを感じるときはテックTにMICRO FLEECE JACEKETを着た上にアウターを着るようにしています。この時期はダウンは不要になります。どうしても朝と昼の気温差がありますから、それに対応できるようにします。特にLW JACKETは軽いので、動きやすく、スプリングシーズンにはとても活躍します。もちろんGORE-TEX®を使用しているので、雨や雪でも平気ですし、アウターシェルにレイアリングを調整することで、幅広いコンディションに適応できるのがAK457のメリットです。LW JACKETは見た目のライトさから、スプリングやアーリーシーズン向きだと思われがちですが、ハイシーズンでもレイヤリング次第で全然使えるんです」
AK457であれば、フルシーズンを必要最小限のレイヤリングで動きやすく、そして幅広いコンディションに対応していけます。長年進化を遂げてきて、完成度はかなり高い。だからこそ、的確に着こなせば、かなりのメリットが得られると思います。実はウエアもセッティングが大事です。寒い日には細かな機能を使いこなし、出来るだけ外気をウエア内部に入れないようにすれば、かなり暖かいはずなんです。AK457を使いこなせば、北海道でもレイヤリングは2〜3枚で十分ですよ。