今シーズン、スノーボードシーンに様々な新しいアイテムが登場してくる中でも、最も話題となっているアイテムが、BURTONが満を持して発表した革新的なシステム「STEP ON™」だ。その注目度の高さは、今年2月1日にこのSBN FREERUNサイトで、編集部が発信した試乗レポートのアクセスの伸びっぷりを見ても明らか。発表前から話題になっていた新システムが、いかがなものか?「ステップオン?」「ステップインじゃないんだ?」というその実体について、日本中の敏感なスノーボーダーたちは興味津々。これまでステップインに対しては「あんなの~」と抵抗感全開だったエキスパート・スノーボーダーたちも「BURTONのSTEP ON™どうなの?」と積極的に興味を示した。そんな話題のアイテムを丸1日使いまくる機会を得た我々が、その魅力を今一度、わかりやすくあなたにお伝えしたいと思う。
このシステムが「新しい」と言い切れる理由
「THIS IS SNOWBOARDING’S NEXT EVOLUTION~スノーボーディングを新たな時代へと導く進化」BURTONが先日公開を開始したWEBサイトでは、そう表現されているように、これまでのステップインというモノとは違う部分を数多く備えたシステムが、このSTEP ONであるということは間違いなく言える。
あなたが知っているステップインのイメージは、ブーツのソールに大きな金属プレートが内蔵され、重量がどうしても重くなってしまうようなモノで、装着は便利とわかっていても抵抗感を感じていた人もいたのではないだろうか? またステップインというシステム自体が、自由度を制限してしまい、フリースタイル感がなくなってしまうというイメージを抱いていた人もいるのではないだろうか?従来のステップインとBURTONのSTEP ONがどう違うか?がとても気になっているだろう。ステップインではなく、STEP ONとあえて別モノを強調するのは、そういった固定概念を持たず、この新しいシステムを見てほしいということも意味しているのだろう。実際に使ってみて、なるほど、これがSTEP ONなんだと感じる部分が多々あった。
ブーツは余計なものを削ぎ落としたシンプルなデザイン
ブーツ側に金属プレートのような大きなパーツ追加は一切ナシ
極めてシンプルでスマートなシルエット
まずはブーツが極めてシンプルである。大きな金属プレートを内蔵することもなく、STEP ONのロック機能に必要なトゥの両サイドに装備されたトゥクリートというちょっとした出っ張りと、かかと部分にコンパクトなヒールクリートと称されるパーツを配置。RULERでは従来型のステップインブーツにお決まりのように付いていたアンクルストラップもないという極めてシンプルな形状。PHOTONにはアンクルストラップが付くが、ここにBURTON独自のナチュラルファイバーレースを用いたBOA®システムを装備。だからこのアンクルストラップもとても軽く、ブーツ全体のシルエットも極めてスマートな感じ。ゴツゴツ感はなく、ブーツだけ見たら一見普通のブーツかと思えるほどのコンパクトでスマートなパーツ使いなのだ。
バイディングも極めて軽量でスマート
メインの固定はヒール部のバックル
ここさえハマれば外れる心配は一切ナシ
バインディングにはブーツを固定するヒールバックルを装備、かかとの外側にはリリースレバーが付くが、ここのパーツ類も非常にコンパクトにまとまっている。そしてトゥの両サイドにはブーツのトゥクリートをはめ込むトゥフックが付く。実際に3つのコネクションポイントでブーツと接続することになるが、このトゥフックはブーツの左右へのズレを抑えるための役割。メインの固定はヒール部のバックルで、ここが固定されれば外れることがないという安全さ。こんなにもシンプルなもので大丈夫なのかと思うほど、軽く、コンパクトにまとめられているのだ。
装着と脱着の速さはバツグン
一度はやってみたい、ジャンプからの一発STEP ON!!
装着はカカトのヒールクリートをバインディングのヒールバックルにロックして、左右のトゥクリートを踏み込みながらトゥフックにねじ込むように入れる。たったそれだけの動作。スケーティングしながらでも簡単に済んでしまう。もちろん座り込む必要などまったくなし。脱着はかかと外側のリリースレバーを引き上げるだけ。そしてブーツを外せば、リリースレバーは自動的にリセットされる。素早く装着、脱着このスピーディーさは、従来型のステップインを凌ぐ速さあることは間違いない。BURTONライダーのテリエ・ハーカンセンはデモ動画で、ジャンプからの一発 STEP ONの動作を披露していたが、そんなことも慣れればやれてしまうのだ。
違いはココにあり
足裏感覚でのボードコントロールと程よいフレックス性
これまでにない感覚にワクワクする
足裏に金属プレートを使わず、しかも3つのコネクション部分での固定は、通常のバインディングで固定されるバランスと同じで、実際のブーツの足裏感覚でのコントロールが可能になる。どこかを支点にしている感じではなく、ちゃんと足裏全体を使ってボードを踏み込んでいく感覚がしっかりある。さらには踏み込んでいくときのレスポンスも、かなりフレキシブルに調整できる。ここに一役買っているのがBOA®システム。前述したようにBURTONのBOA®はワイヤーではなく、ナチュラルファイバーレース製で適度なフレックスがある。それゆえに3つのコネクションポイントで固定されていてもシステム全体に適度なフレックスが与えられる。特にPHOTONのアンクルストラップは、一般的なステップインのようなバックルシステムで締め上げるのではなく、BOA®での巻き上げなので、固定していても適度なフレックスが得られる点が、STEP ONの乗り心地の良さを引き出してくれる。
もちろん、ストラップで締め付けることがないので、ブーツに圧迫感を感じることもなく、足元はストレスフリーで快適。それにより長時間のライディングでも疲れにくいというメリットもありそうだ。
おそらく今まで経験したステップイン型のシステムと比較すると、STEP ONは極めてフレキシブルな性能を備えたシステムで、ストラップ型のバインディングのフリースタイル感を継承しつつ、システムの調整によって自分好みを極めて簡単にみつけることができる。かなりそのあたりの自由度は大きく、よく考えられてるシステムだとつくづく思う。
不安解消の使いこなしのアレコレ
こういったシステムに不安を抱くのはパウダーの時、果たして雪がバインディングの上に乗ったままでは、STEP ON出来ないのではという問題だ。実際STEP ONはその部分も問題なく、数cmほどの雪や氷がバインディングに固着した状態でもブーツのヒールクリートをバインディングのヒールバックルにロックすることが可能。ストラップ型のバインディングではめられる範囲の状態なら、STEP ONでも同じようにクリアすることができる。
そして、何よりものロック不良で外れるという心配は一切ない。かかとのヒールクリートの固定さえすれば、トゥクリートがたとえはまっていなくても外れることはないということだ。トゥクリートはフックにはまるパチンと音がするので、その音でロックされたかどうかがすぐにわかるというのもいい。
また、 STEP ON™のバインディングのマウンティングシステムは、RE:FLEXを採用している。4×4、3D®、THE CHANNEL®といった全てのメジャーマウンティングシステムとの互換性があるので、みんなが持っているボードで即、STEP ONシステムの魅力を体験できる。
様々なアイテムが登場してくる中で、スノーボード業界人の中でも「使ってみたい」という人が数多く現れているのも事実、やはりSTEP ONの注目度は今シーズンNo.1だろう。来季に向けてもさらにこのプロジェクトは拡大していくという話もあり、とても楽しみだ。
ぜひ、あなたも一度STEP ONを試してみていただくことをお勧めしたい。
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