毎年ニセコでのスノーボードツアーを開催しているスノーバム。このツアーの主催者が、昨シーズン(23/24)、現地で感じたことやトピックスを紹介。
TEXT &PHOTO BY OBA SNOWBUM
ニセコとは、一般的にニセコアンヌプリ山をピークに花園、グランヒラフ、ニセコビレッジ、アンヌプリ、モイワとほぼ一周にわったってスキーリゾートが存在するエリアのことをいう。
昨シーズン(23/24)もツアーで1月中旬にニセコグランヒラフに訪れた。昨シーズンは暖冬で12月から1月初旬はどこも雪不足でニセコも例外ではなく、1月初旬までは雪が少なかったと聞いていた。
中旬にまとまった降雪があり、私たちがおとずれた時は例年並みまでもりかえし、温度もマイナス10度前後で雪は最高!本州の雪とは一味違うパックされない雪と快晴の羊蹄山が私たちを出迎えてくれた。
今回もGentemstickライダーの永田貴徳氏にアテンドをお願いしており、数日前から入った前乗り組はすでにDeepPowderを味わったようだ。私たちの到着日は新たな降雪がなかったが、羊蹄山を望みながらの絶景フリーランを堪能するこができ、永田氏の案内のおかげで残りパウダーを堪能することができた。
やはり日々の積雪構造を熟知しているローカルのガイドが欠かせなく、ニセコのトリップを有意義なものにしたいのであればガイドは必須である。
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ニセコは日本で最初にオフピステとの境界を設けたゲレンデであり、ニセコローカルルールという規則がある。各エリアのスキー場外にはゲートを設けて、安全管理をしながらゲートの開閉ががされ、ロープをくぐってスキー場外を滑ってはならないというルールがある。また、ゲートを通るにはヘルメットと、ビーコンの着用が最低限必要としているのだ。
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翌日もさほど降らない予報であったが、夜から降り始め、朝には30㎝ほどの降雪があり、思わぬニセコマジックに喜ぶ私たちツアー一行。
朝7:40にはエース第2リフト(センターフォーリフト) 乗り場に到着し、長蛇の列が予想していたが思いのほか30番手あたりには並ぶことができ、オープンを心待ちにする。
本日目指すはピークアタックだ。順調にリフトを乗り継ぎ、もちろんヘルメット、ビーコン等を装備した私たちはいざピークへハイクアップ。
この日は雲が抜けるか抜けないかという微妙なコンディションで、少し視界のいいタイミングを見計らってドロップ。私が籠っていた25年前に比べると、滑走者の数は多くなり、なかなかノートラックを滑るのは難しくなっているが、この日最高の雪でビックターンを刻むことができた。
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花園エリアへ下ると、数年前に建設されたパークハイヤットの前にルイヴィトンの高級感あふれるテントができており、世界的な高級ブランドもこの進化を止めないリゾートに注目しているのだなと驚かされてしまう。
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夕食時、日本人は食事付きの宿を選ぶことが多いため夜出歩くことが少ないが、インバウンドの欧米の方たちは、夕食を外で食べ飲み歩くとういのが圧倒的に多く、ヒラフの居酒屋やレストランは18:00頃にはもう列ができている。
夜が深くなっても飲み歩く人は多く、賑やかで昼間とは違った顔をみせるヒラフ。屋台村も充実していて、私たちも寒い中、屋台でビールを買って海外スタイルを楽しんだ。
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最後に何よりも驚いたのがエース第2センタフォーリフトが38年の歴史に幕をおろし、あたらしいゴンドラに架け替えられることだった。
悪天候でもなかなか運休にならず、距離にして1.7kmもあったこの高速クワッドリフトをもさもさ降っている日にスーパーコースを回すのに利用していた者としては少し寂しい気もするのだが、最新鋭の10人乗りのゴンドラに変更することによって、輸送力も1.5倍となるようだ。
この輸送力があれば200人待ちでも従来より回転し、近年ゴンドラに並ぶのが多いというネガティブ要素も解消されるのではないだろうか?
まだまだニセコの進化は止まらない。
いよいよシーズンもスタートする。
はたして今シーズンはどんなニセコになるのだろうか?
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協力:ニセコ東急 https://www.grand-hirafu.jp/winter/
ツアー実施:スノーバム http://www.snowbum.jp/