2019年1月初旬から約3週間に渡りアメリカのユタ州に渡米した壁田竜一、和田 然、棟方 慧、田中一年とカメラマン日渡亮の5人。目的は海外アメリカ・ユタでのストリート撮影。このTRIPを計画した張本人である壁田に、この濃密な3週間のシューティングストーリーを2回の連載で伝えてもらう。<前編こちら>では、撮影に必要なグッズを現地で揃え、Rail Gardenをはじめ様々なスポットで撮影を進めていった。はたして後半はどんなストーリーが彼らを待っているのか!?
Text: Ryuuichi Kabeta
Photo: Ryo Hiwatashi

悪夢の始まり

スポットも大体の目星を付けたので、ここからは撮影に一段と力が入る。レールがキンク&エルボーしている某有名スポットに着くと、アプローチやリップ等を作り滑る順番をジャンケンで決める。
大体どこのスポットに行ってもこんな感じで滑る順番を決めている。

この日はジャンケンで勝った田中一年(カズトシ)と棟方慧(ケイ)からとなった。

まだ周りの準備が整う前に試しに入ったカズトシが、まさかの1発クリーンメイク!だがこれがこの日の悪夢の始まりだった・・・。

カズトシのB/S board slide

撮影開始前に関わらずまさかの1発でメイクしたことにより、軽く気持ちが浮かれたカズトシは “以外といけるっすよ!” と豪語。だか数本後に最後のダウンレールに合わせられず捲られて地面に腰を強打してしまう。この日、雪が少々硬かった事もあり撃沈・・・。数日間まさかの歩行困難になってしまった。

ケイのF/S Lip slide

渡米して2,3日目から謎の体調不良に見舞われていたケイだが、滑るときは鎮痛剤を飲んでごまかしていた。そしてケイと言えば俺らの中で無敵キャラ。その理由はどんなに派手にやられても怪我をせず痛がることもないからだ。しかしそんなケイにも悲劇が・・・。

キンク部分で干されたケイ・・・この日は、洗濯物が乾きやすい良い天気だった(笑)
ケイ悶絶・・・左端を見てもらうと分かるようにレールが複雑な形をしている

このスポットでやられたカズトシとケイ、他のメンバーもここでのフッテージが欲しいという事になり、日をあらためてリベンジしに来る事になった。後半組だった俺と和田然(シカル)もこの日は軽く滑り大人しく終了。

こんな日もある。撮影、ストリート、スノーボードに怪我は付き物だから仕方ない

帰りにスーパーに寄ってカズトシは、杖をゲットした(笑)。

やられた直後の車内(笑) 。2人とも悶絶で動けなくなってた(笑)

それから数日間は、それぞれゆったりと過ごした。練習しにレールガーデンへ行ったり、天然温泉へ行ったり、ドライブへ行ったり、家でまったりしたり。その間、動けるメンバーだけで撮影をする場面もあった。

杖をGetしたカズトシ
ここのレールは楽しいし本当に練習になる

別の日

休日だったこともあり学校内にあるスポットを攻めようという事になり、ダブルダウンのポイントへ向かった。ここのポイントは雪が少なかった為、車からスコップなどの道具を下ろしてまず設営。しかしここでも事件が・・・。車の鍵をインロックしてしまう(笑)。

ボード等の滑る道具は、車の中・・・OMG

レンタカー会社に電話をして、インロックした事を伝えると1時間ほどで来てくれるとの事。その間もアプローチやランディングを作り待っていたが。。。全然こない。。。

インロックして暇なので遊ぶシカル
インロックして暇なので寝るケイ
スケートデッキみたいな折れ方(笑)

2時間ほど待っても来ない・・・。しびれを切らしもう一度電話すると、別の人が電話口で対応してくれ、まさかの遠隔操作でロック解除!「そんなことある?」ってか、最初からそれやってくれよ(笑)。まぁそんなハプニングもありながら撮影開始。

S/S B/S board slide by Shikaru Wade
F/S board slide by Ryuichi Kabeta

撮影序盤にインロックというハプニングもあったが、遅くまで撮影したおかげで綺麗な夕日と夜景を見ることができた。

S/S B/S Board slide by Shikaru Wade

この日は、以前行ったキンク&エルボレールへリベンジしに向かった。前日、街に少し雪が降ったようで綺麗な雪も復活。自分的には、この日が1番印象深い日でもある。前回来た時にやりたい技を思いつき、レールガーデンでその技を練習してトライしに行った日だからだ。今回のトリップで一番本気で滑った日になったこともあり印象に強く残ってる。それにこの日は、みんなも映像を残せたし帰りにIN-n-OUTも食べれたし最高だった!

Warm up by Ryuichi Kabeta(この写真のシークエンスはFREERUN 雑誌12月号のグラビアページで掲載)
折れながらもメイク出来て良かった!

Next dayは、これまた有名なレッジスポットへ。このスポットはケイとカズトシが滑り、俺とシカルは撮影班に徹した。

さすが雪国だけあるサイン
F/S Blant slide by Kazutoshi Tanaka

だが、、途中で警備員に怒られ移動~。その後はシカルが狙ってたスケートロックが付いてるレールへ向かった。

その時のスポット、様子は、動画でチェック!


別の日

この日は、湾曲しながら下ってるラウンドレールを当て込みに町から少し離れ1時間弱運転した所にある公園内スポットへ向かった。

Harf cab in 5-0 by Shikaru Wada
F/S Lip slide by Kei Munakata

ここでの撮影は公園内なだけあってゆったりと撮影が出来た。しかも公園内にはレールがいくつもあったので2日連続で行った。

アプローチチェックをするシカル
B/S board slide by Kei Munakata

撮影を終えて夜は、友達に誘われてガンシューティングへ。

TNTと言う施設に連れてってもらったんだけど、そこには、普通の射撃だけじゃなくクレー射撃やマシンガンも打てたりと、銃に全然詳しくないけどめちゃ面白かった!こういう遊びは特にアメリカっぽい。

そして遂にユタトリップも最終日。最後に向かったスポットは、学校のゆる~いダウンレールでゆる~いセッション。

ケイの十八番ボードスライド
カズトシは何気に苦戦したが、最後は完璧なF/S Boardslideをメイク
この日は最終日だったこともあり日が暮れるまで遊んだ。これにて撮影終了!
左からカズトシ・ケイ・カベ・シカル そして写真を撮ってくれた日渡 亮

今回のトリップは、思いつきから始まりメンバーを集め実現した。最初の入国からトラブルは続き(海外に行く時はESTAを忘れずにw)でどうなることかと思ったけど、終わってみればみんな大きな怪我も無く、無事に撮影を終え日本に帰国出来た。

今回のトリップを終えて日本と海外でのスノーボードに対する環境の違いをすごく感じた。スポットはもちろんそのエリアに色々あって当たり前だけど、それよりもローカルのキッズ達がゲレンデではなく普通にストリートで滑っていたりするのが凄く羨ましい環境だった。
それを町の人も理解があるのか、散歩をしているおじさんやおばさんもフレンドリーだし、ウォーキングしているお兄さんやお姉さんもピース!日本のように「決められた場所だけ!」っていう環境じゃないところに大きな違いを感じた。さすが自由の国アメリカ!。
まぁ怒られる時は、凄く怒られるけどね(笑)。

このトリップのムービーがこれ↓