今シーズン、新たなシンボル・リゾートセンターの完成や、世界最新鋭のコンビリフトの設置など、大規模なリニューアルで話題の絶えない石打丸山。パークシーズンを迎え、そんな石打の新たなパークがさらなる注目を集めている。今シーズンよりスノーパークもフルリニューアルし、ジブ・ジャンプ・バンクラインと全ての遊びが詰まったスノーパークへと進化を遂げたのだ。今回このハイブリットパークの撮影にキャスティングしたのはMIZOUの安永ブラザーズ(安永 楓&颯)。長年この石打のパークを滑り込み、独特のスタイルとクリエイティブなライディングを魅せるこの2人は、今回のパーク取材に適任だった。はたして2人はこのパークをどう遊び倒すのか?
Photo: kentaroufuchimoto
ハイブリットパークの全貌はいかに!?
メインパーク上部のレイアウトは、ダウンレールとフラットダウンBOXのジブセクションが最初に設置され、そのまま真っ直ぐ滑り降りれば9mのミディアムキッカーから12mのビッグキッカーへと気持ちよく繋ぐことができる。
またパークの右サイドには、6mのスモールキッカーが設置されている。大中小それぞれのキッカーの法面がキレイにシェイプされ、その法面のRを使ったバンクToバンクが4発連続いているのだ。まるで沢地形のようなキッカーの法面バンクを左右に当てこむと、その流れでフロントサイドの大きなカーブバンクが現れる。しかもこのバンクはエントリーがリップになっていて、ジャンプToバンクへの繋ぎも可能だ。さらに上部のテーブルは幅と長さがあるので、ここでバタートリックなども繰り出せる設計。
その流れのまま最後はバックサイドのビックカーブバンク的な受けになる巨大ボウルが待ち構えている。そのセクションへは、大中キッカーをシンプルに滑り終えても最後に入ることができるからライン計算も抜かりない。もちろんシンプルな流れで全セクションを縦に滑り降りることもできるし、ジブセクション→法面バンク、大中小ジャンプ→バンクなど、パーク内を左右に振りながら、自分のベストライン探すことが可能だ。
普段から想像力豊かな滑りを魅せる安永 楓&颯の2人にとって、このパークデザインは完全にマッチしていたことは言うまでもない。2人で息を合わせながら、クリエイティブな発想で自分のやりたいラインを選び、そこで繰り出すトリックをチョイスする。ジブ・ジャンプ・バンクと全ての遊び要素を凝縮させながら、まるでパークをフリーランでクルージングするかのように、このハイブリットパークで全てのヒットポイントを遊びながらフリースタイルスノーボーディングを満喫してくれた。
パーク下部にもまだまだ遊べるセクションが広がる
パーク上部をハイブリットかつ3Dに遊び尽くした後には、パーク下部に用意されているネクストステージを攻略しよう。ここから先はジブアイテムを中心に、ストレートレール&太いストレートレールの2ウェイからの右側に三角スパインBOX、左側にスモールヒップのセクションが連なる。最後はシンプルなダブルダウンとダウンレールのジブアイテムが並ぶ2ウェイの設置で締めくくる。
パーク上部で3Dに遊んだ後は、従来のシンプルなパークで流す。このフィニッシュへの流れも無駄がなく素晴らしいレイアウトだった。また上部のメインパーク脇には初心者パークゾーンもあり、ワイドBOX、ワイドレインボーBOX、ミニキッカーも設置されている。初心者の人は、まずはここでコソ練するのもオススメだ。
パークの聖地であるこのエリアを代表する石打丸山らしい最先端のデザインが広がるこのパーク。滑り手を飽きさせない考えられたレイアウトとパークコンセプトはスノーボーダーたちを十分満足させるクオリティで表現されている。まだまだ続く春のパークシーズン。ぜひこの石打丸山のハイブリットパークで、彼らのようにオールラウンドスノーボーディングを体現してもらいたい。
丸一日、リニューアルした石打丸山パークを遊び尽くした2人に、このパークの魅力を聞いた
安永 楓
「スピードを落とさずに左右のラインで全セクションを滑りきれるのがすごく面白いところでした。やっぱり僕たちは気持ちよく滑るためにパークに行ってるんで、そこが一番重要だと思うんです。そのあたりをこのパークはしっかり捉えてて、バンクのサイズや角度も考えて作られてるし、レイアウトも右左にバンクがあって、最後にボウルもあって、その後にベストなタイミングでジブがある。僕は最近ストリートの撮影が多いんですけど、最近はパイプとかも出来ないといいストリートのライディングができない気がしてて。ストリートのアイテムが進みすぎてて、レールだけでなくウォールとかもうまく使えるような、オールラウンドにライディングのスキルが求められてる気がしてるんです。ジブだけをやるんじゃなくて、このパークのように法面から横に飛んだり、リフトから上手い人の滑りを見て、『そのラインあるんだ!』みたいな発見をするのが大事だと思います。そういう意味でも、無限のラインを探してクリエイティブに遊べて、一番重要なスキルを磨くことができるパークだと思いました。また、新しいリフトになって、乗り換えなしでパークにアクセスできるようになったのもいいですね」
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安永 颯
「僕は流れをすごく大事にしてるんですけど。このパークは、トリックから次のアイテムまでの流れがすごく気持ち良く出来る印象です。しかも、その通常のラインを外せば、クリエイティブに飛んだり当てたりしながら遊べる。バンクにもリップが付いてて上がテーブル状になってるから、リップを使って飛ぶこともできるし、バターみたいにして遊ぶこともできる。アイディア次第で色々な遊び方ができるパークだと思いますね。このパークは特に、ジャンプの法面がバンクになってて、バンクが連続で続くのが最高でした。今までも石打のパークで遊んできましたけど、今シーズンはジャンプより下のセクションが大きく変化しています。最後のボウルは今までにないセクションで新しいですよね。ボウルが常設しているのはすごいことだと思いますよ。フリーランしててあったらいいなっていうセクションが揃ってるなって感じですよね。また、新しいリフトも広くて最高です。リフトの時間は休憩になるので、やっぱり快適なのはいいですよね。しかもリフトにフードが付いてるから雨の日でも濡れずに済みますし、ゴンドラも広いのでストレッチもできる。この1本でパークを流してフリーランして流せるって最高だと思います」
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