縁と雪に導かれて。ヨコノリ・ミュージシャン東田トモヒロ「雪旅 2025」失われた斜面を探す北海道行脚。<後編>

人と繋がり、斜面と出会い、また次の場所へと向かう。東田トモヒロの「雪旅」は、いつも自然の流れの中にある。

【前編】では、稚内・宗谷から興部、上川、そしてピップ〜手稲へと続く旅の前半を追ってきた。失われた斜面を再発掘し、仲間と分かち合うバックカントリー、そして基本に立ち返るカービングセッション。雪旅の核となる時間が、そこには詰まっていた。

【後編】では、その流れを受け、世界が注目するルスツリゾート、そして雪旅初上陸となった新十津川エリアへと舞台を移す。ローカルとリゾート、その両極を行き来しながら見えてきた“今の北海道”の姿、そして旅の終着点で語られる「雪旅」という営みの本質とは。

Edit: Gaisu
Photo: Abechan(THE DAY PHOTOGRAPHY)

ルスツリゾート内にあるパブ「CRICKET」でライブをおこなった

世界が注目する“今”の北海道。ルスツリゾートで感じたスノーアイランドの現在地

朝イチの手稲を満喫した一行が次に向かったのは、近年国際的にも話題を集めるルスツリゾート

「ルスツもTHE DAYを当てたね。晴れた日のグルーミングがいいって聞いてたけど、この日はガッツリ雪が降ってて、パウダーが最高だった」

最高のパウダーディに恵まれたルスツ
Gaisu
雪まみれになりながらだいぶルスツをやりきった模様

一日では滑り尽くせないほど広大なゲレンデ、海外からのゲストも多く訪れるライブ会場。その光景は、北海道の“表の顔”とも言えるものだった。

「ゲレンデもライブも、音楽でいうところのA面だよね。すごく盛り上がってて、日本が誇る北海道の国際的なリゾートをリアルに見れたのが良かった」

世界中から人が集まる理由を、身をもって体感した一日でもあった。

「素晴らしい雪と斜面があって、リゾートとしてもあれだけ完成度が高い。北海道って、本当に世界に誇れるスノーアイランドなんだなって思った。サーフシーンで言う、ハワイとかバリみたいな存在なのかなって」

同時に、東田くんの中には、こんな想いも芽生えていた。

「世界に誇れる場所だからこそ、日本らしさとか、ローカルの良さも残しながらこれからも育っていってほしいなって願うよね」。

手作りの店内では多国籍な食事が楽しめ、様々なミュージシャンも集まる「新十津川・フーテン食堂」のオーナー ユウゴくんとライブセッション

旅はその先へ。新十津川・かもい岳で出会った最後の秘境

一見すると、東田くんらしいゆるくメローな旅を想像してしまうが、雪旅は毎シーズン、実はかなりタフだ。約10日間という行程で、北海道という広大なフィールドを縦横無尽に移動し、連日のライブとスノーボードセッションをこなしていく。

そんな旅の終盤、次に向かったのは雪旅初上陸となる新十津川だった。

「正直、スノーボードであんまり聞かない地名だったから、事前にネットで検索したんだよね」

そこで見つけたのが、「かもい岳国際スキー場」だった。

事前のネット検索で発見した最後の秘境「かもい岳国際スキー場」

「“国際”って名前をうたってるから気になってサイトを覗いてみたら、西面が閉鎖されてて、お金を払うと有料パウダーゾーンを滑れて、車でデポ送迎してくれるシステムがあるって知ってさ」

しかも、その西面が数日ぶりにオープンするという、まさにジャストタイミング。

「これを拾えたのは、すげえデカかったね。しかもライブ会場に、そこのスタッフのローカルスノーボーダーも来てくれてて、彼らにゲレンデも案内してもらえた」

昨シーズンはリフトチケットとは別にパウダーチケットを購入すれば、この西エリアのパウダーゾーンを滑ることができた(25/26シーズンは要確認)
このノートラックパウダーを少人数で何度も回せるなんて奇跡としか言いようがない

ローカルのタクロウくんは、こう語っていたという。

「すげえ雪多いし、こんなにいいのに、なんでみんな気づいてないんだろうって」

かもい岳ローカル、タクロウくんのパウダーショット
最高のコンディションにメンバーもご満悦
西エリアを滑り降りると送迎の車が迎えにきてくれるシステム。2025-26シーズンより「かもい岳国際スキー場」の運営チームが新しくなったようだ。ライダーの秋山耀亮らが運営に携わり、日本初のフリースタイルマウンテンへと進化するのだという。スキー場の詳細はオフィシャルinstagramでチェック!

東田くんも、その言葉に強く共感した。

「あそこは最後の秘境だね。北海道の滑り手でも、まだあまり知られてないスキー場を、この雪旅で滑れたっていうのは、すごく価値があると思う。リゾートとローカル、両方楽しむことで、北海道の楽しみ方は倍になると思うんだよね」

その想いを胸に、小樽の「Bar BONZ」で行われたツアーファイナルのライブは、最高の盛り上がりを見せた。

「全部含めて、『北海道ありがとう!』って気持ちだったね。やっぱ最後に、あそこに仲間たちが集まってくれたのが最高の締めくくりだった」

ツアーファイナルのBar BONZでは三ツ谷さんによるスノーボードの上映会も行われ、盛り上がりも最高潮に
こうして雪旅2025は最高の空間に集まった仲間とともに締めくくられた


終わりなき旅は、次の冬へ。

東田くんとAbechanが続けてきた雪旅。旅を重ねるなかで、北海道というフィールドは少しずつ、確実に変化してきている。

「雪旅も、今の北海道をどう楽しむかってところに来てて。視野も広がるし、出会う人たちの幅もどんどん広がっていくんだよね」

そのなかで強く感じるのは、“人との縁” の力だという。

「旅をしながら、『来年もライブやろう』とか、『来年はここでも一緒にやろう』って言ってくれる人たちがいて。そういう繋がりが、雪旅をどんどん育ててくれてる感じがする」

雪旅は終わらない。

「終わりなき旅なんすよ、結局は」

そして、東田トモヒロが語る雪旅の本質は、極めてシンプルだ。

「雪旅はやっぱ『縁と雪』。いろんな奇跡が重なって人と斜面との出会いが起きる。それが『あれ奇跡だったね』じゃなくて、『全部奇跡じゃん!』って思える旅。それがほんとの旅なんだと思う」。

そんな想いを引き継ぎ、今シーズンの「雪旅 2026」も、すでに動き出している。

そして、先日遂に今シーズンのスケジュールが決定した。ここからは、オーガナイザーであるAbechanからのメッセージとともに、今年の雪旅がどんな旅になるのかの予想をお伝えしたい。タイミングが合う人は、ぜひ各地でライブとスノーボードセッションを体感してほしい。

「今年は三ツ谷さんが一緒に旅に同行してくれるっていうのが、いつもの雪旅とのいちばん大きな違いですね。ニセコから合流予定なんですけど、僕の中では、この雪旅って三ツ谷さんから引き継いだものだと思っていて。彼が旅の序盤から最後まで一緒に同行してくれるのは、実は今回が初めてなんです。
だから今回は、(東田)トモヒロくんと2人の姿を、僕は少し引いたところから見ながら、ひとつの物語を追いかけられたらいいなって思っていて。久しぶりに“2人の旅”が見られる、そんな感覚ですね。

僕の中でも、今回の雪旅は“原点に帰る旅”になると思っています。ここ数年はローカルゲレンデを意識してきましたけど、今回は三ツ谷さんの“嗅覚”で動いていく旅になるはず。2人の繋がりや縁、ヨコノリの感覚を大事にしながら、ポイントごとにバックカントリーも入れつつ、最近こだわっているカービングも含めて、全部ミックスした旅になると思います。

行き先を決め打ちするというより、自然、そして動きや流れを大切にしながら進んでいく、すごく雪旅らしい旅になりそうな予感がしています。ぜひ現地でお会いしましょう!」by Abechan

2026 雪旅 スケジュール

2月21日 紋別
和風スナック ほるすたいん
open18:00 start19:00
前売り2500 当日3000
チケット問合せ:Instagram
@holstein625
@takuya_kakehashi

2月22日 ニセコ
“雪旅” 東田トモヒロ with pandemic snow 328
shabu-shabu SHO
open start 22:00
前売り2000 当日3000
チケット問合せ:Instagram
@shabushabusho

2月23日 当麻
ココペリ
open18:00 start19:00
前売り2500 当日3000
1 drink order
チケット問合せ: ココペリ TEL0166-84-5938

2月24日 中富良野
北星庵
open18:00 start19:00
door ¥1500
チケット問合せ: 北星庵080-1888-5025

2月25日 十勝
“TAC” とかちアドベンチャークラブ
open18:00 start19:00
前売り2500 当日3000
チケット問合せ:Instagram
@tac_hokkaido

2月27日 興部
CLC
open18:00 start19:00
前売り2500 当日3000
チケット問合せ:Instagram
@city_lights_coop_okp

2月28日 稚内
the catswhiskers
open18:00 start19:00
前売り2500 当日3000
チケット問合せ: Instagram
@soya.films