滞在型リゾートとして名高い、星野リゾート トマム(以下トマム)。
ここ最近は夏場の雲海テラスなどで有名になり、ラグジュアリーなイメージが先行しているが、実はオリンピック選手も滞在してトレーニングしていたパークもある、本格的なスノーリゾートでもある。
そこで、今回はプロライダーの佐賀優輝(ユウキ)と大高理葉(リハ)の2人に、ラグジュアリーに楽しんでもらうのはもちろん、スノーボーダー的目線でトマムを体験してもらった。
2人の旅の様子を見「いいなぁ」と思ったら、今シーズンはあなたもぜひトマムへ。
本州からなら飛行機と電車でアクセスがベスト
まず、トマムの場所的な説明をすると、北海道地図のど真ん中から少し下あたりにある占冠村に位置します。
この地域は「北海道パウダーベルト」と称されるエリアにあたり、冬場の気温が低く、サラサラのパウダースノーが特徴。アクセスは、新千歳空港からとても便利な電車が走っていて、札幌からも高速道路に乗ってしまえば、一般道をほとんど走ることなく、1時間半くらいでトマムに到着。本州からのアクセスならレンタカーを借りるよりも、空港から電車で楽にアクセスするのがおすすめ。
トマムは衣食住に関するものはなんでもあるし、広大な敷地も便利なシャトルバスが走っているので、自分の車がなくても心配なし。雪に慣れていない人は電車で訪れる方がベター。
ヨコにもタテにも長いゲレンデ
まずは雲海ゴンドラに乗って山頂まで。
そこから稜線沿い右にドラゴンリッジ、左にシルバーベルというコースがある。シルバーベルからはノーグラビティ、ノーススター、シルキーウェイと斜面をタテに落としていけるコースへと繋がる。ノーグラビティ、ノーススターは非圧雪のコース。シルキーウェイ”はきれいにピステンがかけられたコース。好きなところからドロップして、ベースのあるリゾートセンターまでの長距離をランできる。フード付きの高速クワッドリフト・パウダーエキスプレスを使って山頂付近の雪の良いところだけを徹底的に滑り倒すのも面白い。
一方、2人はゴンドラ降りて右側のドラゴンリッジへ。このコースからも非圧雪のグローリー、ショートストーリー、アスペンバーンへと滑り込める。そこでアスペンバーンを選んでドロップ。前夜に若干の降雪があったのでパウダーが残っていた。気持ちよくサラサラのスプレーを上げながらトマムのパウダーの魅力を体感。
1本を滑りきるとさすがの2人でもヘトヘトになるけれど、ゴンドラが良い休憩になる。次はピステンバーンを選んでドロップ。カービングターンを楽しみながら、横に残ったパウダーも滑る。雪の良い時間帯はフリーランを楽しみたい。広大なエリアは、午前中いっぱいパウダーを楽しむことができる。
滑ってアクセス。昼食は“ホタルストリート”で
午前中、たっぷり滑っ倒せばお腹もいい感じにペコペコ。ボードを履いたまま、滑ってアクセスできるレストランやショップが建ち並ぶ“ホタルストリート”で昼食。きれいな街並みは、リゾート感満載。たくさんのお店が建ち並び、どのお店も美味しそう。
ここは、普通のゲレ食とはまったく違う。さすがトマムならではのラインナップ。ラーメン、スープカレー、海鮮、お肉、デザートなどの専門店、しかも東京や札幌の有名店が軒を並べていている。本店だと行列ができるようなお店で、簡単に昼食が食べられちゃうというのは本当に嬉しい。そしてそんなお店にもちろんウエアのまま、ブーツを履いたまま入店可能。
この日はcafe&bar「つきの」で昼食。「海鮮こぼれフェス」の開催中で、2人の様子もご覧のように絶好調!
リゾートとは思えない本格的パーク
トマムのパークはとても本格的で、整備も行き届いている。冒頭に紹介したように、数年前までハーフパイプのナショナルチーム・メンバーもトマムに滞在してトレーニングしていた。もちろんその中の数名はオリンピックに出場している。つまりは実力あるディガーチームがトマムのパークをしっかりと管理しているということ。
さあ、午後は腹ごなしも兼ねてスロープスタイルへ向かった。
初級者から上級者まで楽しめるキッカーやクォーター、レイル、ボックスなどが設置されている。ライダーの2人でも十分楽しめる規模だ。パークが混むようなことはあまりないようなので、自分のペースで、自分のレベルに合わせた楽しみ方ができる。首都圏から車のアクセス圏内のパークでは考えられないほど、ゆっくり、じっくり、パークを自分のペースで楽しめる。スキルアップを目指す人にもバッチリの環境が整っているのだ。
内容的にしっかりしたパークなので、十勝圏のライダーたちもトマムのパークに集まる。そのためレベルの高いローカルの滑りも見ることができる。
さて、パークを楽しんでからベースにあるリゾートセンターにつくと、3月の天気の良い日だけ出没する“絶景シャンパンバー”もオープンしていて、オトナな2人はシャンパンで乾杯。
シャンパンも飲んで気分良くなったあとは、リゾートセンターで見つけたスノーカートをレンタルしてゴンドラの上から下まで滑ったり。軽くゲレンデをボードで流してこの日のライディングは終了。
さてさてこれからは、滑り終わってからもさらにやりたいこと満載のトマムの夜の始まり。
部屋にジャグジーがある!全室スィート仕様の“リゾナーレトマム”
トマムにはカジュアル、アクティブに楽しみたい人にオススメの宿泊施設“ザ・タワー”という高層タワーホテルと、ラグジュアリー、そして贅沢に楽しみたいという人向けの全室スィートルーム仕様の“リゾナーレトマム”がある。
取材時は3月。シーズンを頑張った2人にご褒美の意味も込めて“リゾナーレトマム”に宿泊してもらった。
北海道の食を満喫できるビュッフェ・ディナー
さあ、たっぷり滑ったので、たっぷり食べましょう!
夕食は“ビュッフェダイニングhaL-ハル-”へ。コンセプトが「カニxサーモン」ということなので海鮮を中心にバラエティ豊かな夕食が楽しめる。
アイスヴィレッジで幻想的な夜を満喫
トマムのある占冠村は北海道でも特に寒いといわれる地域。冬はずっと冷凍庫の中にいるような感じ。だからこそできる氷の街「アイスヴィレッジ」。
「氷のホテル」「氷のBar」「氷の教会」。実際に泊まれるし、飲めるし、結婚式も挙げられる。そしてその幻想的な雰囲気と景観はここでしか味わえない。トマムだけのスペシャルな時間を満喫。
トマム滞在1日目はたっぷり滑って、食べて、遊んでクタクタになった2人。部屋に戻ったらゆっくりジェットバスに入って翌日に備えて、心地よい夢の中へ。
朝は優雅にフレンチトーストを
トマム宿泊の基本的なプランは朝食付き。レストランも選べて、好きな場所で朝食をとることができる。もし、リゾナーレに宿泊したのなら最上階にある“プラチナム”がベストチョイス。
眺めがよく、ゲレンデが一望できるから。この後どこで滑るか相談しながら食事をとることができる。
ただし人気の場所なので早めに行くのがおすすめ。2人も開店前から到着して、スタンバイ。そして、必ず食べてほしいのが「たっぷりクリームのフレンチトースト」!
ふっくらしてて、絶妙な甘さでいくらでもいけちゃう。滑る前なのであまり食べ過ぎは禁物だけど、無理ですね〜。美味し過ぎて、食べ過ぎちゃう。
早起きしてゆっくり朝食をとっていたら、今回トマムを案内してくれた広報部の方から電話が!
冬には珍しい雲海が出てるから大至急準備してゴンドラまできてください!とのこと。
フレンチトースト2個しか食べてないけど、雲海がなくなったら困るので大至急準備してリゾートセンターのゴンドラ乗り場へ….
雲海まで楽しめて、やっぱりはずさなかった星野リゾート トマム滞在
夏には結構な割合で発生するトマムの雲海ですが、冬に見れるのは珍しいというお話。
山頂にある“雲海テラス”に到着した頃には雲が少なくなり始めていたけど、まだまだきれいな雲海を見ることができた。トマムで雲海が見れたら、ミッションコンプリートしたような気分。トマムのすべてを満喫したような気分に。
しばらくしたら雲海もなくなり、快晴の天気になったトマム。終了時間まで滑り倒そう。
早朝だったので、まだ誰も滑ってない、超キレイなピステンバーンを何本か流して今回の滞在は終了。
滞在型の本格的スノーリゾート、星野リゾート トマム。
リゾートという言葉を聞くと緩めのゲレンデを想像しがちの人もいるかもしれないが、トマムはパウダーを楽しむ人も、パークを楽しむ人も、上級者も初心者も楽しめるスノーリゾート。
今回は紹介できなかったけれど、子供連れでも楽しめる施設もあるし、パウダージャンキーには狩振岳というトマム近郊の自然の山でキャットツアーも行われている。
アフタースノーも充実の施設でしっかり楽しむことができる。さすがは北海道有数のリゾートだ!と納得する内容だ。
普段はゴリゴリに滑り倒している2人だけれど、リゾートを満喫して、少し太って帰っていったかな?
ちなみに、トマムの人気は上昇中!シーズン通して早めの時期から予約でこんなに大きなホテルが満室になるようだ。
今シーズンは早めに予約して、絶対に外さないトマムを満喫してほしい。
トマムを体験した2人の感想は?
∴‥∵佐賀優輝∵‥∴
トマムの雰囲気
実は私が10代の頃からトマムとは縁があり、よく行く機会がありました。その頃から静かな街にひっそりと存在する秘密の場所のような印象で、訪れるたびにいつもワクワク感でいっぱいになります。滑ってすぐホテルに帰れるし、敷地内にはレストラン街、アイスヴィレッジやプールもあるし、スノーボードしない家族が一緒に旅行しても楽しいですよね!
ライダーとしての視点で
コースの中に緩急があり、コースもたくさんあって飽きないです。急斜面は結構斜度がきつめなので滑りごたえがあって好きですね。
パークの魅力
北海道エリアでは珍しい(私の知ってる限りではトマムだけ)お昼整備で圧雪車入るんですよね。パークを滑るためのリフトも早いし、ジャンプのサイズも私たちライダーが楽しい大きめサイズ〜パークビギナーでも挑戦しやすいサイズ。ジブアイテムも豊富で、カタチも様々なので、色々なライン選べて飽きないし、どこを取っても文句なしのパークです!
施設の魅力とお気に入り
宿泊したお部屋に入ったとき、声を失うほどの綺麗な眺め、ジェットバスがとくに印象に残っています。ビュッフェはどれ食べても美味しいし目の前で焼いてくれるお肉に何回も並ぶ。海鮮こぼれフェスのこぼれ具合、思い出したらお腹すいてきちゃいました(笑) アイスヴィレッジは特に氷のBar、カップルでデート…したいですね。
私が感じたトマムのいちばん!
結構細かくチェックしましたが、どの時間を取っても残念に感じたところがないんですよね。でもやっぱり一番のポイントはスノーボーダーやスキーヤーが楽しいことはもちろんですが、あまりウィンタースポーツをしない家族がいても、家族全員が楽しめるアクティビティが沢山あるところかなぁ。
∴‥∵大高理葉∵‥∴
トマムの雰囲気
昔から何度も訪れているトマムですが、気温が低い分降る雪は軽く降り積もった雪はまさにパウダースノーそのものです。リフトやゴンドラからの景色だけでウキウキさせてくれます!
ライダーとしての視点で
申告制の上級者限定解放エリアはもちろんゲレンデ内のコースでも沢山遊べる地形があって滑りながらもいろんな発想をさせてくれます。ゲレンデは広く、綺麗で開放的なコースも多いので気持ちよくフリーランやカービングもできます!
パークの魅力
パークへ行くまでにフリーランも出来てアイテムに入る前のイメージトレーニングができます。アイテムやキッカーも初心者から上級者向けの様々なサイズがありますが、レーンがしっかりわかれているので安心してアイテムに入ることができます。リフトからパークが見えるのもgoodです!
施設の魅力とお気に入り
滑り終わったあとの楽しみがあるのはトマムならではだと思います!アイスヴィレッジ、屋内プールがあるミナミナビーチ、食事はどこも美味しくて、ブュッフェスタイルでは目の前で調理し出来たての物を頂けます!海鮮こぼれフェスは他へ行かなくてもトマムにいるだけで北海道の食を満喫できると思います!
私が感じたトマムのいちばん!
スキー、スノーボードはもちろん食事の面でもトマムにいるだけで北海道の良さを実感できる!
もしスキーやスノーボードが出来ないような家族・友人がいたとしても違う形で雪遊びもできるのでみんなで楽しむことができるなと思いました!
TEXT&PHOTO: HARADA