スノーボードの足回りは、いま“革新の時代”に入っている。
Burtonの磨き上げてきたSTEP ON®と ストラップバインディングという足回りギアは、ここ数年で大きな進化を遂げ、この2つは、単純な人とボードを繋ぐインターフェイスシステムの領域を超えて、滑りの感覚そのものを変える“選択肢”として進化している。
リフトを降りた瞬間にノンストレスで滑り出せる軽快さ。面で踏んだ瞬間にボードが素直に返ってくる一体感。あるいは、ジャンプで微妙な角度を合わせるときの精密さ。バックカントリーで必要な信頼感。どんな滑りを求めるかで、足回りに求める性能はまったく変わってくる。
そして今回、その“リアル”を語ってくれるのは、Burtonの3人のトップライダー―― 高橋龍正、降旗由紀、片山來夢。
バックカントリー、カービング、フリースタイル、競技……まったく異なるフィールドで戦う彼らだからこそ、STEP ON®とストラップの本質を、自分の言葉で語ることができる。
「軽さこそ重要」というライダー。「ターンの気持ちよさはSTEP ON®が抜群」と語るライダー。「反応の速さと安心感でストラップが最強」と言い切るライダー。
三者三様の“リアルな声”から見えてくるのは、どちらが正しいかではなく、自分の滑りに“何がフィットするか”という新しい基準だ。
STEP ON®か、ストラップか。その答えは、あなたがどんな滑りを求めているかで決まる。この企画を通して、あなたのライディングをアップデートする“ベストな足回り”を見つけてほしい。
>>>ライダーたちの証言。
パウダーでも不安ゼロ!
自分にはメリットしかないSTEP ON 。|高橋龍正

競技の世界でトップレベルにいるライダーたちが、いまだにストラップタイプを好んで使うのは、ブーツを上から隙間なく抑え込んでくれる安心感が大きく、ガッチリ締めればレスポンスも速いからだと思います。でも自分は、バックカントリーをメインフィールドにパウダー中心のマウンテンフリースタイルをやっていますが、STEP ON®のレスポンスに不満を感じたことはほとんどなく、むしろ快適に感じる場面のほうが多いんです。
その理由は、STEP ON®のほうが“行動力が上がる”からなんです。ストラップがないぶん、リフトに乗ったときも足が軽いし、ボードを手持ちや背負ってハイクするときも負担が少ないんです。それに、滑っているときも、足下の軽さが軽快な動きに繋がっているとも感じています。自分はギアに関して“軽さは正義”だと思っているので、STEP ON®は本当にメリットだらけなんです。
数シーズン前にSTEP ON®のESTが登場してからは、ブーツとバインディングが一体化するような感覚がより強くなり、ボード本来のフレックスや雪面状況を足裏で以前より感じやすくなりました。その結果、ボードの操作性も確実にアップしたと思っています。自分が愛用しているGENESISのSTEP ON®バインディングは、ハイバックが足に寄り添ってくれている感がすごくいいですし、今季からブーツが大幅に進化したこともあって、足回りの一体感はさらに高まったように思います。
着脱に関しては、パウダーでも特に問題はありませんが、やっぱり多少の慣れは必要です。フカフカすぎるときは足場を固めたり、フットベッドに溜まった雪はきちんと掻き出したり……。でも、この点はストラップタイプでも同じですよね。
僕は、STEP ON®が登場してからずっと使い続けていますが、自分にとっては本当にメリットしかありません。
【使用モデル】
(Binding)STEP ON®︎ GENESIS EST (Boots)HIGHSHOT X PRO STEP ON®︎

フリースタイルな動きはストラップ。
ターンの気持ちよさはSTEP ON!|降旗由紀

今ではSTEP ON®を使うほうが圧倒的に多いですが、ストラップタイプを使うのは、ハーフパイプやキッカーなどで飛んだり、ボードの素早い引き上げが必要な細かな動きをしたり……そういったフリースタイルな動作をシビアに行いたいときです。ストラップで上からしっかりホールドすることで、ブーツとの一体感も高まり、反応も速いですからね。バックカントリーでジャンプの撮影をしたり、リスキーなスポットに行く場合も安心感のあるストラップタイプを使います。
ただ、ゲレンデのように安全が確保されている場所なら、私は断然STEP ON®のほうが調子いいと思っています。着脱がラクなのはもちろん、とにかくターンが気持ちいいんです。面でボードを踏んでターンする感覚は、まるでサーフィンでターンしてるかのような……足裏でいろいろ感じながら滑れて本当に心地いいんですよ。STEP ON®を使用し始めた頃は、トウ側への反応はクイックだけど、ヒール側への反応が少し遅いように感じていました。でも、それも慣れてしまった今では何も気になりません。強いて挙げるなら、カカトがガチっと留まっているから、レイバックなどの動きでは、ハイバックが少し硬く感じるくらいですかね。
バンクドスラロームやカービングの大会に出るくらいシビアな動きが必要な人、大きなキッカーやパイプでフリースタイルな動きをガンガンしたい人にはストラップタイプがオススメですが、純粋にゲレンデクルージングを楽しみたい人、気持ちいいターンがしたい人には、自信をもってSTEP ON®︎をオススメしたいです。
【使用モデル】
(Binding)STEP ON®︎ ESCAPADE RE:FLEX, ESCAPADE RE:FLEX(Boots)WAVERANGE X STEP ON®︎,RITUAL BOA
反応も速くて安心感もあるから、
慣れ親しんできたストラップを愛用。|片山來夢

まだ数えるくらいですが、カムイみさかや海外ゲレンデでSTEP ON®を使ったことがあります。やっぱり着脱はめちゃくちゃラクでしたね。ただ、ボードを引き上げる動作などでは、少し反応が遅いかなって感じました。STEP ON®のほうがカカトでもガチッと留まっているから足回り全体は少し硬いような気もするけど、それでもレスポンスはやっぱりストラップのほうが速いと思います。グラブしてポークする動きとかは、どちらも同じような感覚なんですけどね。
今、自分が使っているバインディングは、アンクルストラップが網目状でフィッティングがめちゃくちゃいいんですよ。そのストラップがブーツをしっかり固定してくれるおかげで、ブーツとバインディングが一体化したような感覚があるし、そこまで硬すぎないのに反応はすごくいい。あと、ESTなので雪面やボードのフレックスを足裏ですごく感じられる点も気に入ってます。バックカントリーでもスティープな斜面で装着するときも安心だし、タイトなツリーランも瞬時に動ける。最近はラインの中でトリックを織り交ぜることが多いから、やっぱりストラップのほうが自分には合っていると思うんですよね。
実は、最近(高橋)リュウセイとSTEP ON®の話をしたことがあるんですよ。バックカントリーで一緒に撮影することも多いし、リュウセイの滑りを見ていると調子よさそうで気になったから、「STEP ON®って、どこか悪いと思うところはないの?」って聞いたんですよ。そうしたら「基本的には何もないよ」って。Burtonが改良を重ねているのも知ってるので、以前に試したときより良くなってるだろうし、STEP ON®に慣れたら何も気にならないかもしれない。ただ、自分の場合は、どうしても激しいライディングをするときに少し不安というか……。滑っているときにギアのことが頭のどこかにあるのが嫌なんですよね。だから今も、慣れ親しんできたストラップタイプを愛用しているんです。
【使用モデル】
(Binding)CARTEL X EST(Boots)ION BOA

“正解”はひとつではない。
滑り方が答えを決める。
STEP ON®とストラップバインディングは、もはや単なる着脱方式の違いではなく、滑りの質そのものを変える“選択肢”として成熟してきた。軽快な取り回しとターンフィールを求める者にはSTEP ON®が、精密なボードコントロールや高負荷の動作を要求されるシーンにはストラップが、それぞれ最適解となり得る。
バックカントリーをメインとする高橋龍正は、行動力を高める軽さと一体感を理由にSTEP ON®を支持。一方、降旗由紀は、フリースタイルの細かな動きではストラップを選びつつ、ゲレンデクルージングやターンの気持ちよさではSTEP ON®に軍配が上がると語る。競技とフリーライド双方に精通する片山來夢は、反応速度と安心感を重視し、長年使い込んできたストラップを信頼している。
三者三様の“リアルな声”が示すのは、どちらが優れているかではなく、あなたがどのフィールドで、どのように滑りたいのかによって最適解は変わるという事実だ。
足回りの選択は、ライディングを確実にアップデートする。自分の滑りに最もフィットするシステムを選ぶことこそ、新しい時代のギア選びの基準となる。
>>ライダー使用モデル紹介
<高橋龍正・使用モデル>
STEP ON®︎ GENESIS EST
ジェネシス由来の高いパワー伝達性と快適性に、STEP ON®の直感的な着脱性を統合した性能重視のバインディングである。EST®ベースプレートが内外方向への自然なフレックスと正確な足裏感覚を生み、優れた衝撃吸収性により長時間の滑走でも疲労が少なく、オーリーの反発も引き出しやすい。高度な調整性を備えるバインディング。
SIZE: S〜XL
PRICE: ¥66,000
HIGHSHOT X PRO STEP ON®︎
Burton BOA® Triple Dial PerformFit™ Wrapによる3ゾーン独立調整と、STEP ON®の素早い着脱性を統合した高性能ブーツである。強いフレックスに対し、上部・内側下部・足首を精密に締め分けることで、反応性とホールド力を最適化する構造が特長である。軽量かつ耐久性の高いアウトソールは、優れたレスポンスと確実なトラクションを提供し、パワーライディングに必要な安定性を発揮する。
SIZE: 25〜33cm
PRICE: ¥105,600
<降旗由紀・使用モデル>
STEP ON®︎ ESCAPADE RE:FLEX
ESCAPADEの高い操作性と多用途性に、STEP ON®のシンプルな着脱性を融合したウィメンズ向け高性能バインディングである。RE:FLEX構造がボードのフレックスを素直に引き出し、軽快でレスポンスの良いライディングフィールを実現する。装着時の快適性と足裏感覚のバランスに優れ、スタンス角度の調整も容易。プレイフルかつ確かなコントロール性を求めるライダーに最適。
SIZE: S〜L
PRICE: ¥66,000
WAVERANGE X STEP ON®︎
遊びのあるしなやかなフレックスに、Dual-Zone BOA®による上下独立の微調整性と STEP ON®の即応性を備えたオールラウンドブーツ。アッパーとローワーを個別に締め分けることで、滑走スタイルに合わせた精密なフィット調整が可能であり、新品時から自然に足へ馴染む柔軟な履き心地を実現する。軽快でスムーズな動きを引き出す設計により、山全体を自由に楽しめる。
SIZE: 22〜27cm
PRICE: ¥71,500
ESCAPADE RE:FLEX
遊びのあるしなやかなフレックスと快適なクッション性を高次元で両立した、ユニバーサル対応のオールラウンドモデルである。軽量かつ強度に優れる構造が多様な地形に順応し、安定した操作性を提供する。LEXAよりもわずかに柔らかい設定により、自由度とコントロール性のバランスがさらに向上。快適性、反応性、対応力と優れたバランスを備えた高性能バインディング。
SIZE: S〜L
PRICE: ¥66,000
RITUAL BOA
足を包み込む快適性とミディアムフレックスを備え、Dual-Zone BOA®により上部と下部を個別に調整できる汎用性の高いブーツ。軽量な構造と高いクッション性が一日中の滑走を支え、多様な地形で安定した操作性を発揮する。最も保温性に優れたライナーを採用し、寒冷条件下でも快適性を維持。グルーミングからパーク、自然地形まで幅広いシーンに対応する万能モデル
SIZE: 22〜28cm
PRICE: ¥60,500
<片山來夢・使用モデル>
CARTEL X EST
軽量化と高いレスポンス性能を両立し、EST®構造を採用する万能バインディング。足元のしなりを素直に引き出す設計がボードフィールを高め、フリースタイル向けのゼロフォワードリーンにも対応。プロ仕様の剛性と操作性を備え、長時間の滑走でも精度と持続力を維持する。多様な地形を攻めるライダーに適した高性能モデルである。
SIZE: S〜L
PRICE: ¥52,800
ION BOA
しっかりとしたファームフレックスと、上下を独立して微調整できるDual-Zone BOA®を備えた高レスポンスブーツ。新品時から足に馴染む精度の高いフィットと強力なテンション調整により、攻めるライダーの高速域での安定性と操作性を引き出す。保温性とドライ性能に優れた構造が快適性を維持し、着地の衝撃吸収と正確なコントロールをサポートする万能性が魅力。
SIZE: 25〜31cm
PRICE: ¥91,300
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