プロの目で見たStep On®「降旗由紀+藤森由香」
降旗由紀
プロスノーボーダー。Step On®は昨シーズンから使い始め、今ではメインのギアとして愛用中。volcomストア仙台オーナー Instagram:yukifurihata
藤森由香
プロスノーボーダー。トリノ、バンクーバー、ソチ、平昌と4度のオリンピック出場経験を持つ。Step On®は今季から。 Instagram:yukafujiforest
(Step On®特集_01より続く)
この試乗会にはBurtonの藤森由香と降旗由紀も参加。長年コンペティターとしてシビアなボードコントロールを経験してきた彼女たちは、Step On®をどう捉えているのか。その率直な意見を聞いてみると、Step On®がターゲットにしているユーザー層が見えてきた。ムラサキスタッフたちが感じたStep On®のメリットは、プロライダーたちにも同じように捉えられているようだ。
藤森:正直、Step On®ってもっと重くて硬くて、違和感あるもんだと思ってた。全然ないね〜
降旗:ないよね(笑) まったくない。なさすぎて驚く(笑)
藤森:そもそも自分が普段使ってる足元(ブーツはSupreme、バインディングはEscapade)とは履き心地はぜんぜん違う。そういう意味では別物だけど、Step On®だからどう、っていうのはほとんどなかった。
降旗:細かく言うとね、今までのバインディングとは違うなっていうところはあるけどね。
藤森:気になったのはつま先の感覚。トゥは割と踏み込んじゃうからあんまり関係ないけど、ヒール側のターンの時にちょっと反応の仕方が違うなって。今までのだとつま先のストラップを持ち上げて微妙にコントロールするんだけど、それがないのが一番の違いかな。
降旗:うん、それはあると思う。
藤森:あとは脱ぎ履きで、ちょっと戸惑ったかな。
降旗:でも、慣れでしょ?
藤森:慣れ。完全に慣れだよね。ハイバックのところの金属に、ブーツのかかとを合わせてやればいいんだって分かって。そしたらあとは全部勝手にハマってくれる。
降旗:そうなんだよね。私は先シーズンから履いてるし、なんなら初日で慣れちゃったから気にならないけど。履くのも脱ぐのもホントに簡単。今までのバインディングで、座って着けて、また立って、みたいなことをやってた子でも、立ったままで簡単に履けちゃうからいいと思うな。
藤森:スノーボード始めたばっかりの子たちなんて、それがものすごく大変でしょ。バインディングつけるの嫌だって人もいると思うんだよね。あとは子どもとか、一人でストラップ締めるような細かい作業ができない年齢の子たちにはいいと思う。
降旗:ちゃんとキッズモデルもあるしね。
藤森:男の人はそんなの気にしないかもしれないけど、女の子とか子どもとか、意外にバインディングの装着って大変だから。それこそ爪を伸ばしている子がバックルをガチャガチャやってると、引っかかったりね。
降旗:もうね、触んなくていいって、最高だよね(笑) 外す時もレバーを上げるだけだし。
藤森:良かったのが、今日みたいに普通にみんなとパウダー行ったりとか遊びながら滑るとき。滑り出しも早いし、いちいちガチャガチャやらなくていいから楽だし。こういうファンライドのときにはすごくいいと思った。
降旗:私はもう出てないけど、ゆっちの場合だと大会あるでしょ。
藤森:スロープの大会とかビッグエアの大会とか出てるけど、そういうときには使わないかも。この感覚は普通に滑るときのほうが向いてる。用途分けしたほうが私にはあってるなって感じ。
降旗:同じかも。やっぱり、道具だから状況に合わせて使い分けたほうがいいと思う。で、今のStep On®のメリットって、まずは簡単ってことだと思うんだ〜。そしたらやっぱり、ビギナーとか女の子とか子どもとかのほうが、そのメリットは感じやすいと思うんだよね。
藤森:だね〜〜。
降旗:その意味では、たとえばブーツのフィットにハイエンドのものがないことに物足りなさも感じるけど、これを誰が使うのかってこと考えると、今のフィットのラインナップでいいんだなぁって。
藤森:今は誰に使ってほしいか、っていうメッセージでもあるよね。
降旗:で、もうちょっとみんなが慣れてきた頃にハイエンドなブーツがでてきて、チョイスが増えたら嬉しいかな。Step On®はどうしてもパウダー好きの男性なんかに人気だけど、今は女の子とかビギナーとかゲレンデでいっぱい滑りたいっていう人たちのほうが向いてるんだと思う。
藤森:さすが、ショップ経営者は言うことが違うわ〜(笑)
降旗:まぁね(笑)
ここがコツ!
Step On®使いこなし術
こうして、女性目線でのStep On®のメリットが浮き彫りになってきた。が、ここで大切なのは「Step On®は従来のバインディングとは別の道具」という意識だ。道具が変われば、使いこなし方も変わってくる。Step On®の特徴をしっかり把握して、そのメリットを100%発揮できるよう、5つのポイントをおさえておこう!
パンツの裾は必ず留める
これまでのバインディングとの最大の違いがこれ。Step On®はブーツのかかと部分にロック機構があるので、ここにウェアを巻き込んでしまうと破れてしまうこともある。もちろん前足を装着する前に必ずリーシュコードを付けておこう。
履くときは山を向いて
Step On®はかかとからはめるのがコツ。斜度のあるところでは山側を向いてヒールエッジを雪面に引っ掛けると、かかとが入りやすいので簡単だ。ポイントは1. 板をフラットにしたまま手前に引くことで、ヒールエッジが雪面に引っかかって止まる 2. 安定していることを確認したら前足で立って、後ろ足をStep On®! 3. 簡単♪
谷向きで履くときには溝を掘る
谷側を向いて履くときには、ヒールエッジでしっかり溝を掘ってヒールエッジ側が下がるようにし、スノーボードを安定させること。そうすれば谷側を向いていても簡単に装着することができる。
調整箇所は一箇所だけ
Step On®バインディングはブーツサイズに合わせて選び、微調整はガスペダルと呼ばれるパッドでおこなう。ブーツのアウトソール形状にフィットするよう、パッド位置を調整しよう。
転んでも脱着は簡単
座ったままでも脱着は可能。この方法を覚えておけば、斜度がありすぎて立ったまま履けない、アイスバーンになっていて立ったままでは安定しない、といったケースにも対応できる。またぶかぶかのパウダーの中で転んだ場合、立って履こうとすると板自体が雪に沈んでいってしまって上手くいかないことがある。そうした場合は、この座って履く方法を使うことで脱出が可能になる。手順は以下の通りだ。1)ポイントは、まずかかとをはめること。ハイバックを両手で持つとはめやすい 2)両手でトゥ側を持って引き寄せると、つま先側のポイントがロックされる 3)踏み込むだけなので、座った状態でも簡単に脱着が可能だ。
こうして見えてきた「簡単!」というStep On®のメリット。この簡単さが面倒臭ささを取り払い、人を待たせる気苦労をなくし、滑る時間をたっぷりにして、楽しい時間をより長くすることにつながってくる。ぜひとも最寄りのBurtonのディーラーで、Step On®を体験してみよう。そして、その簡単さに驚きの声をあげつつ、よりイージーな次世代のスノーボーディングを楽しんでほしい。
<1819 Step On® Women’s Line up>
Women’s Limelight Step On® Bundle Step On®
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ブーツサイズ:22.0~25.0cm
ブーツカラー:Midnite Bloom、Black
バインディングカラー:Rose Gold、Black Shift
価格:81,000円+税
Women’s Felix Step On® Bundle Step On®
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ブーツサイズ:22.0~25.0cm
ブーツカラー:Black
バインディングカラー:Rose Gold、Black Shift
価格:89,000円+税
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