数年に一度の寒波が猛威をふるい選手の移動を妨げる。地元で市議を務める宮武祥子プロの熱い想いが具現化され、17年ぶりに北海道で開催されるはこびとなったBLACK PEARL Cup@Noboribetsu Sanlaiva。登別カルルス温泉サンライバースキー場に選手が集結する。
前日までの降雪により雪不足の心配されたバーンも万全のコンディションとなり選手を温かく迎え入れることになった。AL種目はGSが初戦となる。 抜ける空に幌別の海が眩しく輝く。サンライバースキー場中央に位置するセントラルコース。贅沢に幅広く縄張りされた全長480m、標高差128mのバーンに遅滞なくゲートを打ち込むチーム「SIG-NATURE」代表宮武和弘氏によるセットは先ずはコース右に配置される。スタートより100m強の緩斜面から左に回り込み26度の斜面が待ち受けフィニッシュエリアの裾野の緩斜面へつなぐ20旗門。24mのインターバルと斜度に応じた絶妙なふり幅は伸るか反るか、選手の度量を透かし見るかのようにフラッグがはためく。選手たちは全体的に左に垂れたコースを攻略せんと定刻時刻にインスペクションになだれ込む。 各自、入念な下見を終え、いよいよ初戦開幕。シーズンをうらなう上で大事な1戦となる。
女子1本目 前日のパブリックドローで1番くじを引いた#3吉井(BLACKPEARL)からのスタート、十分にコース整備を施されたクリアなバーンに刻みを入れる。
まずは目安としてのタイム42.070。4番手からはイエロービブを纏った#1三木(T-ALIVE)が快走し38.770とラップを更新。続く#6宮武(SIG-NATURE)が40.440、#2志鷹が直後に40.140と凌ぎを削る。遥か後方よりレイトエントリーで最後尾23番出走となった越坂(Blackpearl)が41.990と宮武の後ろにつける。
男子1本目 #6杉本(SG JAPAN)が1番スタート、37.920と幸先よく好タイムをマーク、#3成田(AMICSS)は38.240と38秒を挟む攻防が開始される。4番手からイエロービブの#1河島があっさりと36.480でツアーチャンプの実力を魅せつけ一気に時計を進める。#5KIMUTOMO(F2*ALBERTA)も38.710で後続を伺う。9番手からの#2川口(PANDASTUDIO)が37.710と杉本を躱し2番手に浮上。
15番手からは#4澤井(monster jp)38.350と成田の背後にピタリとつけ混線は加速。1シーズンぶりとなる今(YONEX.MAC)が38.150で杉本の真後ろにつけると20番手から戸田(SG*UPZ)が38.070と中に割って入る。後方34番手からプロ戦初参戦となるオリンピアの野藤がスタート、バーンに荒れが出る中、見守る上位陣も圧巻の滑りで斜面を駆け下ると36.900。河島の背後まで迫りくり2本目を睨む。 2本目のセットはクリアにのこされた左に描かれれた。名門、登別大谷より数多くのトップ選手を輩出させた宮武氏の手は緩むことなく選手を篩に掛ける事となる。1本目の先ほどよりややストレートな序盤から大きくバナナで振り込み、更に若干、片斜面のきついリフト線下側の急斜面に導かれ、19旗門ながら緩急織り交ぜたテクニカルな配置となる。
決勝2本目スタート 女子は1本目、同タイムの地下が41.360に対し越坂が41.630で順位が入れ替わる。
宮武が39.700とポジションを確定させると続く志鷹は39.490で宮武に譲らない。既にスタートを切った三木は悠然とラインを引き上げバナナを処理してタイトにゲートを攻め立てる。スピードを乗せ早めのクローチングでフィニッシュをくぐると37.650、2番手以下に大きく差を広げ完全勝利をものにした。
女子リザルト
1位 三木 つばき (T-Alive)
2位 志鷹 あかり (OGASAKA)
3位 宮武 祥子 (SIG-NATURE)
男子は3番手1本目14位につけた小嶋([SN])が37.980とペースを上げ混戦がヒートアップする。続く佐川(F2)も37.420でジャンプアップ。KIMUTOMOが辛くも37.800でポジションをキープするも、直後の澤井、成田が自滅。瞬時中断より仕切り直し後、今が37.340と入賞権を確保。戸田は一気に36.570とタイムを伸ばすと続く杉本も36.530の好タイムで表彰台を伺う。残り3名となり川口がスタートするも痛恨のミスで大きく順位を落としお立ち台から消えた。
直後の野藤が1本目さながらラインを引き上げタイトにゲートを攻めにかかる。緩斜面に最速で繋ぎゴールをきると35.830とファーテストラップを叩き出す。
残す河島、タイムを知ってか知らずか、野藤の最速ラインを刻み潰すように攻め上げる。1本目の貯金は0.42。余裕のあるタイム差ではない。河島が身体を伏せ左の指先を遠く大きく伸ばしゴールラインを割る。固まるフィニッシュエリア。僅か僅か0.1秒の明暗。アナウンスが告げられ歓喜と嘆息、称賛の中、新たな勝者が誕生した。
男子リザルト
1位 野藤 優貴
2位 河島 広輔 (AMICSS)
3位 杉本 孝次 (SG JAPAN)
4位 戸田 大也 (SGUPZ)
5位 今 拓洋 (YONEX.MAC)
6位 木村 智裕 (F2ALBERTA)
大会終了後、サイドイベントとして「プロ交流会~ジュニアレッスン~」が開催され参加した小学生~高校生を対象にしたゲートレッスンが行われました。
今大会の代表で登別市議会議員である宮武祥子プロをはじめ、コーチ陣からのアドバイスをうけながら楽しい時間を過ごしていただきました。
次の時代を担うジュニア選手にはプロ及びプロツアーを身近に感じてもらい夢を育んでもらいたいとおもいます。 勝利を称えあう師弟の2人。連戦の北海道ラウンド。身体を休める間もなく翌日のDUと続く。 今シーズンも初戦よりコンマを争う激戦が展開されております。プロツアーAL第2戦 BLACK PEARL Cup@Noboribetsu Sanlaiva DUもご期待ください!
All Photo : Gokatsu