ROUND 15 Takasu Superpipe Session

 

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2018年3月19日、岐阜県郡上市に位置する高鷲スノーパークにて、先日世界中を感動の渦に包み込んだ平昌五輪日本代表選手をはじめとした、トップライダー達が集結して「高鷲スーパーパイプセッション」が開催されました。

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日本国内では数少ない国際大会を開催できる世界基準のスペックを誇る巨大なスーパーパイプ。
完璧なまでに美しくシェイプされたスーパーパイプは作り手達の並々ならぬ熱意が感じられます。

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それもそのはず高鷲スノーパークが誇るスーパーパイプを造設しているのは、日本一のパイプディガーチームといっても過言ではない「グローバルスノーデザイン」の面々。グローバルクルーは全員がエキスパートレベルのスキルを持つ滑り手であり、このスーパーディガー集団を束ねるボスである青木亮プロ(YONEX)は、自身も過去にナショナルチームメンバーとして世界大会に出場し、2014年には国内プロツアーハーフパイプ戦全戦優勝という快挙を果たした誰もが認めるハーフパイプのスペシャリストで、競技者としてのスノーボードから距離を置いた現在は高鷲スノーパークにて、世界に誇れるハーフパイプの増設と若手ライダーの育成に情熱を注いでいる。

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また今大会はオーストリアで開催されるワールドルーキーフェストカプルーン大会への出場選考も兼ねているということで、ルーキー選手達にとって大きな意味を持った大会でもありました。
昨年日本代表してワールドルーキーフェストに出場してチャンピオンとなった冨田せな選手はその後、平昌五輪でも見事に入賞し、日本中にせなスマイルを振り撒いたことも記憶に新しく、まさにルーキーにとってはその名を一気に全国レベル、世界レベルへと引き上げることもできる、世界との架け橋になり得る、可能性が無限大の夢のような大会になりました。

世界レベルの選手達、世界レベルのディガークルー、世界レベルのスーパーパイプ、世界へとつながる大部隊、大会を開催する上でこれ以上ないポジティブな状況が全て整った…はずでした…。天候以外は…。

この日は生憎の雨。大会を開催することさえ難しいのでは?との声もささやかれましたが…。大会関係者が一丸となって情熱を持って設営にあたり、予定通り大会は開催される運びとなりました。

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いつ大会が行えないほどの状況と判断されてもおかしくないほどの悪天候ながら、完璧にシェイプされたハーフパイプを前に選手達からは大会を中止しようという声は全く聞こえませんでした。

公開練習から女子、その後男子へと、選手がパイプ内に登場してくる流れとなり、予定よりもかなりはやく予選ラウンドが開始されました。

常に降り続く雨の中、テンポよく予選が始まりましたが時折スタートエリア近辺を白く濃い霧が包み込み、ウエイティングとなることもありましたが、予定通り男女ともに二本のランを終えることができました。

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終始降り注ぐ雨のためか、多くの選手がランを終えた時にゴーグルの水滴を拭っている仕草を見せていたように思えました。
そんな難しい状況の中、ファイナル進出を決めた男子12名、女子6名のファイナリストは下記の通り。

女子はF540、B540、F720、CAB720、ロデオ720などをルーティンの中に入れて高さをつなぐことができた選手が、男子はF540、B540、F720、F900、B900、F1080などのトリックを大きくつないだ選手がファイナリストに名を連ねました。

国内外で活躍する選手達の中で入賞者となった選手達は

予選一本目から出場選手中唯一となるスイッチエントリーからのキャブ720という男子顔負けのハートの強さを見せつけるルーティンをファイナルでも見せた小野光希選手(SNOVA246)。ファーストヒット後もF540、メソッドエアー、F720といったトリックを連続してクリーンに決めて第3位に食い込みました。

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女子の第2位は109ニュースオフィシャルライターとしての顔も併せ持つ女子高生プロライダーの風間 琉奈選手(YONEX)。1発目にクリーンなフロントサイドグラブを決めてリズムをつかむとB540、F720、ゲイツイスト(キャバレリアルミュートグラブ)、F540を安定して決めて表彰台に乗りました。

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そして女子優勝は長年日本のスノーボードシーンを妹の珠琳と共に牽引する、ロキシーガール浅谷純菜選手(ROXY)。
浅谷選手は高さのあるメソッドエアーからF540、B540、Fロデオ720、ゲイツイストを決めて堂々の優勝を果たしました。
競技後のインタビューで「勝因は?」と聞かれた浅谷選手は「楽しんで滑れたことです。」と語りました。当日は誰もがしかめ面をしたくなるような雨のコンディション。そんな状況にもかかわらず、純粋にスノーボーディングを楽しみきった彼女と共に勝利の女神も微笑んだのでしょう。

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男子選手では同じアマチュア選手として菊地原小弥汰選手と共にプロ選手への下克上を狙った根岸慎選手が、大きなロデオ5から入り、B540、フロントロデオ900、バックサイドメソッドエアーへとつないで6位入賞を果たしました。

ファイナルトップバッター、一番出走で登場した青田航選手。多くの選手がファイナル1本目でベストの点数を出したのに対し、青田選手は2本目のランでF720、キャブ720、F540、B540、F900をクリーンメイクして5位まで順位を上げ入賞を果たしました。

第4位にはインディエアー、F540、B900、F900、バックサイドテールグラブという、ランの中に高難度な900to900というつなぎを見せた藪亮太選手(SNOVA246)が表彰台まであと一歩という位置につけました。

表彰台にのぼる選手達は他の選手よりも高さのあるランを見せましたが、その中でも特に高さとボトムの躍動感が目立っていた、スロープスタイルやストレートジャンプ戦でもスキルの高さを見せつけている永田浩範選手(SIDECAR)。大きな大きなフロントサイドグラブノーズボーンからB540、F720、キャブ720、ラストヒットのフロントサイドクレイルまで高さをしっかりと出してつないで第3位に入りました。

トップツーは高さ、スタイル、さらに高回転のトリックを持った二人のライダーの争いになりました。

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予選を2位通過していた安藤南位登選手は1発目から巨大なB540バックサイドグラブノーズボーン、Fダブルコーク1080、キャブ1080、ラストヒットにF1260を決めました。このランが決まった時、安藤選手が優勝するのでは?そんなことを考えたオーディエンスも多かったはずでした。

しかしその直後、予選を1位で通過してファイナルの出走順が最後だった穴井一光選手(NOVEMBER)が、ミラクルランを決めた安藤選手の優勝という構図に待ったをかけたウルトラランを繰り出しました。

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穴井選手は1発目から大きなF1080、キャブダブルコーク1080、F1260、大きくスタイリッシュなB540を決めて、男女合わせても出場選手中唯一90点オーバーのハイスコアを叩き出し、この高鷲ハーフパイププロ戦2連覇を達成しました。優勝した穴井選手に表彰式後にコメントを求めたところ、勝因は「やる気と根性、賞金でこの日誕生日だったお母さんにプレゼントを買います」と笑いながら答えてくれました。

 

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これをもって全15戦の17−18シーズンプロツアーが全て終了となりました。これほどまでにハイレベルで世界レベルの戦いが観戦無料で楽しめるとあって、今から来シーズンのプロツアーが楽しみですね。

選手の皆さん、おつかれ様でした。スプリングシーズン、オフシーズンと国内外でさらなるパワーアップを遂げた、選手達の熱い滑りが見られる日が今から楽しみです。ありがとうございました。

ALL PHOTO by DAISUKE SHIBATA Photography