Rome初年度から万能型フリースタイルボードとして多くのスノーボーダーに愛用され、人気モデルだったAGENT。しかし、NATIONALというFUSION CAMBERを備えた次世代のフリースタイルボードの登場によって、AGNENTは2シーズンに渡って小休止状態にあった。
しかし、今シーズン、AGENTは再びラインナップに戻ってきた。新型AGENTは、NATIONALと同じ、ハイブリットキャンバー（FUSION CAMBER）を採用。もともとAGENTはパークライディングにおいて最高のパフォーマンスを発揮するボードというコンセプト。シェイプがツインで原点回帰しつつ、最新のキャンバーを採用し、再登場というわけだ。
AGENTとNATIONAL、ROMEを代表する優れたパフォーマンスを備えた2本だが、今シーズン、あなたはどっちを選択するか迷うかもしれない。似ている部分もある2本だが、そこに違いもある。ここではこの2本の特徴について徹底的に追求したいと思う。
元々のAGENTはどんなボードだったのか？
＞コンセプト＆シェイプ
コンセプトはオールマウンテン・フリースタイルボード。高速でのカーヴィング、パウダー、ジャンプからのスムーズなライディングとなんでもこなせるフリースタイルボードとして開発されている。シェイプはオールモストツインという、非常にツインに近いシェイプ。キャンバー形状はオーソドックスなポジティブキャンバー。
＞ライディングフィーリング
パーク要素が強かったものの、カービング性能も良く、多くのライディングシーンで高評価が得られていたという。またライダーからの評価もほぼ全員がAGENTを気に入っていたという。
元々のNATIONALはどんなボードだったのか？
＞コンセプト＆シェイプ
次世代のフリースタイルボードとして登場したのがNATIONAL。オールマウンテンボードとしての特性が強く、山全体を滑るためのボードとして、パワー、レスポンス性能をアップし、どんなライディングにも対応するパフォーマンスを備えたボード。ディレクショナルなシェイプと、フュージョンキャンバー（いわゆるハイブリッド）を採用。元々のAGENTもフルツインではなかったが、Nationalの方がノーズが長くなり、ノーズとテールの形状も異なるシェイプにしつつも、インサートポジションは、サイドカットに対してツインの位置に設定された。
＞ライディングフィーリング
ボードのパワーとレスポンスの向上によって、パークでの反発、反応が良くなり、フリーライディングの性能がアップ。具体的にはサイドカットがAgentに比べて深くなったことで、ターンがキレはさらに良くなったという。パウダーでもノーズ（＆テール）の僅かなロッカーエリアが適度な浮力を与えてくれて乗りやすい。Nationalの登場によってAgentがラインナップから外れたことで、Agentを乗っていたライダーはみんなNationalへと乗り換えた。パークからフリーライドへと移行する潮流ともマッチしてすぐにNationlは人気モデルになっていく。ライダー達は、カーヴィングをグイグイ切って、ジャンプやバンク、時にはバックカントリーのジャンプへ攻めることができるというパフォーマンスによって、信頼できるボードとして受け入れられていった。
新型AGENTとは？
Nationalがディレクショナルの良さを強め、ターンの素晴らしい性能を堪能できる一方で、やはりツインの安定感、程よいルーズさを備えたハイブリッドキャンバーのボードに乗りたいという声もあった中で、今シーズンAGENTは新型となって再登場。キャンバーはNATIONALと同じフュージョンキャンバーを備えながらも、AGENTはパークライディングでの安定感を優先。ボードプレスなども行いやすいフレックスを備えていて、ライダーからもジブやプレスは非常に調子がいいという評価がある。また、現在ナショナルチームに所属する鈴木淳宏は、国内のスロープのコンテストにこのAgentで出場し、優勝を果たすなどそのパフォーマンスの高さを立証している。
新型AGENTとNATIONALのスペック比較
新型AGENTとNATIONALのライディング・フィーリングの比較
＞カービング
ボードがよりパワフルなNATIONALの方が高速での安定感やキレは高い。
＞トリック
Nationalは正確なレスポンスが返ってくる感じだが、Agentは遊びやすいフレックスで、プレスやトリックの仕掛けが簡単。
＞パウダー
どちらもフレックスの違いによるコントロールの好み以外に大きな差はない。
＞おすすめ
AGENTはパークをメインで滑りつつ、オールラウンドに使えるボードを求めるスノーボーダー向け。一方NATIONALは高速のカーヴィング、反発力のあるフリーライディングが好き。あるいはパークも含めて山全体、全天候に対応するボードを求めるスノーボーダー向け。
ライダーコメント：大久保 勇利
「Nationalは扱いやすくて、この1本でどこでも行けると思いました。ジャンプもがっちり飛べるし、乗ってて気持ちいい板です。一方、Agentはもちろんジャンプもとても行いやすいんですが、特にジブがやりやすかったです。プレスがいつもより楽しくなると思います」
