MOSSが開発した次世代ハンマーヘッドカービングマシン「LEGIT」の実力は？

12/18/2024

ハンマーヘッドカービングマシンの先駆者とも言えるMOSS SNOWBOARDS。
そのストーリーは前代の「TWISTER」の前身となった「MAJEST」へと遡る。

大きめのノーズからテーパーのシェイプとなり、雪面を捉えて進み始めが早いハンマーヘッド。
さらに「メタル」と称されるチタニウムプレートをエッジ側に配置することで優れたエッジへの食い付きとターンのキレを生み出す構造により、MAJESTは雪面に張り付くような中高速域のカービングターンを可能にするボードとして大いに注目を浴び、多くのユーザーのカービングスキルを一気に引き上げた。

さらにメタルのメリットを発揮しながらもウッドならではの乗り味をハイブリッドさせた「TWISTER」を経て、今季はいよいよ新たなるハンマーヘッドボード「LEGIT」が満を持して登場した。
いったいLEGITとはどんな特長を持つボードなのか？

MAJEST、TWISTERといった前身となったモデルを振り返りながら、探ってみたいと思う。

雪面に張り付くようなカービングターンを可能にする
中高速域で秀でた性能を発揮するMAJEST

0.5mmのチタニウムプレートを分裂配置し、しなやかな振動吸収性に優れた最軽量コアを使用したMAJEST。
ボードに必要以上の反発を求めることなく、いかに外力を効率よく利用して、フォールラインに対して早く走らせることを意識して開発されたモデルだ。
緻密なテストと計算により生み出されたハンマーヘッドシェイプにより、有効エッジを最大限にいかした抜群の安定感とエッジグリップを発揮。
ハンマーヘッドシリーズのなかでも最もメタルの性能を体感でき、エッジの効きの良さに定評があるといわれてきたボード。
シャバ雪でハードパックした雪面でもターンで攻めていける攻撃的な乗り味は、テクニカル選だけでなく、ボーダークロスにおいても多く利用されるモデルとして人気を集めた。どちらかというと中高速域が得意なモデルとして評価を受けていたと言える。

ハンマーヘッドの乗り味とメタルの安定感とともに
カーボンの乗り味をハイブリッドさせたTWISTER

テクニカル選手権で活躍する多くの選手たちに愛用されているTWISTERでは、0.3mmのチタニウムプレートが分裂配置されている。TWISTERは中低速でも乗りやすく、中級者でも扱えるワイドレンジな適応域をも特長とするボードだ。
TWISTERはウッドコアの乗り味が十分にいかされていて、競技志向ならずともフリーライディングにおいても乗りやすさを感じられる設定だ。メタル＋カーボン素材をミックスすることでエッジをグリップさせたときに最高の安定感を引き出し、カービングを安定させている。
MAJESTが雪面に張り付くような乗り味だったのに対して、TWISTERは反発を感じる力強いカービング性能が特長だ。
テクニカル選手権をはじめ、フリーライディングにおいても、様々な斜面や雪面のコンディション変化にも柔軟に対応でき、リズミカルなカービングを楽しめるボードとして多くのユーザーから高評価を集め、MOSSのハンマーヘッドを代表するモデルとして親しまれてきた。

まるで雪面に張り付いているようなMAJESTの乗り味と
ウッドの反発の良さを実感できるTWISTERの乗り味を高次元で融合したLEGIT

アウトラインはTWISTERを継承しながらも、チタニウムプレートは0.4mmとMAJESTとTWISTERの中間値で左右のエッジ部分に配置。
コアには軽量で最も振動吸収性能に優れる独自の専用コアを使用し、独自の工法を用いて作られる「BPF SHEET」という高反発特殊軽量シートを加えた。TWISTERでもお馴染みのきつめのテーパーが入ったハンマーヘッドシェイプが雪面を素早くとらえてターンへと導く。
そこからがLEGIT独自の製法によるフィーリングが得られるところ。ボードの反発を十分に感じながらエッジがしっかりとグリップし、ターン後半ではスムーズに抜けていく。
グリップの力強さと安定感、スピードのバランスが絶妙なフィーリングをキープしながらターンを抜け、次のターンへと繋いでいく。
低中速域〜中高速域までの安定した乗り心地がLEGITの持ち味だという。TWISTERで実績を残してきたハンマーヘッドシェイプの素材、構造を変更することによって、さらなる魅力を得たモデルがLEGITなのだ。
総合的な扱いやすさの面でもTWISTERをさらに上回ると言えるだろう。
過去にTWISTERを試乗して、自分にはこの力強さは扱えそうもないと感じたという人にもLEGITはまた違った印象を与えるに違いない。
MOSS SNOWBOARDSが、現在考えうるハンマーヘッドモデルの最適解が「LEGIT」なのだ。