18.19 PSA ASIA Snowboard Pro Tour
Round 5
『GSS presents Sanada Juyushi CUP 2019
Giant Slalom 』
長野県 「菅平パインビークスキー場」
連戦となるGSS presents Sanada Juyushi CUP GS。コースをチャンピオンコースへと移し選手を迎える。
標高1500mのスタート台から丹念にセットを施すGSS代表松里啓氏の采配が振るう。全長600m 最大斜度26° 標高差175m22旗門。ドッグレックの前後に設けられた一対のバナナが選手の迷いを誘う。昇りきらぬ日を右肩に受けインスペクションに向かう。
1本目女子
前日のパブリックドローにより #6 吉井 (BLACKPEARL) からのスタート。閑かに闘いは始まる。知った庭に板を走らせゲートを攻める。スタートからの中斜面を2旗門過ぎるとコース最大斜度を迎え、木漏れ日に碧く映る急斜面を、重力に抗わぬようゲートをくぐる。斜面の終わり現れるバナナに導かれ右へと棚へ折れるとブラインドの斜面が待つ。100m以上の標高を一気に駆け降り、雪の質感の違うコース後半へと軌道を繋ぐ。直ぐ後を #2 志鷹 (OGASAKA) がコースイン。腰を決めたトウサイドでゲートを狙い吉井を追う。麓へと辿り着いた吉井が身体を竦めフィニッシュを切り49.100でコースを振り返る。棚上のバナナから策を練ったドッグレックを狙い通り仕留め綺麗に繋いだ志鷹が緩斜面、十二分にスピードをのせフィニッシュを切ると46.394、ペースをリードし後続を待ち受ける。5番手から #3 勇上 (SG) が49.121で吉井の背後につける。
6番手から #1 宮武 (SIG-NATURE) が48.332と吉井を躱す。
続く7番手より #4 越坂 (笑顔スポーツ学園) が47.401と宮武を躱すも志鷹のタイムが際立つ。後方から#10 植野 (白寿生科学研究所)が48.443と宮武の背後のポジションを得た。
男子
#9 澤井 (KESSLER) が先陣をきる。思いの外、既に痛みが目立つバーンがゲームを複雑にする。44.013。澤井のタイムに示し合せるよう#6 KIMUTOMO (F2*ALBERTA) 44.513、#5 小嶋 ([SN]) 43.460、#12 黒木 44.880と44秒を挟む展開。
6番手から #4 河島 (AMICSS) がコースへと躍る。短くゲートを繋ぐ河島のライン、既に構築された溝が行く手を阻むが意を介さず速度をあげると42.784と集団を突破する。
続く #3 戸田 (UPZ)も胸を這わせ同じ速度で河島の後を遅れず追うと42.826、続けざまに#16 清水も離れず42.873で新たなトップグループを形成する。#17 若林 (OGASAKA) 44.552、#14 加藤 (CarRepair) 44.986と次のグループに飲み込まれた。
12番手より #2 野藤、リーダーの河島を追う。高い位置からゲートを叩き、棚から落ち下る速度が空を斬ると41.790と一人、陣を抜けた。2本目の立ち位置を巡り #10 佐川 (kessler)が43.193と清水の後ろにつけると、手負いの #8 杉本 (SG JAPAN) が痛みに耐え44.595と奮戦。#7 今井 (VOLTAGE) が43.751で隙間を埋める。後方からは #34 青山が44.761とフリップ圏内のポジションを確保、続く #35 白川 (YONEX) は43.109と佐川を躱し5番手の好位置で2本目へと折り返す。
薄雲が空を覆い空気をぼやかす。2本目、事前に確保された左のスペースへとスライドする決勝コース。1本目に比べ、序盤、ワイドに設けられたゲートは、中腹で早めに絞られバナナへと速度を上げて向かう。万有の引力を無視し大外から刈りあげるバナナをデッドラインへと登り、棚を迎える。ドッグレック下のバナナは消去され、地形の残る垂れが捩じるようにゴールをダイクトに伺う。地形をふんだんに使い切った興味深いセットが決勝の行方を面白くさせる。
女子2本目、上位8人のフリップスタート。1番手を務める #8 金澤が点中から日差しを穏やかに受けるコースへ送られる。手つかずのコースへ思い通りのラインを描くと47.967と自身の1本目を大きく更新、続く #3 勇上の48.485を抑える。#6 吉井が47.485と2本目のラップを更新、48.429と伸び悩んだ #10 植野を引きずり落とす。残す3名、#1 宮武が危ういヒールサイドでゲートに詰まりペースを崩し48.246で辛うじてお立ち台を守ると、勝機を伺う #4 越坂がコースを読みながらラインを上げてボードのストレスを最小限にコントロール、速度を殺さずバナナを抜けドッグレックへと消えてゆく。
続く志鷹、1.007の貯えは大きい。攻守、念いは幾何か。越坂のフィニッシュを待たずスタートを切る。ゴールへ向かう越坂が驤い。十二分の出来で速度をのせ低頭すると46.192の会心のタイムを出すも、コースを振り返り志鷹が現れるのを待つ。1本目と違いコースを読めず苦しむ志鷹の気が逸る。反りが合わず貯金をあっという間に切り崩す。ドッグレック、堪えながらスピードを維持するも残すは僅か。身を屈めフィニッシュを切ると47.328。使い果たした蓄えは僅かに足りず、0.129届かず2位に沈んだ。
Women Result
優勝 越坂 綾菜 (笑顔スポーツ学園)
2位 志鷹 あかり (OGASAKA)
3位 宮武 祥子 (SIG-NATURE)
男子、一刻の間を於いて仕切り直す。フリップ16位より、首の皮一枚、1本目出遅れた #11 成田 (AMICSS)が先導してコースへでる。まだ荒れ目立たないバーンをラインを読んで攻略、42.766で戦況を眺める。4番手 #34 青山が42.672でリーダーを更新、犇めき合う間合いは瞬きする間に羅列を変え、43秒台の選手が次々と虚しくポジションを落としてゆく。6番手から #17 若林が42.763、#9 澤井の42.804、#7 今井 42.856とリーダーを更新。#5 小嶋が43.088で辛うじてポジションをキープ。43.556の #10 佐川が今井の後ろへ後退。残す5人。11番出走からは1本目5位の白川が一気にペースを加速させ41.925と後続を置き去りにすると、#16 清水が42.519と堪え白川に僅かたどり着かず。
あって無き前との差は0.042、#3 戸田は1本目から修正をしたアプローチが的確にゲートを捉えて雪面を切り裂き斜面を舞う、颯となりフィニッシュを切ると41.320、一番時計で表彰台を確保、白川を突き放しジャッジを待つ。甘んじず #4 河島の目指すは0.994前を行く野藤、戸田に勝る劣らず更に内を攻め離しにかかるも、バナナ手前のヒールサイドで不意に足元を掬われ咄嗟に上肢をねじり込み軌道を戻す。僅かに孕んだラインに飃る河島は再びアクセルを踏む。シグナルでコースへ躍り出る #2 野藤の弛めぬ攻めが更に厳しい。トウサイド、切先の見切りが幟を千切り白い煙を残して谷へと迸る。誰よりも浅く攻めるバナナから速度は過剰気味に勢いを増す。ドッグレックを迎えオーバードライブしたマシンは限界のやり取りに悲鳴をあげグフィーのヒールサイドをゲートから遠ざける。速度を溜めフィニッシュをくぐる河島、41.666、悔やまれるか0.304至らず戸田に席を明け渡し後退。
逸る戸田の視界に現れた野藤も捷い。見守るものは景迹をしらず、41.400。僅かに肉を削り首位を護った。
Men Result
優勝 野藤 優貴
2位 戸田 大也 (UPZ)
3位 河島 広輔 (AMICSS)
4位 白川 尊則 (YONEX)
5位 清水 大智
6位 小嶋 大翔 ([SN])
激しい戦いが繰り広げられたGSS presents Sanada Juyushi CUP 2019 GS。前日DUの予選から力量をみせた越坂が真価を発揮し嬉しい初優勝を決めた女子は混戦の形相、女王宮武を相手に、志鷹、勇上がと三つにも四つにも巴る。
一方、野藤の奪った2つの勝ち星は大きい、順位を分け合いポイントで離される河島と戸田の後ろには、今井、清水など若手が力を蓄え、来る日に備える。
最上のバーンを提供していただいた菅平高原パインビークスキー場様のご協力のもと、GSS代表松里氏をはじめ、多くの関係者皆様のご尽力を頂き無事に終了することができ深く感謝いたします。
次回、10th CSBA on SNOWFESTA DU はよませ温泉スキー場で開催。続く熱い戦いにご期待ください。
NEXT TUOR―
2/9,10 長野県 北信州・牧の入スノーパーク “TB inc CUP”
引き続き PSA ASIA Snowboard Pro Tourお楽しみに!
PSA ASIA TV:www.psa-asia.com/live
菅平パインビークスキー場:https://pinebeak.jp
ALL PHOTO by GOKATSU