岩手県・夏油高原は、東北エリアでも屈指の積雪量を誇る「豪雪スノーリゾート」だ。
平均で5mを超える積雪がつくり出す極上のパウダースノーは、ツリーラン愛好者はもちろん、一般コースを滑るスノーボーダーからも絶大な支持を集めている。
ゲレンデには16のツリーランエリアが広がる一方で、通常コースにもたっぷりと新雪が降り積もるため、ツリーに入らなくてもパウダーの魅力を存分に味わえる。
それが夏油高原が“パウダー天国”と呼ばれる理由だ。
1|豪雪が生む、誰もがパウダーを楽しめる環境
夏油高原を語るうえで、まず外せないのがその雪の量と質だ。東北の内陸部に位置し、冬にはシーズンを通して安定した降雪が続く。平均積雪は5mを超え、多い年にはリフトの支柱の半分近くまで雪が積もるほど。乾いた空気の中で育つ雪は水分が少なく、踏み込んだ瞬間に「シュッ」と板が沈み込み、すぐにふわりと浮き上がるような感覚を味わえる。
こうした軽くて深い雪というと「ツリーランや非圧雪バーンだけのもの」と思われがちだが、夏油高原の特徴は、一般コースでもその恩恵をしっかり受けられることにある。夜のうちにたっぷり降り積もった翌朝は、圧雪コース脇に新雪が残り、ビギナーでも気軽にパウダーに足を踏み入れやすい。コース中央は安心感のある整地、サイドには“ちょっと背伸びしたい人向けの新雪”というように、一本のコースの中に違った楽しみ方が共存しているのだ。
自然地形やツリーランにまだ自信がないスノーボーダーにとっても、夏油高原は「まずはコース上でパウダーに慣れていく」ための最適なフィールドになる。圧雪バーンでターンの基本を確認しつつ、サイドに残った新雪で浮力の感覚を試す。そうしたステップを繰り返すうちに、自然とパウダーでの体の使い方が身についていく。豪雪でありながら“上級者だけの山”にはならない。そこが夏油高原の大きな魅力だ。
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2|まずは14本の一般コースで夏油高原の魅力を実感
夏油高原のゲレンデ構成は、総滑走距離14,100m・全14本の一般コースで構成されているが、その一本一本の表情が驚くほど豊かだ。ベース付近のワイドな緩斜面は、はじめてのスノーボーダーや家族連れでも安心して楽しめるエリア。一方、上部エリアへ上がると、斜度変化に富んだロングランや、心地よくスピード楽めるバーンなど、中・上級者が思い切りボードを走らせたくなるバーンが待っている。
コースレイアウトにも工夫があり、ただまっすぐ滑り降りるだけでなく“どのラインを選ぶか”で楽しみ方が変わる設計になっている点もポイントだ。圧雪されたセンターラインを気持ち良くカービングするもよし、サイドに残るパウダーを拾いながらフリーライディングを楽しむのもいい。同じコースでも日によって、滑り手によって、表情が変わるのだ。
もちろん豪雪だからこそ、一般コースでも極上の浮遊感を味わえるパウダーを楽しめる可能性が高いというのも夏油高原ならではの魅力だ。
さらに、ゲレンデ内の自然の起伏で「地形を使って遊ぶ」感覚を楽しむのも良い。スピードを殺さずに斜面のうねりを使う、壁を当て込みながら次のターンにつなげる。そんな遊びを繰り返すうちに、自然と重心移動や板さばきの精度が上がってくる。
ツリーランに入る前段階として、圧雪コースで基本操作とスピードコントロールを磨く。そしてコース脇の地形遊びで“雪山の立体感”に慣れるというプロセスを踏めるのは、一般コースと自然地形のバランスがとれた夏油高原ならでは。「整ったゲレンデ」と「生きた地形」の両方を一日で行き来できることが、上達の近道になる。
3|国内最大級「GROW UP TREERUN」で自然地形を段階的に学べる
夏油高原が多くのスノーボーダーから支持される理由のひとつが、レベル別に整理された国内最大級のツリーランシステムである。ゲレンデ内に点在する16のツリーランエリアを、Lv.1〜Lv.4の4段階にレベル分けし、ステップアップの道筋を明確にしている。

● Lv.1:ツリーの入口
斜度は控えめ、木の間隔も広く、ツリーラン未経験者でもチャレンジしやすい。森に入る独特の静けさを味わいながらも、危険を感じる場面が少なく、安全に最初の一歩を踏み出せる。
● Lv.2〜3:読み、選び、繋げる技術を磨く
レベルが上がるにつれ、斜度や木間隔のバリエーションが増え、スピードを抑える技術や的確なラインどりが重要になってくる。「どの木の間を抜けるか」「どのポイントで減速するか」を自分で判断しながら滑るため、自然と雪山を読み解くスキルが養われる。
● Lv.4:バックカントリーを見据えた実践レベル
熟練者向けの設定で、ノートラックの深雪や、より複雑な地形への対応力が問われる。ここを問題なく滑れる頃には、バックカントリーへ挑むための“基礎能力”がしっかり備わっているはずだ。
このように段階的な構造によって、「背伸びしすぎて危険」から「安全に着実な成長へ」という理想的な流れが作られている。レベルごとに明確な指標があるからこそ、多くのスノーボーダーが自信を持ってツリーランに挑戦できるのだ。

4|徹底した安全管理と、初級者から上級者まで支えるサポート体制
夏油高原のツリーランは、単に“解放されている”わけではない。豪雪地帯であることを踏まえ、パトロールが雪崩リスク・視界・積雪状況を総合的に判断し、開放の可否を決める仕組みが徹底されている。
● パトロールによる厳格なエリア判断
開放期間である12月下旬〜4月中旬の間も、「どの日なら安全か」「どのエリアなら問題ないか」を毎朝綿密にチェック。危険と判断されればクローズするなど、状況に応じて判断を変える柔軟な運用がなされている。この姿勢こそ、豪雪を楽しむための前提である“安全性”をしっかり守るための取り組みだ。
● 初めての人に寄り添う体験プログラム
地形の読み方やスピードコントロールをガイドから学べる「体験プログラム」は、ツリーランデビューを目指す人に最適。森に入る際の基本的なルールや危険予知も丁寧に教えてくれるため、初めてでも不安が少ない。
● 豪雪ツリーランガイドによる贅沢なライン体験
夏油の地形を熟知したローカルガイドが、その日最も魅力的な斜面へ案内してくれる「豪雪ツリーランガイド」も好評。安全への配慮はもちろん、地形の楽しみ方まで教えてくれるため、ツリーラン経験者にも学びが多いサービスだ。
こうした安全管理とサポート体制によって、夏油高原は“豪雪を正しく楽しむ文化”が根付いたスキー場として、多くのスノーボーダーから信頼を集めている。

夏油高原に行こう!! 首都圏からも楽々アクセス方法アリ!!
(1)ガイドツアー&ファーストトラック_夏油の豪雪を“最高の状態”で味わうために
夏油高原の魅力を最大限に引き出してくれるのが、ローカルガイドによる「ガイドツアー」。その日の気温・風向き・降雪量を踏まえて、最も良いコンディションの斜面へと安全に導いてくれるため、初めてのエリアでも安心して深雪を楽しめる。地形の特徴やラインの選び方など、滑りのヒントも教えてくれるので、経験者にとっても学びの多い時間になる。
さらに人気なのが「ファーストトラック」。通常運行より10分早くゴンドラに乗車し、誰よりも早くノートラックのバーンへアクセスできる特別枠だ。朝の澄んだ空気の中、まだ誰のトラックも入っていない真っ白な斜面に一番乗りで飛び込む、夏油ならではの贅沢な体験である。

(2)滑り倒すなら“泊まり”が正解。選べる宿で快適ステイ

たっぷり降り積もる夏油の雪を朝から晩まで楽しむなら、宿泊は大きな味方だ。ゲレンデサイドの「Premium stay 豪(Gou)」は、大きな窓からゲレンデを見渡せる開放的な空間が魅力で、スノーボーダーから高い人気を得ている。快適な共有スペースや洗練されたインテリアも、アクティブな旅を上質に演出してくれる。
さらに、夏油高原温泉郷や北上駅周辺にも多数の提携宿があり、
・温泉でしっかり疲れを癒したい
・予算を抑えつつ滑走日数を増やしたい
・アクセス拠点として北上駅周辺に泊まりたい
など、旅のスタイルに合わせて柔軟に選べる点も嬉しい。
朝一からパウダーを狙うなら、宿泊で体力を整え、コンディションの良い時間を逃さないのが賢い楽しみ方

(3)東北新幹線でアクセス抜群。弾丸パウダートリップも可能
記事を読んで「夏油高原スキー場に行ってみたい」「でもアクセスが、、、」とそこで断念することはない。
「豪雪地帯=アクセスが大変」というイメージを覆すのが、夏油高原の大きな特徴。
東北新幹線を使えば、東京からわずか約3時間で北上駅に到着し、そこから無料シャトルバスで約50分。乗り換えもスムーズで、移動のストレスが驚くほど少ない。

始発に乗れば、午前10時にはパウダーの中へドロップインできる手軽さ。1泊2日はもちろん、週末の“弾丸トリップ”でも十分に滑り倒せる距離感だ。車移動に比べて疲労が少ないため、集中して雪山を楽しめるのも新幹線アクセスの大きなメリット。




