Deus Ex Machina:乗り手自身が描いた唯一無二のアウトライン。DEUSから豊間裕介初のシグネチャーボード誕生

サーフィン、モーターサイクル、スケートボーディングなど、複数のスピリットを自由に横断しながら、グローバルなライフスタイルを提案している「DEUS EX MACHINA」。その本質は、単なるプロダクトではなく、カルチャーや情熱、そして遊び心を共有しクリエイトすることにある。そんなDEUSが日本発でスノーボードの世界に足を踏み入れたのは2014年。サーフボードビルダーの吉川 “Tappy” 拓哉氏とともに、独自の感性とシェイプでオリジナルパウダーボードを制作したのが始まりだった。以来、“SNOW SURF” という日本独自のスタイルを起点に、既成概念にとらわれないスノーボーディングを提案し続けている。
そして今シーズン、DEUSのメインライダーである豊間裕介が、キャリア30年目にして自身初となるシグネチャーボードをDEUSより “MADE IN JAPAN” のカスタムボードとしてリリースするのだ。 開発にかかった期間は約1年。数々のボードに乗ってきた豊間が「ようやく本当に自分が乗りたいボードの輪郭が見えてきた」という想いを形にすべく、アウトラインから自ら手がけた。DEUSのシェイパーであり、サーフボードビルダーでもあるTappy氏の工房を訪ね、テンプレートを引く技法を学びながら、自分の頭の中にあった理想を、数字に落とし込んでいった。フィッシュテールの美しいシルエットに、自由なカスタムを取り入れたオリジナルボード。自身が “滑り” の中で追い求めてきた全てがこの1本に込められている。
特徴的なのは「2段階遊び」という独自のコンセプト。通常のフィッシュ形状で十分に遊べる設計ながら、テールのフィッシュカット部にはウレタン樹脂を採用した。ユーザー自身がその部分をジグソーなどでカットすることができ、フィッシュの切れ込みを自分好みに調整することが可能なのだ。形状が変われば、テールのしなりも変わる。つまり、元の形状に飽きたらもう一度 “自分仕様” に進化させられるという、これまでにない発想の自由度が盛り込まれている。「フィッシュテールは抜け感と粘りが絶妙で、ヒールとトゥサイドで乗り味も変えられる。フィッシュって、本当に魚みたいに自由なんですよ」と豊間も語る。
構造面では、新潟・魚沼産の「越後杉」を使用した特別なコア材を採用。「SIN.SNOWBOARD」の木村顕悟氏の協力によるファクトリーメイドで、フレックスのカスタムにも対応。ソフト、ミディアム、ハードはもちろん、「ノーズだけ硬め」「テールにしなりを」などの細やかな注文も可能だ。さらに長さ(プラスマイナス3cm)やトップシートのカラー選択もでき、まさに “世界に1本だけ” のカスタムボードを仕立てられるシステムが整っている。
ボトム形状は足元のキャンバーからノーズにかけてロッカーが入るロッカーキャンバー構造。スピード性能と浮力、そしてテールでの遊びを共存させる設計だ。豊間はハードフレックス仕様を愛用しながらも「サーファーでも、女性でも、脚力がなくても、自分に合った仕様にすればみんなが扱いやすい」と語る。つまり、これは単なる “シグネチャーボード” ではない。あくまでユーザー自身が本気で遊ぶための “カスタムボード” なのだ。さらに、グラフィック面でも、豊間の個性が貫かれている。デッキ中央にあしらわれた大輪の花は、彼の右腕に彫られた東大阪の彫師・ギン氏によるタトゥーアートをそのまま落とし込んだものだという。
DEUSライダーとして節目となる10年目、豊間裕介が世に放つ渾身の一本。既製品にはない自由と密度が詰まったこのボードは、「人と違う何かを求め、本気で自分のボードを作りたいと願う滑り手」にこそ手にしてもらいたい。

テールのフィッシュカット部分にウレタン樹脂を採用。その部分を自分好みの長さにカットすることで、ボードフレックスがカスタム可能だ
ボードグラフィック中央に描かれているボタンの花のアート。これは豊間の右腕に彫られたタトゥーと同じものが描かれている

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