Burtonスノーボードの快適性とハイパフォーマンスへのこだわりを検証する!!

スノーボードの進化を常に牽引してきたパイオニア・ブランド「Burton」。
高性能、高品質、スノーボーダーが求めるベストを常に開発し続け、多くのトップライダーたちも愛用するBurtonのスノーボード。映像やTVなど、多くのメディア、そして実際の雪上にて、そのパフォーマンスは誰もが目にしていることと思う。

しかし、その本質をあなたはどこまで知っているだろうか?
「意外とそんなテクノロジーが秘められていたんだ!」と初めて知ることも多いのでは?

そこでBurtonのスノーボードに導入されている主なテクノロジーを探ってみた。ぜひ、これを知った上で実際に雪上で乗り味を確かめてみて欲しい。

HI QUALITY WOOD CORE
高い信頼性の理由は、軽量、高品質、高精度でつくられているコアにある

軽さはコアの名称に、はっきりと表示

スノーボードの心臓部と言えるコア。ウッドを組み合わせ、的確な構造が与えられることでスノーボードは様々な性能を引き出すことができる。Burtonのボードを見ると「スーパーフライII™️700gコア」と言ったように、明確にグラム重量が表記されているのだ。
当然、数字が少なくなれば、軽くなる。
最軽量を極めたハイパフォーマンスボードとして知られる「ミステリーデイトレーダー」に使用されているドラゴンフライ II™ 500Gコアは、グラム重量がわずか500gという軽さだ。

軽さはスノーボーダーがボードを軽快にコントロールする上で、大きなメリットとなる。
つまりはこういうこと。
乗り手がメリットを簡単に確認できるように表記されているのだ。

COREというその名の通り、スノーボードにおいて最も重要な部位。木材の種類、性質、使い方によって反応も重さも大きく変化する

木目方向を緻密に配置して最適なコアをつくる

Burtonのボードのスペック表記を見ると「マルチゾーン™ EGD™」「デュアルゾーン™ EGD™」といった言葉を目にすることだろう。
これはコアの木目の配置の角度と方向を調整することで、コアの力の伝達具合を調整して、エッジホールド 、レスポンス、そして耐久性を高めるという構造だ。

マルチゾーン™ EGD™:MULTI ZONE™ EGD™

ライダーのパワーが発散される前後の「THE CHANNEL(ザ チャネル(後述参照)」に隣接するコアのトゥ側、ヒール側の4つの部位で木目を垂直に配置。エッジコントロールの強化と共に耐久性の向上を実現する構造。スーパーフライII、スーパーフライコアに採用。

デュアルゾーン™ EGD™:DUAL ZONE™ EGD™

ボードのノーズからテールに向けて縦方向に配置された木目に対して、つま先とかかとの両側のエッジに沿いのラインのみに木目を垂直にしたブロックを配置。これによりバランスに優れた一貫したエッジホールドと強度の向上が実現されている。ドラゴンフライIIコアに採用。

スノーボードの中身をなかなか見る機会はないが、エッジ沿いのコアの一部をこのように垂直に配置し、エッジへの力のかかり具合が調整されている


スクイーズボックス:SQUEEZEBOXって
何だろう?

ボードコアの厚いところ、薄いところのバランス調整でコントロール性をUP

Burtonのボードコアは一般的なコアの形状にさらなる加工が加えられている。
ノーズからテールまでスノーボードの厚みを一貫して整えるのではなく、パワフルな反応を引き出す厚い部分とフレキシブルな特性を引き出す薄い部分をバランスとりながら配置することで、扱いやすいポップ力を引き出すと共に、全体的なパフォーマンスを向上させるという構造が採用されている。

SQUEEZEBOXはロッカー、キャンバー、フライングVなど、アーチ形状を問わず採用されている。ボードを横から見るとノーズから厚くなっていき、一旦また少し薄めになっていることに気づくだろう。足元の内側は薄めにして柔らかくフレックスさせて操作性を高め、足の外側部分は厚めにしてより硬くすることにより、安定してエネルギーをボードに均等に分散する。
その結果、よりボードを安定させることができ、少ない力でパワーアップを実現できるというもの。つまりは「とても乗りやすく」なる構造なのだ。

ボードの中央部よりもバインディング部分が厚くなっている。このSQUEEZEBOXの効果によって足元はコントロールしやすく、そして外側では力をしっかりとボードに伝え、安定性を向上させる


ツインモデルでは、オフセットされたSQUEEZEBOXを導入

ツインモデルの「REWIND」「TALENT SCOUT」には、「オフアクシス スクイーズボックス:OFF-AXIS SQUEEZEBOX」が採用されている。
厚い部分と薄い部分を交互に配置してバランスを調整しているSQUEEZEBOXを、ダックスタンスの設定を前提として15°角度をつけて配置しているのが特徴。ツインシェイプではあるが、ヒールサイド側・トゥサイド側が設定されていて、フリースタイルでの動きをパワフル、かつ効率よく行うことができるという構造だ。

ツインモデルではOFF-AXIS SQUEEZEBOXを採用。SQUEEZEBOXはダックスタンスに最適な、15°の角度をつけて配置されている(写真はREWIND)


すべてが自由、ジャストフィットを可能にする

ザ チャネル:THE CHANNEL

スタンス設定は無限に選択可能

Burtonのスノーボードに搭載されている(キッズ向けの一部を除く)ボードのエッジと平行に走る前後の2つの溝 (各足に1つずつ) を備えたマウントシステム「THE CHANNEL」。
マウント内ならどんな位置でもバインディングを設定可能。スタンス幅と角度が無限に調整可能で、完全なカスタマイズが可能。自分にピッタリ合った位置と角度にスタンスを設定できるのだ。さらにBurtonのバインディング以外でも装着が可能。主要なバインディングブランドはTHE CHANNEL対応となっている。

THE CHANNELの範囲内ならスタンスは無限に設定を選択できる。必ず自分にとっての100%のベストポジションが見つかる

スムーズにボードがフレックス

インサートビスが多数内蔵されているボードでは、ライダーの足元でボードが曲がるときにデッドスポットができやすい。しかし、THE CHANNEL自体はとても柔らかいアルミニウム製で、その上にグラスファイバーで補強されているので、インサート構造よりも薄い。さらにボードに内蔵されるパーツが減少することで、ボード本来のスムーズなフレックスやトーションを得ることができる。これも乗りやすさを向上させる上で大きな効果をもたらすのだ。

このコアの中央部分にTHE CHANNELが配置される。素材自体ははとても柔らかいアルミニウムが使用されていて、ボードのスムーズなフレックスやトーションを得ることができる

 

ニーズに合わせた的確なベンド

CAMBERからFLAT TOPまで

ノーズの先端からテールエンドまでの様々なベンド形状によって、ライディングのしやすさや、リカバリーのしやすさ、トリックでの動かしやすさなどボードの特性を引き出している。豊富な実績から、その性能を研ぎ澄ませたBurtonが現在採用しているベンドの種類を紹介しよう。

キャンバー:CAMBER

強力なターンを可能にし、強く正確なポップ力を生み出すキャンバーは、ボード設計のベーシックなポジション。
キャンバーは機敏なサスペンション効果を生み出し、ボードの全長に対して重量を均等に分散。ノーズからテールエンドまでスムーズで安定したエッジコントロールを実現する。

クラシカルであり、最先端。シンプルなキャンバーとはいえ、そのアーチは果てしない開発を経て設計されている。Burtonを代表するモデルCUSTOM

ディレクショナルキャンバー:DIRECTIONAL CAMBER

進行方向のロッカー形状がノーズを浮かせ、両足下のキャンバーにより、クイックなターンなど、様々なコンディションでアグレッシブな動きと安定性をキープする。

ピュアポップキャンバー:PUREPOP CAMBER

従来のキャンバー形状を進化させたピュアポップキャンバーは、足のすぐ外側に僅かなフラット ゾーンを備え、ポップ感を増幅。キャンバーのスナップとレスポンスに遊び心をミックス。ノーズとテールのセクションが早く立ち上がり、引っ掛かりのない感覚でスピンとポップを楽しめる。

ミッドキャンバーをベースにしながらも足のすぐ外側に僅かなフラット ゾーンをつくり、ポップ感と動かしやすさを引き出すPUREPOPキャンバー。写真はREWIND

フライングV™:FLYING V™

キャンバーとロッカーの性能を融合したフライングV™は、両方の長所をミックス。足の間と外側を含む全体的なロッカーが、遊び心と浮遊感を向上。足元の微妙なキャンバーゾーンが正確なエッジコントロールを可能にし、シャープなスナップ、ポップ感をアップしてパワフルなターンも楽しめる。

フラットトップ:FLAT TOP

足の間にフラットゾーンをつくり、安定性とバランスの良さを向上。足の外側エリアがノーズとテールに向かって立ち上がりはじめることで、ロッカーボードのような引っ掛かりのない、ルーズな感覚を実現する。

ディレクショナルフラットトップ:DIRECTIONAL FLAT TOP

フリーライディングボードに採用。全体的にはフラットで、ノーズにロッカー形状を入れた構造。パウダー、サーフライクな動きができる地形などで求められる安定性と余裕のある浮力を生み出す。

フラットなプロファイルとロッカーノーズを備えたDIRECTIONAL FLAT TOP。写真はFAMILY TREEのSHORT STOP

 

滑走性能を最大限に
引き出すソール

予めワックスが練り込まれたシンタードWFOベース

FAMILY TREEやCUSTOMなど多くのモデルに採用されているのがシンタードWFOベース。
ここ最近のBurtonのボードはソールの品質、性能が向上しているとの評価も高く、現在メインで使用されているシンタードWFOベースは、高い浸透性を備えたリサイクルの高密度焼結材に、特別に調合されたワックスを染み込ませたもの。それにより滑走面の耐久性を高め、シーズンを通して幅広いコンディションで優れた性能を発揮。予めワックスが塗り込まれていることで、購入後にすぐに乗ることもOK。滑走後にブラッシングと簡易ワックスを施すことで滑走性を長く維持させることができるのは嬉しい限り。

FAMILY TREEのシンタードWFOベース。とてもソールが美しく、噂通りの優れた仕上がりだ

ワックスにも頼らないタフ性能を発揮するメスロンベース

ラインナップで唯一、MYSTERY SERIESに採用されているメスロン(METHLON)ベースは、テフロンを練り込んだ素材を使用した滑走性と耐久性に優れた素材。
ソールは硬く、傷みにくく、汚れもつきにくい。それゆえ春の湿雪なども含めて、どんなコンディションでも最大限のスピードを引き出すというタフな性能を特長とする。その実力はワクシングに頼らずともスピードを楽しめるというほどだ。

FACTORY TUNING
すぐに滑れて、安心

工場を出荷される前にワックスがけ、バフがけ、仕上げが完了

ライディング時に最適な状態にエッジをチューニングするなど、各ボードに合わせて適切な鋭さと傾斜を与えて、あらゆるライディングスタイルとコンディションに適応できる状態まで丁寧に仕上げられている。さらにソールはワックスがけが施され、高温で磨かれている。ショップに並んだ時はすぐに滑れる状態であるというわけだ。

Burtonのスノーボードは基本的なエッジチューニングやワクシングと仕上げが行われた状態で店頭に並べられる。つまり購入して即ライドも OKなのだ

インフィニットライド™️:Infinite Ride™で、最初からパーフェクトなパフォーマンスを発揮

インフィニットライドはBurton独自の技術。例えるならば最初から使い込まれたベストコンディションの野球のグローブのような状態。その状態にあえて加工することベストなパフォーマンスが発揮され、持続していくという技術だ。
ボードに過剰な負荷をかけ、その状態にボードを慣らすという機械による加工が行われることで、初日からシーズンを通して、最高のフレックス、ポップの感触をキープすることができるのだ。特にこのテクノロジーは知らなかった人が多いのでは?

 

SUSTINABILITY
常にサスティナビリティも同時に前進

バイオ原料を元にしたスーパーサップ樹脂がCO2排出量を50%削減

「このまま地球温暖化が進み、雪が無くなったら」そんな心配も囁かれる世の中。スノーボードを楽しさを将来も持続させていくためには、環境に配慮した行動が求められている。その問題にBurtonは真剣に向き合い、常に先頭に立ってアクションを起こしている。
バイオ原料を元にしたスーパーサップ®樹脂は、従来の石油ベースのエポキシ樹脂に比べCO2排出量を50%削減。
Burtonはイノベーションを進めるだけでなく、サスティナビリティも同時に前進させているのだ。

スノーボードの製造には多量の樹脂が使用される。だからこそCO2排出量を50%削減できるバイオ原料を元にしたスーパーサップ®樹脂を使用することの意味はとても大きい

Burtonのスノーボードに採用されている主なテクノロジー。
各ボードにはさらに様々な最新技術が導入されていて、ここでは全てを解説できていないが、世界中のスノーボードブランドの中で、進化を牽引してきたテクノロジーは、乗りやすさ、楽しさ、品質において常に多くの信頼を得てきた。
楽しく、そして安全にシーズンを過ごすために、Burtonのテクノロジーはきっとあなたを後押ししてくれるはずだ。

<掲載スノーボードの情報>

FAMILY TREE SHORT STOP
CUSTOM
REWIND

 

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