「これまでの足元は普通のヒモタイプだったんです」
と植村は語る。
「引っ張るだけで締まってくれるBURTONのレースシステムですね。正確に言えば今でも、スプリットボーディングの時はスピードレースのブーツを使っています」
けれど、
「基本的に今はStep Onを使ってて、そん時のブーツは全部Boaタイプなんですよね」
BURTONが『Boaフィットシステム（以降 Boa）』を採用したのは2017-2018シーズンから。
「初年度にテストでBoaのブーツを履いてみたんですよ。Boaはその時が初めてでした。特に期待してたわけでもなかったんですが、履いてみたら、こんなにいいんだ、って驚きました」
と言う。
「自分の好みのブーツって滑る前から、足入れた瞬間に分かるじゃないですか。履いた瞬間から、これはいいなって直感できる。Boaにはそれを感じました。っていうのも、Boaのブーツって割と硬いイメージだったんですけど、その時履いたブーツはすっごい柔らかくて。それで、全体的にきゅーっと締めていくフィット感が良かった。それもあって、これならいけるな～って思いました。だからBoaを使っているStep Onに移行した時も、何も抵抗感はなかったんですよ」
もちろん魅力だったのはBoaの操作性だ。
「ダイヤルを回すだけで軽い力で簡単に締まってくれる。あの操作性が最高ですよね」
最初に感じたのは早く簡単に締められることだった。が、滑り慣れていくうちに、違う部分にも魅力を感じるようになったという。
「軽い力で均等に締められることが、ブーツ本来のフィット感をちゃんと引き出してくれるっていうか。好みの締付け具合にちゃんと合わせられるのもいいですよね。ひとことで言って、ブーツの性能をちゃんと引き出せるシステムだなって思ってます」
その他、一日履いても緩まない確実性、いつでも調節可能なフットワークの良さといった部分にも助けられているという。
「今までもバックカントリーだと、足首は柔らかいほうが歩きやすいから、歩き始めはヒモを緩めたかったんですよ。やっぱきつく締まってると足もすぐ冷えるし。でも面倒なんですよね、いちいち緩めたり、滑る前に締め直したりするのが。
でもBoaだったら簡単だし。普通のヒモだったら締め直すのが面倒になって、適当に締めたところで、まぁいいか～ってなっちゃう。でもBoaはきっちりフィットさせられるから、滑りも変わってくると思うんですよね」
ある意味、Boaを選ぶことでよりパフォーマンスを損なう機会を小さくすることができる。
「特に僕は今、Step Onのアンクルストラップがないモデルを使ってるんですけど。ストラップがないからこそ足首も自由に動くし、ダブルBoaで上下の締め分けができるからフィットもいい。そういう、ある意味理想のブーツができてるっていうのは嬉しいです」
プロ歴20年以上のコアなライダーが目をつける。そこには、自らのパフォーマンスをさらに磨き上げたいという、表現者の熱意が込められている。
【プロフィール】
植村能成★うえむらよしなり
1993年の全日本ハーフパイプで優勝してプロ昇格。20年以上に渡ってBURTONのライダーとして活躍し、シグネチャーボードをはじめとしたさまざまなプロダクトの開発に関わってきた。余計な力の入らないリラックスしたライディングスタイルのままでアグレッシブなライディングを可能にする理想のスノーボードを目指して、2013年には自らのスノーボードブランド「UMLAUT（ウムラウト）」を立ち上げる。
植村能成使用アイテム
BURTON Swath Step On® / Price: ¥49,000 / Size: 25〜30cm
今シーズン初登場し、ライダーやショップスタッフからも非常に評価が高いBoaフィットシステムのデュアルゾーンを採用。２つのBoaで全てのフィットを調節することでアンクルストラップを必要としないブーツ。アウターは2ピース構造でライナーにはImprint™ 3ライナーを装備し、優れたフィット感を作り出し、適度なフレックスと十分なレスポンスが得られる。
BURTON Step On® Bindings / Price: ¥42,000 / Size: S, M, L
高い利便性と優れた装着感ををつくりだすStep Onバインディング。ヒールとトゥの両サイドのコネクションポイントでパーフェクトなロックを実現しつつ、正確なボードコントロールをサポート。さらにリリースレバーの簡単な操作でスムーズに脱着が可能。4×4、3D®、The Channel®といった全てのメジャーマウンティングシステムと互換性がある。
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