Interview
平野歩夢
AYUMU HIRANO
WAY TO THE TOP
あの頂点を目指して(後編)
平野歩夢。言わずと知れたソチ五輪スノーボード・男子ハーフパイプのシルバーメダリストである。現在、歩夢はオリンピックに照準を定め、国内外を飛び回るハードなトレーニングを続けている。すべては前回五輪での忘れ物を手にするために……。平昌五輪まで3ヶ月をきり、マスメディアも冬季オリンピックの話題に触れることが多くなってきた。今後もメダル有力候補として、歩夢の名前をテレビで目にする機会はさらに増えるだろう。そんな彼に過密スケジュールの合間を縫ってインタビュー取材を敢行させてもらった。今回はインタビュー後編をお届けしよう。
(本記事はFREERUN本誌12月号に掲載したものです)
Text: HaruAki
コンテストの世界にしかない
可能性やチャンスもあるって、
今はすごい感じているんです。
平野歩夢の未来
オリンピックの開催まで残された時間は限られてきた。男子ハーフパイプの日本代表選手は4名が予定されているが、選出時期は平昌五輪の直前までわからない。はたして、歩夢にとってオリンピックとは、どのような存在なのだろうか?
オリンピックに向けて、どんなルーティンを考えているの?
今は、すでに1440の時代だと思うんです。予選でも1260が必要だし、ダブルコークを繋いでいかないと上に行けないレベル。上手いライダーは世界中にたくさんいるから、オリンピックってなると自分もガンガンに攻めていかないと……。だからこそ、他の人が時間をかけてもできなかった難易度の高いトリックをやりたいって思うんですよね。例えばバック・トゥ・バックの1440とか。すでに限界に近い回転数を増やすんじゃなくて、誰も真似できないようなコンビネーションをルーティンに組み込みたい。そこにプラスしてスタイル重視のジャンプも織り交ぜて。そういった魅せ方で勝てればいいなと思ってます。
気になるライダーはいる?
うーん、特にいないですね。いや、正確に言うと、他のライダーを気にするほどの余裕はありません。
オリンピックって、どんな存在なの?
いろんな人に自分のスノーボードを伝えられる範囲がもっとも広いのがオリンピックだと思っています。ただ、自分にとっては通過点のひとつなので、特別に大きな存在としては見ないようにしていますね。オリンピックっていうのがデカい壁だなって思っていちゃ勝てないから。みんな、オリンピックのことを、ものすごく大きくとらえがちだと思うんですけど……。そもそも自分はオリンピックのことだけを考えているわけじゃなくて……かと言って「X GAMES」や「DEW TOUR」などのコンテストだけで活躍しようとも思ってなくて……。それらを両立してこそ意味があると思うんですよね。変に分けちゃダメだと思うから。スノーボードをきちんと理解している人も、スノーボードを少し知っている人も、スノーボードをまったく知らない人も、そんな全員に向けて自分のスノーボードを伝えたい。そのためにはスノーボードをするだけじゃなくて、いろんなメディアへの露出が必要だし、何より自分が人としてバランスが取れていないとダメだと思うんですよね。
これからはテレビなども含めて、いろんなメディアに積極的に出ていく予定?
そうですね。そのほうがスノーボードをもっと広められると思うんで。そのためには、やっぱり日本だとオリンピックの影響力ってハンパなく大きいから、まずはその舞台で活躍しないといけないなって感じています。そして、それと同時に「X GAMES」などの海外のビッグコンテストでも常に目立つ存在になれればいいですね。まぁ、すべては滑りで決まるもの。いかに自分の滑りで魅せるかが重要だと思ってます。
最終的に目指しているゴールはあるの?
いや、ゴールなんてまだ決めていないです。もし競技生活を終えたとしても、これまで続けてきたスノーボードを活かした仕事をしたいっていうのはあります。ただ、そういった今後のことも、今、自分が取り組んでいることが土台になるから、自分の将来の可能性もまだまだ無限に広げられると思うんです。だから、今は今しかできないことをやっていきたい。もちろん、自分のカラーを出しながら。
平野歩夢
Ayumu Hirano
生年月日: 1998年11月29日
出身地: 新潟県村上市
スポンサー: NIKE、BURTON、
MONSTER ENERGY、木下グループ、
OAKLEY、GOPRO
XGAMESでのライディング↓(youtube XGAMESチャンネルへ)