世界最高のアウトドア映画祭「バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル」が今年も日本での上映が決定しました。ドキュメンタリーとは思えないほどの美しい自然やエクストリームな映像が集められたこのフィルムフェスティバルは一見の価値ありです。
「バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル」日程はこちら
公開に先立ち、先日試写会に伺いました。全上映作品の半分ほどを見た中からいくつかを感想とともに紹介してみたいと思います。
>「Mira」(ミラ)© Banff Centre
ネパールでは女性の社会進出がまだまだ難しいということを知りました。能力的な問題ではなく、社会的な問題が根強いことが理由です。特に山村に生まれれば将来はある程度決まってしまいます。そんな状況の中で、ひょんなことからトレイルランニングに出会ったミラがトレイルの世界で自分を確立していく姿が印象的でした。ネパール以外でも同じ様な状況の国があるでしょう。彼女の活躍がきっかけとなり女性が社会に出易い世界になればいいなと思います。
>「Danny MacAskill’s Wee Day Out」(ダニー・マカスキルズ ウィー デイ アウト)© Banff Centre
作品は6分とコンパクトですが、トライアルバイクで散歩に出発するところから戻ってくるところまでがショートムービーのようにしっかりと纏まっています。ひやっとするようなテクニカルな場面も作中に流れる音楽とも相まってユーモアたっぷり。楽しさに溢れていて、見ていると幸せな気分になってきます。映像もともて美しくいつまでも見ていたくなる作品でした。
>「Doing It Scared」(ドゥイング イット スケアド)© Banff Centre
半身不随になるほどの怪我をしたのに同じ場所に挑戦する。普通ならば恐怖が勝ってしまいそうですが、スペシャリストにしか分からない魅力がそこにはあるのだと思います。そして仲間達の存在。もちろんひとりでは登れない。登ろうと声をかけて、サポートしてくれる仲間と共に。そんな仲間と出会えることが一番の魅力なのかもしれません。
>「Four Mums In a Boat」(フォー マムス イン ア ボート)© Banff Centre
ボート経験者でもなく、家庭を持ち仕事を持つ本当に普通の女性たちが思いつきで過酷なレース「タリスカー・アトランティック・チャレンジ」に挑戦する。40〜50日をかけて約3,000マイル(約4,800km)を横断する行程の過酷さは見ているこちらが恐怖を覚えるほどです。それでも4人は力を合わせてチャレンジを続けます。最年長は51歳。年齢や性別、自分の今置かれている環境で何かをすることを諦めそうになっている人に力をくれる作品だと思います。試写作品の中で一番心に残った作品でした。
お時間があればぜひ見にいってみてください。
きっと充実した時間を過ごせると思います。