ネコママウンテンで繰り広げられた国内最高峰のエアバトル_NEKOMA MOUNTAIN BIG AIR 2025 by SCLOVER

荻原選手が1本目で見せたスイッチバックサイド1620ノーズグラブ。まさに余裕さえも感じさせる圧巻のスタイルだ

2025年2月10日、福島県のネコママウンテンで「NEKOMA MOUNTAIN BIG AIR by SCLOVER」が開催された。本大会は、日本屈指のスノーパークを舞台に、国内外のトップライダーが集結するビッグエア競技の祭典である。ジャンプ台の設計は、選手が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう計算され、毎年進化を遂げている。

 

世界レベルの戦いが繰り広げられた一日

ネコママウンテンに毎年造成されるグローバルキッカー。これだけのサイズのキッカーが常設されているのは国内では稀なこと

本大会は、スノーボードカルチャーの発展と競技レベルの向上を目的に開催されている。国内のトップライダーが集い、高難易度のトリックが披露される場としても知られており、今回も国内から多くの著名なライダーが参戦した。

大会直前まで降り続いた大雪の影響で開催が危ぶまれたが、スタッフの尽力により無事に実施。
選手たちはベストなコンディションで自らのベストパフォーマンスを繰り出していった。

 

注目のライダーたちが魅せた圧巻のジャンプ

今大会で最も注目を集めたのは、先日のX Gamesで世界初の「2340」(6回転半)を成功させ、ゴールドメダルを獲得した荻原大翔選手。
さらに、濱田海人、木俣椋真、渡邊大睦など、トップクラスのライダーたちがしのぎを削る熱戦が繰り広げられ、3本のジャンプのうち2本の合計ポイントで争われた。

優勝は荻原大翔選手。1本目でスイッチバックサイド1620ノーズグラブを完璧にメイクし、そのスタイルと高さで審査員を魅了し、高得点を叩き出し、2本目でバックサイド1620メランコリーを決め、賞金100万円を獲得した。

1本目でスイッチバックサイド1620ノーズグラブを完璧にメイクした荻原 大翔選手

2位は白河舞冬選手。2本目でスイッチバックサイド1620メランコリー、3本目ではバックサイド1440ダブルグラブをクリーンにメイクし、自身のインスタグラムでも「大会で2方向初掛け初メイクSB16&B14」と喜びを綴った。

大会で2方向初掛け初メイクSB16&B14と絶好調vぶろを見せた白河舞冬選手

3位には、まだ13歳・中学1年生という若さで次世代ライダーとしてモンスターエナジーからも「Monster Army」としてサポートを受ける渡邊 大睦が、1本目でバックサイド1620ウェドル、2本目でフロントサイド1440インディを決め、その卓越した実力を疲労した。

3位の渡邊 大睦。これからさらに彼の名を耳にすることが増えてくることは間違いない。

 

研究開発プロジェクトも同時進行

今大会では、選手のパフォーマンス向上を目的とした心理状態の解析が行われた。これは内閣府の研究開発プロジェクト「逆境の中でも前向きに生きられる社会の実現」との協力により、大会期間中に選手の緊張状態や心理状態を解析し、アスリートの支援につなげる取り組みだ。
大会中には選手の身体的な計測も実施され、パフォーマンスデータの収集が行われ、ここでの計測データは、選手のメンタル面や身体的パフォーマンスの向上に役立てられるという。

選手の身体状況を計測、パフォーマンスデータの収集が行われた

 

ビッグエアの戦いの厳しさ

この大会で優勝することは決して容易ではない。出場選手は世界レベルのスキルを持つトップライダーばかり。勝ち抜くためには、技術力だけでなく、メンタルの強さや天候への適応力も求められる。

特にビッグエアは、ジャンプの高さ、回転数、スタイル、着地の正確さがすべて評価されるため、ミスは許されない。さらに、今大会は大雪の影響によるスケジュール変更で、十分なトレーニング時間が確保できない中での戦いとなった。それでも選手たちは最高の演技を披露し、最高峰のバトルは白熱していった。

左より濱田 海人選手、鈴木 淳宏選手、荻原 大翔選手、木俣 椋真選手、実力者たちがそれぞれに自分らしいスタイルをぶつけて競い合った
期間中、荒れ模様のコンディションが続く中、わずかなチャンスにすべての準備を整え、大会を成立させたSCLOVERとともに優勝の喜びを伝える荻原選手

 

NEKOMA MOUNTAIN FEST 2025を同時開催

ネコママウンテンは、極上のパウダースノーと整備されたスノーパークで知られ、初心者から上級者まで楽しめる環境が整っている。特にビッグエア用のジャンプ台は国内随一のクオリティを誇り、多くのライダーが訪れる場となっている。

また、同時開催された「NEKOMA MOUNTAIN FEST 2025」では、ミュージックライブやフードフェスが行われ、スノーボードファンのみならず多くの来場者で賑わった。スポーツとエンターテインメントが融合したこのイベントは、今後ますます注目を集めそうだ。

次回の大会でも、さらなる進化を遂げたライダーたちのパフォーマンスに期待したい!

Photo : zizo


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