昨シーズン、星野リゾートが運営する旧アルツ磐梯、旧猫魔スキー場が連結リフト「ニャルツチェア」で結ばれ、猫魔ヶ岳を南北へと繋ぎ、約5ヶ月間バラエティ豊かなコースを楽しめるビッグゲレンデ「ネコマ マウンテン」として生まれ変わった。ファーストシーズンはあいにく少雪のシーズンとなってしまったのだが、だからこそ山の持つ実力が感じられたといえる。多くのスノーボーダーがネコマ マウンテンを訪れ、新たなる魅力を実感したのだ。
Commented by 安立風太+松浦広樹
Photo: ZIZO
別々の山がひとつになって、また新しい景色が広がった
松浦
これまでは2つのエリアを楽しめる共通券があっても、徒歩ルートを使うか、車で移動するかという方法でした。移動は可能でしたが手軽ではなかったんです。徒歩ルートは実質20分くらいで歩けます。が、横移動ながらもアップダウンもあってそれなりに疲労も溜まり、誰もが手軽に行き来するまではいかなかった。だから実際はどちらかのエリアを中心に滑るしかなかったんです。連結リフトができて、移動が片道7分に短縮されて疲労もゼロになって、やっと1つの山として楽しめるようになりました。
安立
月2回ネコマ マウンテンでレッスン会をやっていますが、雪に合わせて北、南と移動しています。今までそれはできなかったので、連結リフトを使えるようになってから、いいコンディションでレッスンができて、参加者たちも喜んでくれています。リフトで移動している間に僕たちローカルならではの調子のいいポイントを話して、情報を共有しています。みんなも新しくなったエリアの遊び方をいろいろ模索している感じです。
ニャルツチェアからは絶景が
松浦
北と南はほどんど横移動ですが、北から南へ行くときに霧氷した森を通り抜けると、木々の間から磐梯山が見渡せて、最後に下りになるんです。そこで猪苗代湖が眼下に見える。絶景ポイントです。今まで山を結構上の方まで登らないと見れなかった絶景がもう簡単に見れてしまうので、ぜひみなさんにも楽しんでもらいたいです。
安立
徒歩ルートだけの時には樹木に阻まれて、これほどの絶景は見れませんでした。猪苗代町や会津方面に広がる雲海の景色はリフトの高さじゃないと見れないものなので、ローカルの間でも「絶景」は話題になっています。みんなスマホ出して写真撮影していますね。特に北から南エリアに入る際あたり、ちょっと「オッ!」ってなるポイント(笑)あたりが最高の景色です。
パウダーを楽しめる確率が高くなった
安立
パウダーを滑れる確率は断然アップしたと思います。南エリアの上部もいい雪ですが、そこは午前中が勝負ですね。陽が当たってくると湿っぽくなるので、やはり北の雪質はその上をいきます。ドライなパウダーだったら北ですね。北の上部は安定して雪がいいので滑りごたえがあると思います。
松浦
北エリアの雪質は本当に素晴らしいと思います。陽の当たる南エリアと冷えやすい北エリアでは雪の降りかたも質も違います。裏磐梯という雪質に恵まれた環境は、昨シーズンのような暖冬でもパウダーを楽しめたし、その雪質目当てにたくさんのスノーボーダーが来ていました。かつては駐車場が満車になる心配がありましたが、今は南エリアから入って行けるのでアクセスが楽で多くの人が北エリアで滑っています。
昨シーズンは北エリアが結構人気で…
松浦
今シーズンは少雪でないことを期待したいですが、少雪が続くとどうしても北エリアが人気になってしまう。そんな時は南エリアの上部エリアがオススメです。南エリアでも上部と下部では雪の状態が大きく変わり、雪が降った翌日はパウダーも十分に楽しめる。連結リフトを使って、簡単に空いてる方を選ぶことができるのはとても有難いです。
安立
北エリアが昨シーズンは予想を上回る混雑だったと思います。そこでリフト待ちが増えたりもしていたんですが、今シーズンは北エリアにクワッドリフトが増えたり、さらに進化しています。混雑も緩和されるのを期待しています。
地形を遊ぶなら南エリア
安立
南エリアはロングランができ、いろいろな場所を回遊しながら楽しめる。この地域は結構気温が低くなるので、リフトもフード付きで暖かいのは嬉しいです。北エリアは雪がいいから集中的に気合い入れて滑る感じが多いかな。地形遊びは、南エリアが楽しいですね。初〜中級者、キッズでも遊べる地形も多いと思います。
松浦
南エリアは広くて、地形が豊富です。上部の迂回コースなど、起伏に富んだ場所がオススメです。距離を長く、広いバーンを気持ちよく滑るなら断然南エリアです。広い山なので1日をどう滑るか、その日のコンディション、自分のやりたいことに合わせてプランをたてて行動すると、いい1日を過ごせると思います。
いつでもパークOK
松浦
連結されて、その時期のベストコンディションのパークで遊べるようになりました。まずは北エリアからパークが常設され、トップシーズンは南エリアでステップアップパーク、流せるパークなど多彩なパークが遊べる。春には北エリアにバンクドパークもできる。特にサイズの大きいアイテムの安全性の高さが素晴らしいです。
安立
昨シーズンは少雪に悩まされて、南エリアのパークの楽しさが100%発揮できなかったんです。南は幅広いレベル、特に初〜中級に最適なアイテムがより多く設置されているので、今シーズンは期待しています。雪が十分なら全てのレベルの人が効率良くスキルアップを目指していける環境が整うと思います。
FUN RIDE TIPS
1
朝一番は「ファーストライド」で最高気分
朝8時15分、公式営業時間よりも15分早く、きれいに圧雪された誰も滑っていない朝一番のネコマ マウンテンでカービングターンを存分に楽しめるのが「ファーストライド」。アルツエクスプレス(ズナイ1・2)で開催。奥のエリアに早くいきたい方にもオススメ。1人1,500円(リフト券別途必要・シーズン券の人は無料)。
2
北エリアのPOWDER DEEPを狙おう!!
北エリアで最も雪が溜まるディープエリアを最大限に楽しむため、大量の降雪予報が出た際はリフトを運休し雪を溜め込んでから開放するという。期間は2025/1/14〜2/28でSNSで情報発信。場所はディープキャットチェアでアクセスするディープ1と2だ。
3
「磐梯山温泉ホテル」なら14時チェックアウトで2日目もゆったり
ホテルの第一コンセプトは「スノーボーダー・ファースト」。冬のチェックアウト時刻は全室14時とレイト設定。午前中滑り倒して、温泉〜ゆっくり着替えもOK。さらに宿泊すると一般営業が始まる15分前にコースが開放される「ファーストライド特典」もある。ゲレンデ直結の「磐梯山温泉ホテル」に泊まって2日間を優雅に滑り倒そう!
4
北エリアにクワッドリフト「フレンドリーキャット エクスプレス」が新設
北エリアのフレンドリーゲレンデに全長約800mの高速クワッドリフトが登場。このリフトの運行によってベースからの輸送力が大幅UPし、リフトの待ち時間が短縮される。また、ディープキャットチェアへのアクセスも簡単。いい雪を求めて北エリアに人が集まったとしても、今シーズンはリフト待ちも緩和されるだろう。
5
南エリアの人工降雪機を強化
南エリア中腹に新たに最新型の人工降雪機が設置される。南エリアから北エリアへも早期アクセスが可能となり、より長い期間、広大なゲレンデを快適に楽しむことができる。陽当たりが良く、少雪時にコースが途絶えてしまうという南エリアの弱点を大幅に解消する。
6
期間限定でヘリスキーサービスが登場
今シーズンより、期間限定とはなるが待望のヘリスノーボーディングが可能になる。リフトでは行けないコースにヘリでアクセスして、未圧雪コースを楽しめるサービス。滑走コースはゲレンデ内なので中級レベルの技量でも問題なく楽しめる。
7
車中泊プラン&キャンピングカープラン
これぞ新しい車泊のカタチ。ゲレンデ直結・専用駐車場の車中泊スペースに停められて、ゲレンデに隣接する磐梯山温泉ホテルの大浴場やラウンジが利用でき、単なる車泊ではなく快適で自由なスノーボードトリップが楽しめる。火も使用できるので焚き火やバーベキューもOK。さらにレンタルキャンピングカーを利用してゲレンデ車中泊を楽しむというユニークなプランも。朝一番ですぐゲレンデに出たい人には絶対にオススメだ。
8
北エリア滞在には無料シャトルバス「裏磐梯エリア便」を活用しよう
12月14日〜4月6日までの間、北エリアと裏磐梯の主要ホテルとを繋ぐ無料シャトルバスを運行。トップシーズンはグランデコとも接続される。電車でのトリップ、裏磐梯での運転に自信が無い人にはとっても助かるサービスだ。
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