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2022年11月12日~13日、東京代々木公園イベント広場では「東京雪祭2022SNOWBANK PAY IT FORWARD」(以下スノーバンク)が開催されました。
今回で12回目の開催となったスノーバンクは、2008年に血液の難病「慢性活動性EBウィルス感染症」と診断され、自らも骨髄移植を経験したプロスノーボーダーの荒井 “daze” 善正プロが、献血・骨髄バンクドナー登録の必要性&スノーボードの楽しさを伝えるべく2011年から一度も休む事なく行われてきたイベントです!
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年々イベントの規模が大きくなり、豪華アーティストのライブやアスリートが行う催しが併催されるなど、来場者数が増え続けている印象がある当イベントですが、今回も特設ゲレンデ近辺の司会進行を務めたプロスノーボーダー藤沼到(RIDE FOR A SMILE)が大会の模様を中心にレポートします!
ちなみに私、藤沼 到の冬の相方的存在、お笑い芸人の岩ちゃんが当イベントの雰囲気がよく分かる動画を配信していたので、こちらも併せてご覧ください。
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例年このイベントに照準を絞ってオフトレ施設に通うスノーボーダーもいるとの噂通り、今回一般参加エントリーが始るや否や、五日後にはキャンセル待ちの選手が数多く存在していた模様。その状況から見ても、2日間開催の初日を勝ち抜き、招待選手に混ざっての下克上を果たしたいアップカマー達の登竜門的イベントになっている印象があります!
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そんなジブセクションを愛するガチジバー勢が全国から数多く出場する印象のあるスノーバンクではありますが、そのような鋭い側面だけではなく、ゆるく平和に家族ぐるみでイベントを楽しみ、献血や骨髄バンクドナー登録に協力して社会貢献する事をルーティンと考えるスノーボード愛好家の皆さんも参加するイベントです。
今回初日の一般予選に参加したライダーは男子58名、女子20名、キッズ選手が13名、最年少の選手は4歳から最年長が48歳まで。関東はもちろん北海道、東北、北信越、東海、関西、山陰などなど全国各地から様々な年齢層の選手達が代々木公園に集結しました。
そんな強豪ぞろいの猛者達の中から、初日の表彰式で名前を呼ばれた選手は下記の通り。
男子
1位 大坪 脩三郎(東京都)
2位 ホリイケ ソウタ(静岡)
3位 コンノ リュウシン(北海道)
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女子
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キッズ: 1位 ホリゴメ ソラ(神奈川)
ベストキッズ賞: エノモト ユウト
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ちなみにこの日、ジャッジとして参加してくれたのは翌日13日には招待選手として自らの出番を控えた3選手が担当してくれました。
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イベント2日目となる13日日曜日は各協賛メーカー推薦ライダーやスノーバンクからの招待選手達が登場しました。
イベント初日は35分間の公開練習を滑ったのみだった招待選手達、予選開始と共に恐ろしいほどのハイレベルなライディングスキルを見せつけてくれました。
女子予選から決勝へ勝ち上がれるのは10名。
11人の女子招待選手に混ざって、前日の一般女子戦を勝ち抜いた3名の選手達、計14名で予選を争いました。
ファイナリストの中には前日の一般女子戦を勝ち抜いたトミヤマ アミ選手(初日3位通過)の姿も。
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女子ファイナリストは下記の通りです。
高森日葵、藤川桃華、Miyon、石本鈴花、榊原仁菜、大石智代、高橋あおい、石原晴菜、宗野かれん、トミヤマ アミ(初日3位通過)
招待選手女子予選が20分で行われたのに対して、招待選手男子予選はAヒートとBヒートの2グループに分かれて、各ヒート30分の予選を行い、公式では10名のファイナリストが決定するというルールでした。
AヒートBヒート共に18人の選手、計36名の選手がファイナリストの座をかけて争いましたが、Aヒートには前日を勝ち抜いた一般参加ライダーの大坪 脩三郎選手、ホリイケ ソウタ選手、コンノ リュウシン選手、そしてキッズ代表のホリゴメ ソラ選手という4名の選手が登場しました。
A,B各ヒート共に壮絶な30分の闘いを勝ち抜いたファイナリストは計14名、各選手は下記の通りです
松下8931大知、玉村 隆、作間 琉、宮村結斗、小川凌稀、山田悠翔、戸田真人、壁田竜一、渡辺雄太、荻原大翔、米野舜士、濵田海人、長澤颯飛、大坪 脩三郎(初日1位)
イベント開催中カメラモードを起動したスマートフォンを、オーディエンスが最も特設ゲレンデに向けた瞬間、当イベントのマスコットキャラクター的存在「献血ちゃん」が果敢にハンドレールに挑む「献血ちゃんラン」!
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この献血ちゃんランによりオーディエンス、選手、会場が一体となり、代々木公園のボルテージが最高潮に達したところで女子ファイナルが幕をあけました。
アグレッシブな献血ちゃんランが築いた和やかムードから一変して、緊張感のある女子ファイナルが幕を開けました。
予選から男子顔負けのライディングを見せつけ会場を沸かせ続けていた10名の女子ファイナリスト達がジブクイーンの称号をかけて争い見事頂点に立ったのはSBJ(日本スノーボード産業振興会)推薦ライダーの大石智代選手。
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予選から終始安定感のあるライディングを続け、ファイナルではダブルダウンレールでのフロントサイドボードスライドをクリーンメイクするなど男勝りのトリックでオーディエンスに自然と大声をあげさせていた大石選手が今年のジブクイーンの座をゲットしました。
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献血ちゃん&女子ファイナリストが特設ゲレンデを取り囲むオーディエンスを最高潮にヒートアップさせた所でいよいよ14名の男子ファイナリストが登場しました。
普段ストリートでフッテージを量産しまくるライダーから、ビッグジャンプで世界にその名を轟かせるライダー、生粋のコンペティターから、さらに下克上を狙うアップカマー、そして日本代表オリンピアンなどなど、観戦する側から言わせてもらうとすれば、贅沢極まりない豪華メンバーが勢揃いした25分の男子ファイナルが行われました。
2022年、これまで12回続く歴史あるこのイベントに新たなキングオブジバーとしてその名を刻んだのは、今大会にdaze推薦で出場した長澤颯飛選手。
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ダウンレールでのスイッチバックサイドリップスライドプレッツェル270
ダブルダウンでスイッチバックサイドボードスライドtoフェイキー(スイッチtoスイッチのボードスライドをダブルダウンレールで)などをメイクして勝利を決めました。
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今年も虎視眈々とシーンに登場する準備を続けてきたアップカマー達による勢いと、それを迎え撃つベテラン勢、そしてそれらの選手達を奮い立たせる2万人の来場者による熱いセッションが終了し、スノーバンクは幕を閉じました。
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主催の荒井”daze”善正プロ&育子夫人はイベント当日の朝、テレビ番組に生出演してイベントの趣旨を電波にのせてお茶の間へ語り、想いを伝え、多くの人々の心を動かし終わってみれば当初掲げられていた目標献血者数を大きく上回る受付人数567名、献血実施数471名、骨髄バンクドナー登録数102名という素晴らしい数字を叩き出し、最高の形でこのイベントは終了しました。
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来年は2023年11月11日~12日東京雪祭SNOWBANK PAY IT FORWARDの開催が決定しています!
皆さん来年も代々木公園でお会いしましょう!
あ、いや!その前に!雪山でお会いしましょう!
皆さん22~23シーズンも素晴らしいシーズンにしましょうね~!!
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