10月12日にシングルリリースされた『地球の呼吸』はもう聞いただろうか? これは白馬をベースにHACHIとして活動する山崎恵太による最新の楽曲だ。リリース同日に、白馬で開催されたMovie fes『AREA UNITE(エリアユナイト)』で、YONEFILMが制作したその曲のミュージックビデオが上映され、後日その動画がYouTubeでも公開されると、さらに話題を集めた。
この楽曲の詩には、自然にまつわる様々なワードが続き、水という自然の循環の過程で自分たちスノーボーダーは遊んでいるということを感じることができる。この曲はスノーボーダーであり、ミュージシャンという肩書きを持つ山崎恵太のライフスタイル全てが凝縮されたミュージックビデオという彼のフルパートなのだ。
この曲に込めた想いを恵太に聞いたので紹介したい。
「この楽曲は、作詞作曲から歌、ピアノやドラムなど全パート自分が演奏してます。最初はピアノの弾き語りで歌詞を作って、テンポ的にレゲエがハマったからバンドサウンドにして豪華にしていった感じです。メロディはまんまじゃないけど、となりのトトロの「風のとおり道」をモチーフにしたりして。
詞のイメージは、サーフィンして感じたことも結構大きくて。 なんかこう、スノーボードしてても、その流れはサーフィンと本当一緒で…。水の循環の話になるんですけど… 雪が溶けて、その水が川に流れて、海に戻るみたいな。その一連の自然の流れがすごくリンクしているというか。スノーボーダーとかサーファーって、そのことを感じて生きていくと、すげぇ調子いいっていうことを楽曲に込めたくて。
詞に「血潮」っていうワードを使ってるんですけど、深掘りしたら脊椎動物が海から陸に初めて上陸したとき、海水を体内に閉じ込めて陸に上がったっていうことが書かれてたんです。だから自分たち人間の体の中にも海の潮が流れてるみたいな感じなのかなって…。血と潮ってある意味一緒で、血液や体液とか羊水って海水と同じ塩分濃度とかっていったりするんですよね。地球の水の流れは、海水と川と雨が全部繋がってて、それは俺ら人間に流れてる血とも繋がってるんじゃないかなって。詞のなかで「雨」のことを「地球の涙」って例えてみたり。
サビで「時がながれ人も変わる」っていう部分があるんですけど。それは土の時代から、風の時代に変わったってことを表現したくて。風の時代っていうものが実際どういうものかちゃんと理解してるわけじゃないんですけど… でも、それをわかって受け入れると人のあり方が変わるのかなって。「風が吹き土を乾かす」っていうのが、風の時代がやってきて土の時代を引っ掻き回すみたいな。そして、「雨が降り地固まる」と「涙」っていうワードがかかって、今までよりキット良くなるっていうことを伝えたかった。こうして詞を詳しく伝えると結構深い意味があって、そういう自分が今感じていることを書いた感じです。
その歌詞が思い浮かんだんで、それをYONEFILMのヨネさんに聞いてもらって。で、この楽曲でミュージックビデオを作って『AREA UNITE』で上映しましょうよって話になったんです。
一応、ミュージックビデオなんですけど、自分のライディングも入れてスノーボーダーの山崎恵太としてのフルパートという形でリリースしました。
この楽曲は、SpotifyとかiTunesとかのサブスクでも配信中なので、ぜひ聞いてもらえたら嬉しいです」ー 山崎恵太
“地球の呼吸”
眠れない夜を拾い
集めて三日
月を見つめる
まだ見ぬ明日を迎えに行くよ
このまま朝日を待つ
朝の葉を濡らす地球の涙
恵みの雨が降る
川はやがて海にたどり着き巡る
血潮の流れ
山の向こうに夕陽
が沈みまた月が顔を出す
昨日のあしたを追いかけるよ
このまま海を目指す
この風が揺らす草木が示す道しるべを辿り
波はやがて岸にたどりつき感じる星の呼吸
時がながれ人も変わる
風が吹き土を乾かす
この星が涙を流し
雨が降り地固まる
起きれない朝を数え忘れて太陽を見上げる
昨日の明日は戻らないよ
そのまま時は過ぎる
麻の葉を燃やし地球の笑顔恵の意味を知る
雪はやがて山に降り積もり巡る血潮の流れ
星が周り時も混ざり風が吹き人を惑わす
あらがわずその身を委ね受け入れて心高まる
時が流れ人も変わり風が吹き土を乾かす
この星が涙を流し雨が降り地固まる
作詞/作曲/歌
山崎惠太