強豪ジバーへの登竜門として過去6回もの開催を続けてきた「ELECTRIC ALL FLAT CASH JAM」が、2年ぶりとなる1月25日に、新潟・舞子スノーリゾートで開催された。今回はエントリーの定員を超えるほどの大盛況だった当日の模様を速報としてお伝えする。
Photo: ZIZO
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ミドルクラスが作られたことでパークコンセプトも変化した今大会
フリースタイルシーンを牽引するライダーを数多くサポートするELECTRICが、日本のジブシーンを盛り上げるべく開催している「ELECTRIC ALL FLAT CASH JAM(以下: 通称AFCJ)」。このイベントを通してジブのカッコ良さや、スノーボードの素晴らしさを広めたいというブランドの想いが込められている。7回目の開催となった今回も、全国各地のジバーたちが舞台となる新潟・舞子スノーリゾートに集まった。
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このイベントのルールはいたってシンプル。プロアマ問わずスノーボードが好きなら誰でも参加可能で、この日のために作られた特設ジブパークでジャムセッションを行うというもの。自分のスタイルをジャッジを担当するELECTRICライダーたちに見せつけ、このイベント用に作られたCASHをどれだけ集められるかで勝負が決まるというものだ。
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今回は従来のイベントフォーマットから変更された部分がある。1つ目は会場がゲレンデのメインリフト付近での開催になったこと。これによりイベント参加者だけでなく、スキー場に訪れたお客さんからの注目も集まることになる。2つ目は、ジブを始めて間もない初心者~中級者が参加しやすいように新たに「ミドルクラス」が作られ、このクラスは年齢制限のない男女混同のヒートとなった。それによって、コースレイアウトも例年から少し変更されたようで、特設ジブパークの造成を担当したSNOWCASE DESIGNの腰越氏が今大会のコンセプトをこう話してくれた。
「今年はいろんなレベルの人が楽しめるように定番のジブコースをイメージしつつ、上級者もクリエイティブに考えながら攻められるレイアウトにしました。アイテムのラインナップにボックスを入れたり、ダブルダウンの角度も緩めにして、いろんな人がトライできるようにしています。あとは、ボックスのリップ to レールや、レールのリップ to ダブルダウンに当てられるようなラインも作ったので、それら中央の3アイテムを真ん中にギュッと寄せたんです。このセクションで上手な人たちがクリエイティブに見せてくれればいいなっていう。また1発目のスパインレールをスケートライクなランページみたいなセクションにしたんで、 擦りながらその後のラインを決めていってもらえたらいいなと。定番のレイアウトに様々なラインを落とし込んだので、そこらへんをエキスパートの人たちがしっかり見つけて、楽しんでもらいたいですね」。
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楽しみながら積極的に技をトライし続けた参加者たち
当日は、雪が降ったり晴れ間がのぞいたりと目まぐるしく天候が変化する1日。そんな中、予選のミドルクラスからジャムセッションがスタート。このクラスでまず注目を集めたのは、4歳、6歳、7歳と3人の兄弟姉妹で参加したキッズたちの活躍だ。とても小さい背丈だが、大人顔負けのアグレッシブな滑りと攻めっぷりで会場を沸かせていた。そして今回からスキーヤーの参加も可能となったことも加筆しておく。下は4歳から上は40歳までの各ジャンルの参加者たちによる最初のヒートはいきなり大いに盛り上がっていた。
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続いて行われたのはウィメンズクラス。東北、白馬、妙高、群馬、岐阜、西エリアなど全国各地から合計14名がエントリーしていて、予選から白熱したバトルが繰り広げられた。その後は2ヒートに分けられたメンズクラス。このヒートにはブランドのスポンサーや、ショップサポートがついているライダーがいたり、さらには海外の滑り手も参戦するなど、まさに強豪ジバーが集結。1発目のスパインレールでスケーティーな滑りを魅せたり、特大オーリーなどで超える人がいるかと思えば、その流れで続く中央セクションと最後のウォールが見せ場となり、大技を繰り出しジャッジにアピール。また、ジャムセッションの合間にELECTRICライダーたちも飛び入り参加し、参加者たちは間近で見るライダーたちの滑りとセッションにテンションが上がっている様子だった。
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午後は各クラスのファイナルジャムが行われ、イベントも終盤になるにつれさらに盛り上がっていく。中でもウィメンズやメンズのファイナルヒートはかなりハイレベルな技が飛び出し、最初のアイテムでフロントフリップを放つ人や、中央セクションのダブルダウンでスタイリッシュなバックテイルを全抜きをする女子がいたり、バックリップや270イン&アウト、360アウトなどで魅せる人も…。はたまたダブルダウンをノーズプレスで乗り切ったり、トランスファー270インなどの大技も飛び出していた。また常連の参加者がオールワンフットで全アイテムのフルメイクで会場を盛り上げると、ウォールでのハンドプラントやそのRを使ってビッグエアーを繰り出す人もいた。それぞれの参加者が得意なトリックを出しながら、このパークの特性を掴んでクリエイティブなラインでジャッジ陣にアピールし、より多くのCASHを稼ぐために攻めていたのが印象的だった。
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ELECTRICライダーとして1日を盛り上げたSUICAこと石原晴菜はこのイベントこう振り返る。
「どのクラスも、みんなすごく楽しみながらしっかり目標を持って積極的に技をトライしていたのが印象的で、見ていて楽しかったです。私もジャッジさせてもらって、メンズクラスで優勝した倉田大樹くんがダブルダウンで魅せたトランスファー バック270インや、女子だったら石川綾子さんのバックテールがライダー的には結構湧いてたかなっていう印象です。私も昔はジャスリブとかのレールジャムによく出てたんですけど、当時そういったイベントで一緒に滑っていた人たちが、このイベントに来ていたのが自分的に上がりましたね。今回も来ていたELECTRICライダーの(板屋)慎吾さんとか(高尾)翔馬くんとかの影響が大きいのかなって。あと、やっぱりELECTRICっていうブランドがそういうメンバーを集めるんでしょうね。今回の特設パークは、初心者や中級者の人もスタイルが出しやすくって、レベルの高い人たちもクリエイティブに色々なラインを選べるセクションだったと思います。参加費もフリーで、ブランドのライダーたちと一緒に滑れたりする機会って貴重ですよね。上手い人の滑りを身近で見て、自分の目標を見つけられたり、やりたい技にトライできる環境がある素晴らしいイベントだったと思います」。
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全国から様々なレベルのジバーが集まるAFCJの存在。
今回のイベントで感じたことは、強豪ジバーへの登竜門とて開催され続けているAFCJの重要性だ。昨今ジブシーンが盛り上がりを見せていて、毎年東京の代々木公園で開催される「SNOWBANK」や、昨年大阪の中心地で開催された「COWDAY STREET」など、日本のトップジバーが活躍できる舞台が整っている。さらに、ストリートシーンにおいても、目まぐるしい勢いで次世代ライダーたちが活躍し、FREERUN編集部にも毎年ライダーたちのヤバすぎる写真が送られてくる。そうした中で、このAFCJのような全国各地から様々なレベルのジバーが集まり、参加者同士が切磋琢磨し、ライダーたちともセッションしながら自分のレベルを引き上げていくというリアルな草大会は、今後の日本のジブシーンの発展に欠かせないものなのだろう。これからもこのイベントを継続してもらい、明日の世界で活躍するスノーボーダーたちの礎を築いて欲しいと願う。
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このイベントの最後には、各クラスの入賞者とELECTRICライダーたちでプロフォトグラファーZIZO氏によるフォトセッションを決行。そして、そこで撮影された写真を厳選して2025年秋発売号のFREERUN雑誌で掲載させていただくので、そちらもお楽しみに!