大阪のど真ん中でのレールコンテスト 「COWDAY STREET 2025」【前編】

2025年11月22日、大阪・御堂筋には約20万人が押し寄せていた。阪神タイガースのセ・リーグ優勝記念パレードが同日に実施されたからだ。その御堂筋沿いに位置する北御堂(本願寺津村別院)を会場に、「COWDAY STREET 2025」が行われた。
それでは、昨年度から大幅にパワーアップしたイベントの超濃厚レポートをお届けしよう。
Photos: COWDAY実行委員会

午前中からスタートしたのが、夜に行われる「COWDAY STREET CHAMPIONSHIPS」への出場権を懸けた予選会 兼 FIS公認の「COWDAY RAIL CONTEST」だ。

まず、なぜCOWDAY STREETにて、FIS公認コンテストが開催されたのか。大会事務局の代表を務めた稲村 樹に話を聞いた。

Photo: Akira Onozuka

「FIS関連の方と話すなかで、『レールコンテストをいろんな場所で展開できれば、スノーボードの新しいコミュニティが生まれるはずだ』という言葉に共感したんです。もともとレールコンテストはスノーボードの他の競技に比べて場所を取らず街中でも開催できるから、スノーボードコミュニティ全体で考えても、すごく価値のあることだと思っていました。それに、僕らが手掛けるCOWDAY STREETは、ただのスノーボードコンテストじゃなくて、コアとマスをつなぐ“ハブ”のような存在であるべきだと思っていて。それで、僕自身、FISのTD(Technical Delegate)っていうコンテストの責任者の資格を持っていることもあって、今回の開催に至りました。ただ、僕らが多くの人に観てもらいたいのは、ガチガチに決められたフォーマットどおりのコンテストではなくて、もっとスノーボード本来の“自由な雰囲気”が漂うイベント。そこで、FIS公認コンテストを“予選”として位置づけ、その先にある夜のCHAMPIONSHIPSを“本戦”とする二部構成にしました」

ひとまず決戦の舞台を紹介しておこう。

今年も本堂へと続く階段に特設ステージが設けられていたのだが、下から見て左にダウン・フラット・ダウンのキンクレール、その右隣にはダウンレールと、ここまでは昨年同様だが、さらに右側はアウトからランディングまでの落差のあるフラットレールが新設されていた。ただコスるだけでは終わらない、空中戦まで期待できるレイアウトとなっていた。

予選ラウンドは、男子が3ヒート、女子が2ヒートに分かれてのジャムセッション形式で、ポイント上位の男女8名が決勝へとコマを進める。FIS公認コンテストということもあり、オーバーオールの採点に加え、各ランごとに3人のジャッジが細かくポイントを付けていたことも特徴だ。

お昼ごろになると、タテジマのユニフォームを着込んだ人や家族連れが、ゴキゲンなサウンドが響くお寺が気になったのか、続々と会場へ足を運んでいた。そして、都会のど真ん中ではなかなかない雪遊びを楽しんだり、出場選手たちの迫力あるライディングにクギヅケになっていた。

トリック難度、技のバリエーション、スタイル、そしてメイク率。それらを兼ね備えた若手ライダーたちが順当にファイナルへと進出したのだが、特に驚かされたのは女子ライダーたちのレベルの高さだった。昨年よりキンクレールもダウンレールも斜度がキツくなり、アイテム難易度は明らかにハードだったにも関わらず、上位陣は非常に高いメイク率を誇っていたからだ。もちろん、トリック難度やスタイルも申し分なしで、息つく間もない見応えあるバトルが続いた。

前回大会に出場していたゼブ・パウエルを彷彿させる超ロングボードで攻めていた強者も!
参加者同士が刺激し合いながら盛り上がっていた
アグレッシブに攻めの姿が印象的だった花田 雫
とにかく乗れていた松岡杏樹

決勝ラウンドは、1on1のトーナメント方式。しかも、勝ち上がりを決めたトリックは以降のラウンドで使用不可(異なるアイテムでの同トリックはOK)というルール。ただ、1本目で勝利が確定したあとでも、そういったシバリを気にせず自分の限界をプッシュして攻め続けるライダーが多かったのが印象的だった。

リザルトはというと、メンズは東京・渋谷でのSNOW BANKで優勝した勢いをそのままに、予選から圧倒的なメイク率を誇っていた松岡秀樹を、藤原優樹がキンクレールでハードウェイFS270のトランスファーをパーフェクトストンプして優勝。ウィメンズは、ダウンレールでFSボードスライド・270オフで高ポイントを叩き出していた松岡杏樹を、最後の最後で同じアイテムでSWBSリップスライド・270オフをメイクし、見事に逆転劇を飾った中山珠莉が栄冠に輝いた。

>>メンズのファイナルバトル

 

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>>ウィメンズのファイナルバトル

 

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【女子】

優勝: 中山珠莉(ナカヤマ・ジュリ)

2位: 松岡杏樹(マツオカ・アンジュ)

3位: 花田 雫(ハナダ・シズク)

【男子】

優勝: 藤原優樹(フジワラ・ユウキ)

2位: 松岡秀樹(マツオカ・ヒデキ)

3位: 渡辺大睦(ワタナベ・ヒロム)

「COWDAY STREET CHAMPIONSHIPS」の模様は、「COWDAY STREET 2025」【後編】として近日公開!