国内最強ライダーは誰だ!!COW DAY ジャンプ編 レポート
賞金総額¥1,300,000、国内最大のスノーボードコンテストCOW DAY。巨大キッカーを使って争われるジャンプ部門と3WAYのジブセクションのジブ部門で日本最強のライダーが決まる。今年も昨年度のジャンプ、ジブの覇者角野友基をはじめとしたトップライダーも参加。決勝ではついにあのトリックも飛び出し、劇的な終わりで幕を閉じたCOW DAY ジャンプ編の模様をお届けする。
Photo: Kentarou Fuchimoto
3月25日COW DAY、本戦。舞台はHakuba 47スキー場。まずは巨大なキッカーでのジャンプ部門から。前日24日におこなわれた予選から勝ち抜いてきたライダーと招待ライダー達で争われる本戦。招待ライダーは2連覇中の王者・角野友基、AIR MIXでも輝きを見せた宮澤 悠太朗、前年度直前の怪我で参加できず満を辞しての参加となる稲村 樹、西の重戦車田中 陽、北海道からやってきたFight For Liberty 山根俊樹と秋山耀亮、覚醒した次世代脇田壮希、帰ってきた男 上村 好太朗など日本トップの大会の名にふさわしい面々だ。
COW DAY本戦のシステムは、まず最初の予選に関しては3本飛んだジャンプのうち高得点2本のアベレージ合計、次にセミファイナルはどれだけカッコイイスタイルを見せられたのかのスタイル勝負、そしてトーナメントは1対1で、3本飛んだジャンプのうちベスト2本の合計ポイント。最後のスーパーファイナルは、ベストラン1本で優勝が決まるシステム。それぞれを勝ち抜いて行くには、高いメイク率、スタイル、トリックの難易度すべてのスキルが必要だ。当然ジャッジも世界基準で点数を出して行く。
前日24日に吹いていた風も止み、晴天の中かなりのグッドコンディション。国内屈指のパークHakuba47Parkの敏腕ディガー達の手によって完璧な形にシェイプされたキッカーでまずはライダー達は感覚を確かめる。予選はアベレージとあり、まずはトリックを決めることが大前提。そんな中でもライダー達は攻めた滑りを見せる。予選を通過できるのは、19名中12名。予選から1080などの高回転も飛び出す。予選からかなりのハイレベルで国内最高の大会にふさわしい。他のライダーがメイクしたトリックを見てライダー達も徐々にギアを上げていく。予選から圧倒的な滑りを見せたのが王者・友基。超BIGなCAB1260を立ち、余裕がうかがえた。上村 好太朗も久しぶりの表舞台と思えないほど、色褪せないスタイルで会場を沸かせる。20mのキッカーでの勝負はランディングを少し外すだけで激しいクラッシュ。それを乗り越えライダーたちはプッシュしていく。予選の結果発表では、招待ライダーたちも予選で落ちるなど大番狂わせが起きる。なんと招待ライダーで予選を通過したのは壮希、樹、友基の3人のみ。予選から勝ち上がって来たライダーたちのスキルも侮れない。
24日の予選から勝ち上がってきた10代の若手ライダー達が、アグレシッブな滑りで攻めていた。唯一のガールズライダー村瀬ココモもメンズ負けず劣らずの攻めっぷりでアピールしていた。セミファイナルはスタイル勝負。どれだけスタイルを出していけるかで競い合う。どれだけ長いグラブか、そしてスピンに自らのスタイルでオリジナリティを出せるのか。ただ高回転が回れるだけでは勝ち抜けない。どれだけ高回転が出来るかのコンテストが多い中、スタイルを問われるものも珍しい。高回転とスタイルを両立してこそ勝ち抜けるのがCOW DAYなのだ。ここでもコーク360でがっつりスタイルを出してきた友基がここでも1位抜けしてきた。
セミファイナルは12名から8名に絞られる。ファイナルからはトーナメントに。対戦カードは稲村 樹 vs 脇田壮希、神宮寺 海人 vs 相澤 亮、脇 八尋 vs 大久保 勇利、石田貴博 vs 角野友基に。まずは、樹と壮希のバトル。1本目、SWBS1260を打った樹に対し、壮希が選んだのはCAB1260。スイッチでの1260対決に。この勝負は2本目に、綺麗なCAB1260をCOOLなスタイルでビタメイクした壮希に軍配が上がった。
海人と亮の一戦は、ダブルコーク対決に。先行の海人は1本目のランディングでクラッシュし肩を痛めてしまう。その中でもプッシュし続けたが、安定感のあるダブルコーク1080をメイクした若き高回転マスター亮が勝利した。
八尋対勇利はファイナル一番の好勝負に。まずは八尋がダブルコーク1080をビタメイク。後攻の勇利も同じダブルコーク1080をビタメイク。66対68ポイントという僅差の1本目に。そして2本目は2人ともダブルコーク1260をビタメイク。半回転回転数を上げてきてお互い同じトリックをメイク。2本目とも74対77でこれも僅差。同じ技で勇利が勝利し、軍配は勇利に上がった。
貴博と友基の一戦はは、貴博が攻めて漢気のトリプルバックフリップにトライするもメイクならず。飛距離、ランディングもパーフェクトなCAB1260を見事にメイクした友基の勝利という結果。
スーパーファイナルまで勝ち上がってきた4人。絶対王者角野友基に立ち向かうのは全員10代の若手ライダー。まずは1本目、壮希、友基ばトリプルコークにトライするが立てず。結局、全員ランディングが安定せず、勝負は2本目に持ち越された。2本目、亮がトリプルコーク1440をメイクし、82ポイントという高得点をメイク。壮希、勇利、友基と3人ともランディングがうまく決まらず、この時点で完璧にメイクできたのは亮のみ。スーパーファイナルはベストラン1本。最後にヤバいトリックをメイクできれば、1発逆転もありうる。最後の1本に望みは託された。壮希の1本目、アプローチでスピードをとり、トリプルコークにトライ。綺麗な放物線を描き、ランディングまで完璧。見事メイクしてきた。興奮する壮希に集まるジャッジと岡本圭司。熱い抱擁で彼のプッシュを褒め称える。そして亮、2本目以上に完璧なライディングで亮も続けてトリプルコークをメイクしてきた。3本目でライダーたちが120%の力を出して来た。3人目に続く勇利。フラットスピンで1620まで持ってきた。しかし、ランディングが決まらなかった。勝負の行方は角野友基のラストランに持ち越された。固唾を飲んで彼のドロップを見守るギャラリー、ライダー、ジャッジ陣。MCのコールで友基がドロップ。ゆったりと1回転、2回転、そこから一気に速度が上がりランディング。トリプルコーク1620をメイクしてきた。その瞬間湧き上がるギャラリー。興奮有り余るライダー達は、彼の元へハグに走る。全員が彼の滑りを讃える。スノーボードが最高だと思える感動の瞬間だった。結果は、友基の3連覇。2位に相澤 亮、3位に脇田壮希。優勝を逃した2人も初めてトリプルコークをメイクし会場を沸かせた。ライダーたちが自らプッシュし、最高のイベントを作り上げていたCOW DAYだった。
日本のコンテストですでにトリプルコークが観れる時代になってきた。しかも無料で。日本にもこんなハイレベルなコンテストはある。来年は、ぜひ会場に足を運び彼らの滑りを見てもらいたい。そこにはスノーボードの素晴らしさと感動を味わえる場所があるから。
優勝 角野友基
「俺はこの大会にかけてる思いがでかくて、3連覇もかかってるし、今シーズンは海外の大会とかでも調子が良くなくて。その中でもだんだん調子が上がってきて、この大会だけは絶対に落としたくないなって気持ちがありました。その中でスーパーファイナルは、壮希も亮もトリプルコークを立ってきて俺は3本目までトリプルを立てなくて結構追い込まれてたけど、最後にメイクできてよかったなあって感じです。応援してくれてた人たちの気持ちにも応えられたし、みんなから「おめでとう」って言ってもらえて最高でした。」
2位 相澤 亮
「僕は予選から出たんですけど、予選からかなりレベルが高くて、スーパーファイナルまで行くのもなんども勝たないと行けなかったんです。運もあってスーパーファイナルまでいけて、トリプルコーク1440は何回かトライしてきたけど、立てたのはこれが初めてですごく嬉しかった。友基くんが最後の最後まで技を決めてなかったけど、最後の最後にトリプルの1620を決めてきたのはやっぱり流石だなって思いました。友基くんと一緒に出れる大会ってこの大会くらいしかなくて、本当にいい刺激になったし、来年も出られるなら次こそ倒したいと思いますね。」
3位 脇田壮希
「予選も上がれるかわからないくらいだったんですけど、このコンテストで初めてトライする技を2回ともメイクできて。友基倒した!と思ったんですけど、そのあと友基がトリプルコークの1620立って。最初から最後まで本当に楽しかったコンテストですね。」
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