1819hoshinoresort_trip
北海道のほぼ真ん中に位置する北海道第2の都市、旭川。近郊には数多くのゲレンデがあり、その中には世界中のスノーボーダー憧れの山、旭岳もある。
2月の旭岳ロープウェイは天候による運休が頻繁にあり、旭岳を滑りたくて山の麓に宿をとっても、ずっと滑ることができずに温泉三昧になることがよくあった。しかし旭川にステイしていれば、旭岳が運休でも他のいろいろなゲレンデに行くことができる。しかも旭川はほど良く都会なのでアフタースノーの楽しみもたくさんある。
今回「旭川、スキー都市宣言」(我々にとってはスノーボード都市)をしているホテル、「星野リゾート OMO7 旭川」に、ニセコをベースに活動している阪下空良(ソラ)&泉田 佳奈(カナ)がステイして、旭川での2泊3日のスノーボーディングライフを体験してきた。
「OMOベース」と「DANRANルーム」で北海道を実感。
OMO7 旭川は街の中心地、旭川市役所のすぐ横にある。近くには老舗と呼ばれるお店や通りもあり、とても便利の良い場所に位置している。
今回滑りに行く予定のカムイスキーリンクスまでは車で35分、旭岳までは1時間半程度で行くことができる。ホテルの豪華な朝ごはんを食べてから向かっても、最初のロープウエイに乗ることができるのだ。
実際この時、海外の撮影クルーもOMO7 旭川に滞在して天気や雪質に合わせていろいろな山に向かっていた。
フロント前には旅行者とローカルがつながる場として設けられた「OMOベース」がある。街の中心地に位置しているので「ホテルの中にずっといないで外にでかけて街を感じよう!」というホテルの方向性を示した作りになってる。
「OMOベース」のインテリアも旭川にちなんだ作りになっている。国産最高峰と言われる旭川家具のテーブルや椅子が使ってあったり、ランプシェードには旭川ラーメン店の丼を使っていたりして遊び心も満載だ。
ブックトンネルと呼ばれるコーナーには北海道や旭川に関連した書籍が集められている。ネットに出ていないコアな情報もここで収集可能だ。
ワックスサービスも扱うアウトドア専門店「iGATE IKEUCHI EXIT asahikawa」がホテル内にある。スタッフは旭川のスノー事情を熟知していて、的確な情報を提供してくれる。天気やゲレンデ状況はもちろん、どんなワックスを使えば良いかも教えてくれる。気温がマイナス20度以下にもなる旭川のゲレンデでは、普通のワックスだと全く滑らなくなることもある。極寒状態での「ストップ雪」という状態だ。この日も翌日以降の気温と行く予定のゲレンデに合わせて2種類のワックスを丁寧に入れてもらった。おかげで翌日は快適なライディングを楽しむことができた。
ステイしたのは団らんをコンセプトに「DANRAN Room」と名付けられたとってもかわいいお部屋。楽しくなるカラーリングにL字に配置されたベッド。ふたりで囲めるようにベッドの間に設置してある、芝生をイメージしたグリーンのDANRANテーブルは、翌日からのスノーボーディングの作戦を練るのに最適な作りだ。
スノーボーダーは何かと荷物が多くなるものだが、ベッドの下にはスーツケースを収められるスペースが用意されていて、収納もバッチリ。とてもかわいい「DANRAN Room」にカナちゃんまたもや大興奮。
「OMOレンジャー」に「Go-KINJO」をナビゲーションしてもらう!
OMO7 旭川内には市内でも屈指の名店「中国料理 桃源」があるけれど、せっかく旭川中心地のホテルなんだから夕食は旭川の街に繰り出そう。
OMO7旭川にはホテルから徒歩500歩圏内にある地元ならではのお店を案内してくれる「Go-KINJYO(ゴーキンジョ)」というサービスがあり、旭川の街を知り尽くしたホテルスタッフが扮する「ご近所ガイドOMOレンジャー」がいる。ちょっと年配の人ならピンとくると思うけれどレッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクのレンジャーたちがいるヒーロー物のオマージュですね。それぞれのカラーには得意分野があるようで、この日は旭川の定番グルメの食べ歩きに詳しいOMO BLUEに夜の旭川をナビゲートしてもらった。
この日の気温はマイナス10度を下回っていた。道路はつるつるに凍っていたし、吐く息はもちろん真っ白だったけど、街歩きをしている間中ディープな街の情報や歴史などの話が聞けて、行きも帰りもあっという間に感じた。
旅に出たらローカルが行くようなお店に行きたいと思っていても、なかなか難しいことが多い。ローカルのスタッフが案内してくれるこんなサービスは、なぜ今まであまりなかったのだろうか?と思うほど嬉しいサービスだ。各地方にこんなサービスが増えていってくれるとホテルステイがとっても楽しいものになるだろう。
この日は1950年開店、旭川の老舗居酒屋「炉端のユーカラ」を案内してもらった。
本州では考えられないくらい大きな「羅臼産縞ほっけ」。本州のものとは種類が違うのじゃないかっていうくらい甘くて美味しい「じゃがバター」。そして北海道といえばの「海鮮盛り合わせ」。佳奈ちゃんリクエストの「黒豆の豆腐」も地元の豆腐屋さんから直接買い付けたものでした。さすが地元を知り尽くしたOMOレンジャー、はずしませんね。
たっぷり食べたけど、ホテルに戻って北海道で流行っている「シメパフェ」食べて、この日は就寝した。
カムイスキーリンクスでパウダースノーを満喫
前日の情報をもとに、翌日向かったゲレンデはカムイスキーリンクス。OMO7 旭川からは無料バスが毎日運行している。
旭川から30分程度でアクセスできる手軽さと、とても広いエリア、上質なパウダースノー、豊富な地形などが相まって、旭川ローカルライダーたちはほとんどみんなここをベースに滑り込んでいる。ちなみにスノーボード黎明期には伝説のライダー石川健二氏もここのハーフパイプで研鑽を積んでいた。ちなみに現在ハーフパイプは設置されていません。
先に結論から言うと、とてもいいゲレンデだった。ゴンドラで快適にピークまでアクセスできて、プロライダーのソラでさえ、ベースまで流すと少し疲れるくらい長くて起伏に飛んだ地形は、とても楽しい。非圧雪のツリーランのコースも一般にオープンされていて、雪が降った翌日はローカルライダー達が大挙してやってくるのが容易に想像できる。
ピステンされたコースも横幅がとても広くて快適にクルージングできる。ゲレンデ脇には非圧雪のパウダーも残っていて、昼前に行ってもまだパウダーが残っていた。「昼近くにこんなパウダーはニセコだと残ってないよね」とソラが一言。
この日は曇りがちの天候だったけれど、それでも街を見下ろしながらのスノーボーディングはとても爽快だった。天気の良い日はとても眺望もよいだろう。
センターハウスはとても綺麗な作りで、食堂のメニューも豊富。ゲレンデおすすめは旨辛の「クッパ」。
軽く休憩をとって午後ラウンドへ。まだまだパウダーは残っている。ピステンバーンをリフトで小刻みにつなぎながら流していく。ゲレンデ脇のパウダーを食いながらちょっとした地形でジャンプも楽しめる。
たっぷり滑ってヘトヘトに疲れてもホテルまで30分でついて着いてしまう。バスを使えばウトウトしているうちに着いてしまうだろう。
都市部のすぐ近くにこんなに上質なゲレンデがある旭川ライダーがとても羨ましい。
またゆっくりと滑りに来るとちかいあう二人だった。
観測史上最大級の寒波到来のため旭岳はクローズ
ソラは今まで旭岳に来たことがなく、今回は初体験の良い機会になる予定だった。しかし観測史上最大級の寒波きていた旭岳はクローズ。もしかすると天候が回復してロープウェイが動き出すかもしれないとかすかな希望を持ち、昼までロープウエイが動くのを待ってみた。
朝到着したときに山頂の風速20m/s。11時過ぎても変わらず。運転を待っていたお客さんもほとんどいなくなり残されたのは僕たちだけになった。ちなみに風速20m/sは台風並みの風の強さで、何かにつかまっていないと立っていられない状態です。
12時まで待ってあきらめて、旭岳の麓の町東川町でおしゃれなカフェに行って最終日は終了となった。
旭岳は残念だったけれども、今回取材でなければカムイスキーリンクスに2日連続で行ってもよかったし、富良野スキー場にだって1時間半程度でアクセスできる。
もちろんアフタースノーも、街にステイしていれば自分好みにアレンジできる。旭川ラーメンでも名物の塩ホルモンでも、スープカレーだって食べることができる。
北海道といえばニセコとイメージするスノーボーダーが多いだろうが、旭川ステイのスノーボードトリップはとても快適で満足度の高いものだった。