この企画はバックカントリーのようなゲレンデを紹介するというものである。バックカントリーを滑っている私に対して「スキー場以外で滑ってみたい」「1人で雪山に登ってみようかな」などのコメントが多く寄せたれたことがきっかけとなった。
バックカントリーガイドに連れて行ってもらうにしてもツリーランや深雪を滑るのは本人のスキルだけが頼りだ。まずはバックカントリーのようなゲレンデでスキルを磨いて段階を踏んで、経験値を積むために全国各地でバックカントリーのようなゲレンデを紹介したいと思って始めた企画である。
バックカントリーのようなゲレンデを滑る企画「バックカントリーゲレンデ」の第一弾はルスツリゾートから始まった。
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ライダーは同じDrakeバインディングとNorthwaveブーツをサポートされている北海道在住の宮崎真樹さんと滑ろうと決めていた。
『どこのスキー場が自然の山に近いだろう。。。』
今シーズンの後半から北海道のニセコベース滞在していたこともあり、ルスツスキー場が頭に浮かんだ。
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先シーズン、まだコロナが蔓延していない時、アメリカのガールズキャンプBTBONDSのコーチをした時にルスツを滑ったが、アメリカ人の彼女たちだけでなく、日本人の私も驚いた記憶が鮮明に残っている。
その山を丸ごと滑っているような感覚のゲレンデの広さや雪の多さは海外にも名が通っているようなパウダースノーの聖地だというのも頷ける。
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ここ何年も世界中のスキーヤーやスノーボーダーがこのエリアに集まるのだが、今シーズンはコロナウイルスの影響もあり、例年に比べて少なかった。
今回ルスツの撮影をしたのが2月末だ。
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彼のパウダーターンは通称カミソリターンと呼ばれる。
一瞬でオーバーヘッドパウダーをあげるのが特徴だ。
初めて彼のパウダーターンを見たとき、そのかっこよさに驚いた。
私が見ている数あるライダーの中でもトップ3に入るようなターンだ。
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「真樹さん、なんでそんなターンができるんですか?コツはなんですか?」私はこの撮影中に彼のカミソリターンを身に付けたくて質問した。
「カーヴィングだよ。」と真樹さんは教えてくれた。
圧雪された硬いバーンでのカーヴィングターンと、
柔らかい雪の上でのパウダーターンは違うように見えるががっちりとつながっているらしい。
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初心者の頃はドリフトターンといって後ろ足をずらしてターンをするが、
それができるようになるとカーヴィングターンというターンを覚えるようになるのはスノーボーダーたち誰もが通る道だろう。
カーヴィングターンは体の重心を中心に保ったまま、板のエッジを使ってターンをする。
滑った跡が一本のエッジのラインしか残らない滑り方だ。
といってもとても奥が深く、同じうまいライダーでも頭の位置や体の倒し方も全然異なる。
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いろんな人がいろんなカーヴィングをするので答えは決して一つではないだろう。
骨格や筋力が違う分、滑り方も変わるのは当然だから
自分の中でしっくりくるカーヴィングターンを探すべく滑りまくるしかないだろう。
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そしてカーヴィングターンはエッジの使い方のスキルが上がるため、ハーフパイプやジャンプでもとても大事なツールとなる。
そんな話をしながら私たちはルスツスキー場の全てのコースを堪能すべく、あらゆる斜面で撮影をした。
前日まで大雪が降り、この日は晴天でまさにTHE DAY。
シーズンで何度かしかない、雪も良くて天気も良い最高のコンディションの日だ。
私たちは夢中になって滑り続けた。
Vol2に続く。
撮影協力:ルスツリゾート
ライダー
宮崎真樹(みやざきまさき)スノーボード歴23年
Koruashapes,,Drakebinding,Northwaveboots
レギュラースタンスF24R3 52.5センチ
ライダー
水上真里(みずかみまり)スノーボード 歴26年
GNUsnowboards,Norrona,Drakebindings,Northwaveboots,Spy goggle,Hestra gloves
グーフィースタンスF21 R3 51.5センチ
カメラマン
MZKphotofilms(エムゼットケーフォトフィルムズ)