さる5月13~15日。長野・白馬五竜にて「Mountain Wave 2022」が開催された。このイベントでシーズンアウトする人も多く、北は北海道から南は九州まで無類の雪山好き達が集結し、アツくもユルくも楽しめるイベントを各々のスタイルで満喫していた。取材班が訪れたのは、バンクドスラロームが開催された14日とトゥイーク世界選手権が行われた15日。なので、その2日間の模様をお届けしよう。
photo: HaruAki, Sugai
—
すでに白馬エリアでは恒例となっているシーズンラストのチルイベント。それが『LIVE NATURALLY』のディレクターを務めるYONE FILMが主催する「Mountain Wave」だ。今シーズンは、営業終了後の白馬五竜に特設コースを設置。ゲレンデのボトムは新緑に包まれていたが、ゴンドラで標高を上げれば、そこには遊び方次第で誰もが楽しめるコースが待ち構えていた。
5月14日。東京から白馬に向かうまでの道中は大きな雨粒が降り続いていた。ただ、シーズンラストとなるイベントを楽しみたいという大勢の想いが空に届いたのだろう。イベント開始時間になると小雨と霧雨の中間くらいの弱さに落ち着き、時折、太陽が顔を覗かせるまで天候は回復。ポジティブに考えれば、雨のおかげで雪は走る状態になっていたというわけだ。
こんな面白そうなイベントをライダー陣が見逃すわけがない。コース造成の段階から携わっていたライダーも多く、イベントでは小林優太、山崎恵太、北江正輝のHACHIクルー、仁科正史、西山 勇、藤田一茂、加藤 彩也香をはじめとする白馬ローカルに加えて、國母和宏、工藤洸平、美谷島 慎、丸山隼人、高橋信吾、中山二郎、小西隆文、相澤 亮、久保田 空也、堀井優作、伊藤直樹、中村貴之、壁田竜一、今井郁海、五十嵐 顕司、五十嵐 黎、吉野 あさひ、竹内悠貴、飛田流輝、佐藤亜耶、北原あゆみ、冨田せな・るき姉妹、広野あさみ……と名前を挙げればキリがないくらいの豪華メンツが全国各地から集結していた。
コース整備や公開練習が終わると、バンクドスラロームの大会がスタート。ジュニア(小学生)男子クラス&同女子クラス、ヤング(中学生)男女混合クラス、アマ男子クラス&女子クラス、オープン男子クラス&女子クラス、マスター(43歳以上)男子クラス&女子クラス、スキー男子クラス&女子クラス、スノースケート男女混合クラス、スイッチ(フェイキー)クラスと細かくカテゴリー分けされており、イベント参加者だけでなくライダーやメーカー関係者なども加わって250名を軽く超える参加者が、タイムを競い合うことに。
もちろん、バンクドの大会に参加せずとも特設パークを流しまくってもOK。とにかく、遊んだモン勝ちなのが、この「Mountain Wave」なのだ。
—
翌5月15日は、ゴンドラの最終乗車時間が13時半までとあって、朝イチから冷えたバーンでカービングのGを堪能したり、バンクドのコースを流したり、ランディングバーンが緩んできたアイテムを攻めまくったり、本当に多くの人が思い思いのペースでスノーボーディングやスノースケートを心の底から楽しんでいた。
そんななか突如として始まったのが、トゥイーク世界選手権。コース終盤にあるヒップで、誰が一番イケてるトゥイークを披露するか。
軽快でちょいワルなMCとともに、会場からはイケてるグラブをした滑り手に対して、惜しみない歓声と拍手が送られていた。
ただ、優勝者は決まることなくコンテストは終わってしまったが、編集部的に強く印象に残ったのは、スノースケートでは見事なメソッドトゥイークを放った山崎恵太、スノーボードではを身体をひねりまくったメランでトゥフェイキーを繰り出した中村貴之、そして、テールで天を突き刺すようなメソッドトゥイークを魅せた久保田空也の3人。優勝者が決まらなかったのも、このイベントっぽいところではあるけれど、同じグラブでもこれほどまでにスタイルって異なるんだっていうくらい様々なトゥイークが飛び交った。観ていて飽きない時間だっただけに、気がつくと最終のゴンドラ乗車時間が迫っていた。
だが、まだイベントは終わらない。ゴンドラで下山したあとは、ゲレンデのベースセンター・エスカルプラザのウッドデッキでのチルが待っていたからだ。そこでは、DJブースから流れるゴキゲンなサウンドに身体を揺らせながら、このイベントや今シーズンを振り返ったり、オフの過ごし方だったり、次の冬に向けての計画を話ししたり……どこか名残惜しくも自由でメローでピースな時間が流れていた。
さて、これにて編集部もシーズンアウト。振り返れば、最高と言われていた昨シーズンを超える最高すぎるシーズンを過ごすことができた。そんなシーズンを締めくくるのに、Mountain Waveは文句なしに最高のイベントだった。