Q1:23-24シーズンは臼井さんにとってどんなシーズンでしたか?
臼井:一言で言えば「原点回帰」のシーズンでしたね。技術的な話になりますが、ここ15年にわたって様々なことに挑戦してきたことを振り返りました。
Q2:その中でも特に印象的だったことは?
臼井:スノーボードに熱中するきっかけをくれた方と、25年目にして初めて一緒に滑ったことでした。「自分はまだまだだな」と気づかせてくれました。
Q3:どんな気づきがありましたか?
臼井:「サーフィン、スケートボード、スノーボード」、その中で唯一スノーボードだけがビンディングで足を固定されています。ここがポイントです。それは「スノーボードだけ許されている動きが多々ある」ということ。気付かないうちに私は道具に頼り過ぎていました。大事なことは「スノーボードだけ許されている動きを無くす」ことです。つまり、サーフィンやスケートボードからインスピレーションをもらった方が良いということ。カービングをする前にフリーライディングをしましょう。私はこれらをすっかり忘れていました。些細な技術に拘り過ぎていました。ポイントは「ひねりを効果的に使う」ことです。良かったら深掘りしてみてください。まさに「原点回帰」でした。
Q4:深いですね!私もサーフィンもスケートボードもかじっているので、ゾワっとしました!こんなに考えて楽しめるなんて、最高に楽しいですね!やっぱり考えて滑るのが好きですか?
臼井:物事には「出来る理由と出来ない理由」があると思います。それらを解明して説明するのが私たちインストラクターの仕事。考えて滑るのは元々非常に好きですが、自分を肯定してばかりでは話が違ってきます。そればかりでは「分かりやすく優しく伝える」所まで行きつきません。大切なことは、日々様々なお客様にレッスンさせて頂いた経験が一番の宝物だということ。現場を最優先に考えているのはそこにあります。なので「持論の押し付けは二流」だと自分に言い聞かせています。「人のための技術論」を今後も続けていきたいと思っています。
Q5:オフシーズンは何をして過ごしていますか?
臼井:主に林業をしています。1ヶ月に2回ほど、スケートボードや室内スキー場でのイベント(レッスン)を行っています。
Q6:スケートボードやスノーボードのレッスンはどこでされていますか?
臼井:スケートイベントは、福島の南会津でやっています。テーマは「新たな身体の動き」です。スケートのセッティングを変えながら、新しい自分を発見していただくためのオフトレーニングという位置づけです。スノーボードのオフトレーニングは横浜のスノーヴァ新横浜で行っています。もともと私が働いていた所で、この施設のおかげでデモンストレーターになれたと言っても過言ではありません。スノーボードに大事な低速コントロールのバリエーショントレーニングを様々紹介させて頂いています。「スピードで誤魔化さない低速コントロールとバランス」は滑りの軸を太くします。
Q7:イベントやレッスン情報はどこから入手できますか?
臼井:自身のサロンやLINEグループでの告知がほとんどです。少人数制でやっているので、あまり公募はしていません。InstagramやFacebookもやっているので、ご質問などございましたらお気軽にどうぞ。
Q:来シーズンのビジョンを教えてください
臼井:「違和感を取り除く」ことですね。現在、この世界では様々な情報(技術論)の取り扱いがされています。しかしながら、浅い情報も同時に増えている印象です。その方が短い時間で上手く情報をまとめられるので、それはそれで理解はできますが、違和感は残ります。私にとっては「リアル」の追求が最も興味のあることで、スノーボードを続ける一番の理由です。これからもそれらをお客様に届けます。その経験を生かし、さらに深く教育の分野に入っていこうと思っています。子供たちの未来に繋がればと思っています。抽象的なコメントですが、イメージの奥行きを持って読んでいただければ幸いです。