プロスノーボーダーとして活躍しながら柔道整復師の資格を取得し、
活動の幅を広げている村井美萌砂。
スノーボードと身体のメンテナンスは切っても切り離せないものだが、
幼少期からスノーボードを追求し続けてきた彼女はどのようなことをきっかけに、
新たなフィールドに飛び込んだのか。
今はどのような活動をしているのか、話を聞いた。
—最近はどんな動きをしていましたか?
美萌砂:今シーズンは群馬県のスノーパーク尾瀬戸倉をベースにレンタルで働きながら練習したり、大会やイベントを回っています! オフシーズンはフリーの出張で身体を診たり、夏は海の家でアルバイトもしていました。
—柔道整復師の資格を取るきっかけになったことは?
美萌砂:母親が提案してくれたのがきっかけです。私自身、専門学校を受ける前は柔道整復師という資格の名前すら知らなかったんです。ただ、小さい頃から両親の誕生日プレゼントはマッサージ券をプレゼントしていたくらい「身体を診る」という事が好きだった。スノーボードも続けたかったですが、やはり「手に職かな」と思っていた矢先、母親が提案してくれたのが柔道整復師という仕事でした。
—「資格を取ってよかった」と思えること、「自分のスノーボードにプラスになっている」と感じることはありますか?
美萌砂:取ってよかったことは、身体のメンテナンスがしっかりできるようになったこと。小さい頃からスノーボード漬けの日々だったので中学生くらいから腰痛や肩こりに悩んでいたんです。でも、身体のことを勉強しだしてからは大分改善されました。この資格を活かせば、スキー場でも地元でも、どこでも仕事ができるようになりました。これもよかったことのひとつですね。スノーボーダーのメンテナンスをすることも増えて、みんなが最高の状態でパフォーマンスできることに喜びを感じられます。
—「柔道整復師を資格を取る」と決めたとき、ライダーとしての生活との両立が難しいこともあったと思うけれど、その辺りはどうでしたか?
美萌砂:遊ぶことが大好きだった20代前半の私にとって想像より遥かに大変だったし、資格取得のためにいろいろなことを我慢して苦しんだ時もありました(笑)。校長先生に「留年です」と言われるほど勉強を疎かにしていたので「バイトもしない! 夏休みもいらないし、スノーボードもお休みするからお願い!」と、留年を免除してもらうために直談判しに行ったこともあったくらいです。
—それは大変でしたね! でも無事卒業して、資格も取ってライダーと柔道整復師の活動を両立させているのはすごいことだと思います。今年はライダー、柔道整復師として、どんなふうに動いていきたい?
美萌砂:少し前までは大会で成績を残す事が1番の目標になっていましたが、最近はコンペに出る回数をすごく減らしたので「本当に自分が楽しいと思えるスノーボード」を追求できるようになりました。やっぱりスノーボードが大好きなので、スノーボードの魅力をしっかり伝えていきたいと思っています。私にはダブルコーク1260はできないですが、小さいジャンプでのグラブや180、初中級者が「次に目指すもの」となるようなお手本を提供できれば……と考えています。柔道整復師としては、ゆくゆくは自分のお店を持ちたいと考えているので、今は経験を積むために少しでも多くの人を診たい。「楽になった!」という喜びを一緒に共有できたらうれしいですね。今年のオフは接骨院で働こうかな、と考えています。
【使用ギア】
■ボード/【HEAD】EVERYTHING LYT
■ブーツ/【HEAD】EIGHT BOA
■バインディング/【SP Bindings】sLAB.ONE