2020年の大人の「女ふたり旅」は、群馬県・沼田エリアを舞台に川場、尾瀬岩鞍、丸沼と各スノーリゾートを3連載でお届けする。今年はプロスノーボーダー水上真里と松井英子のふたり。レギュラー出演のLA在住である上田ユキエが現在の社会情勢により帰国できない状況になったため、急遽ピンチヒッターとして群馬在住のライダー松井英子が参戦。
雪不足と言われる中でも、自分たち次第で楽しみ方は広がると話す彼女たち。大人の女ふたり旅が始まった。前回Vol.1で川場を滑り倒し、Vol.2では尾瀬岩鞍を楽しんだ。最後にふたりが向かった場所は、今期新たなパークが展開されている丸沼高原スキー場だ。
Text: Mari Mizukami
Photo:Takahiro Nakanishi, MZK
Special Thanks: GNUsnowboards, RIDEsnowboards, 丸沼高原スキー場, シャレー丸沼
女ふたり旅、丸沼高原スキー場で噂の「Frozen Wave Park」へ
前日から丸沼高原にあるシャレー丸沼に滞在していた私たちは、朝から源泉掛け流し温泉に浸かり準備万端だった。
この日、午前中は丸沼の天候が曇りだったが、一歩ホテルの外へ出ると目の前がゲレンデだったため、天気が悪くなってもすぐに戻れる距離なので安心して滑りに行くことができた。
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「山の上の方はガスも抜けてるかもね」と、私たちは早速ゴンドラに乗り込んだ。
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標高2000メートルもあるスキー場で、ゴンドラで一気に頂上まで行けるので、板を外してリラックスできる時間があるのも嬉しい。
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頂上に着いてまわりを見渡すと、ガスは抜けていたので問題なく滑れそうだ。私たちは山のトップからボトムまでを一気に滑り降りることにした。
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ゲレンデ内には、ところどころに飛べる地形もあり、総合滑走の練習になるコースだった。
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この日は、少し気温が低かっただけに板もよく走る。
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コースが長いので滑りごたえも十分だし、色々なターンの練習にも最適なバーンが広がっている。
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朝早く起きた私たちは早めにお腹が空いてしまったので、ゲレンデの中腹部にあるレストラン「とんふぁん」で早めのランチを摂ることにした。
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ここのレストランからはゲレンデ全体を見渡すことができ眺めも良い。私たちは美味しいランチを堪能して、天気が良くなるまで一息入れることに。
スキー場内には、のんびり過ごせるカフェやレストラン、そして座禅温泉という日帰り温泉もあるようだ。
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天気が悪くなっても、スノーボード以外にも楽しめる施設がスキー場の中にあるのはありがたい。
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男性なのに女ふたり旅に溶け込めるくらい柔らかい性格で私たちを安心させてくれるカメラマンの中西くん。本人は若い方が良いらしいが。反感を買うとわかっていて濁している(笑)。やはり大人の女性向きカメラマンなのだろう。
午後からは彼の代わりに撮ってくれることになったカメラマンのMZKさんと合流した。天気も良くなり始めたので、私たちは今シーズンからスタートした「FROZEN WAVE PARK」に行くことにした。
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FROZEN WAVE PARKは、トッププロ達によるパークのメンテナンスで整備されているのも知っていたが、私自身このパークを滑るのは今回が初めてだった。
地形遊びのプロ達がプロデュースするこのパークで練習すれば、地形を最大限に使いながら滑るコツが掴みやすい。しかも思っていたよりも長いコースだったので滑りごたえも十分。細かくターンを刻まなくてもバンクに何回でも当て込めるのも面白い。
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このパークの横にかかる中央リフトのおかげで、リフトを回して何度も練習することができる。
パーク内のバンクは、一概にバンクといってもサイズも形も少しずつ違い、様々なラインでスピードも十分につく長さだった。
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撮影では、一本のランでレイバックを何度も繰り返し練習することができたので、納得のいく写真が残せた。
パーク内には当て込めるバンクがたくさんあるので、同じ技の反復練習ができる。短時間でやりたい技を体に覚え込ませることができるのも魅力だ。
前日降った雪が、まるで波のスプレーのように飛ぶ。まさにFROZEN WAVEだった。雪のある場所を狙って、えーちゃんが当て込み勢いよくパウダーを飛ばした。
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かなりの勢いでパウダーが舞った。このえーちゃんのスラッシュでどうやらカメラが雪まみれになってしまった様子のMZKさん。
「大丈夫かな?」と、心配して近寄ってみると…
私の心配をよそに、むしろ大量の雪をかけられて嬉しそうに笑っていた。
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どうやらこちらの方も空気を読める大人の女性向きカメラマンのよう(笑)。おかげで私たちは残りの時間も精一杯撮影を続けることができた。
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スラッシュをするためにはスピードも必要だが、フローズンパークはスピードも十分につけられるので、を定めて当て込みやすい。
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リップのピークがわかりやすくタイミングもつかみやすかった。このパークで地形遊びを習得することでフリーランも上達する。そして、滑るラインも無限にあるため人によって滑り方のラインが変わるところも面白い。
*このFROZEN WAVE PARK、今シーズンの営業は3月22日で営業を終了しているが、来シーズンも営業する予定のようだ。
すっかりこのパークを満喫した私たちは宿泊先のシャレー丸沼に戻ることにした。
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私たちはまず源泉掛け流し温泉の座禅温泉に浸かり、ゆっくりと夜ご飯を堪能することにした。
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この日がラストナイトとなり、私たちはこの群馬トリップを振り返った。スキー場にはそれぞれ特有の楽しさがあり最高に良いトリップだったと充実感を噛みしめる。
そして旅を終えてみると私は、一緒に滑る前と後でえーちゃんのイメージが変わっていた。以前の印象は、スノーボードはアクティブなイメージだけど、おっとりしている性格なのかなと思っていたが、彼女は冷静沈着という方が合っているのかもしれないと思えた。
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何事も細部までしっかり考えられる彼女は、常に自分の考えが出来上がっているだけに揺らがない信念を持っている。地に足がついているライダーなんだなという印象を受けた。
普段はスノーボードだけではなく看護師をしている彼女は、人の心の支えとなる存在だからか、一緒にいて安心感がとてもある。
何よりも彼女とは本音で話し合える。私も思っていることを正直にいうタイプだが、えーちゃんも本音で答えてくれるからわかり合う時間も短かかった。
この「女ふたり旅」という企画は、何事にも本音でぶつかっていける相手がいいのかもしれない。スノーボードだけでなく、人間的にも尊敬できる部分を持っている人と一緒に旅することで、相手の良い部分を間近で見て吸収することができるからだ。
短期間だけど、一緒に滑ってお酒を飲んで寝起きを共にすることで相手のライフスタイルが見えてくる。お互いのライフスタイルを間近で見て良い影響を受けあい、吸収して自分のライフスタイルに取り込んでいく。それができるから女のふたり旅は面白い。
今回もあっという間だった撮影旅。忘れられないシーズンの思い出ができた。
次回の女ふたり旅はどこへいくのか、今から楽しみだ。
完。
今回の旅を振り返って。By 松井英子
「マリさんは以前から知ってたけど、滑ってる感じとかも男勝りだからすごく厳しい人なんじゃないかって思ってて、最初は怖くて緊張でドキドキしていました。
でも、撮影をしていくうちに、マリさんやカメラマンさんとコンタクトを取り合って、写真を残していく共同作業も楽しかったし、全てが新鮮で勉強になりました。
マリさんは、色々できそうだけど、不器用な部分もあったりして。苦手なものとかもあるけど、それを克服しようと勉強している姿が一番印象に残りました。
この女ふたり旅は、生涯忘れることのない素晴らしい思い出になると思います」
女ふたり旅 群馬・沼田エリア VOL.3 ~丸沼高原編~ MOVIE
VOL.1 ~川場編~はこちら
VOL.2 ~尾瀬岩鞍編~はこちら
★PROFILE
水上真里
1976年7月17日生まれ、プロ歴20年。2000年にハーフパイプでプロ昇格。国内外のムービー出演、海外撮影などで20カ国を旅してきた。フランスの大会、3人1組で滑るスキー、スノーボード大会を日本で主催した経験を持つ。オフの過ごし方は「自宅一軒丸ごとDIY」に挑戦したり、ヨガ講師やブラインドサッカーのスペシャルサポーターなど幅広く活動している。
SPONSOR: GNUsnowboards, Norrona, SPY, Northwave, Drake, HestraGloves, SBNfreerun,プラズマ解離水,HiKOKI(日立工機)
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松井英子
1983年5月24日生まれ、群馬県在住で大阪出身。公務員になるもスノーボードにハマり退職。スロープスタイル、ビッグエアの大会に出場し、北米でのラィディングやサマーキャンプのディガーの経歴を持つ。スノーボード中心のライフスタイルを送るため群馬に移住し、地方新聞で発信している。フリーライドの大会の出場をしながら、横乗りの楽しさを伝えている。冬はスノーボードやスノースケート夏はスケートボードやフラットランドのスキムボードのイベント主催者などをしている。
SPONSOR: RIDEsnowboards, AIRBRASTER, HERTELWAX, 39factory, 湯沢沙羅, グンマーSARアジト, AG SKIMBOARD
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